喜多直毅&黒田京子デュオ東北ツアー:盛岡少年院でコンサート


初めて少年院で演奏しました。
写真はリハーサル風景。

少年院の生徒さん達を対象とした約45分のプログラム。
最初、どんな曲を演奏したら喜んでもらえるか悩みましたが、結局普段通りのプログラムで臨みました。
あ、でも一曲だけ彼らが普段歌っているという宮沢賢治の『星めぐりの歌』を演奏。

何故、宮沢賢治か?
グランドの片隅に賢治が設計した花壇があるのです。
なるほど。

その花壇の端っこには小さな水甕のようなものが設えてあり、水が溜まっていました。
それは『涙腺』なのだそうです。

曲目が進むうち、最初は固かった彼らの表情にも笑顔が。
良い感じ!

プログラムが終わった後、黒田さんが質問を募ったところ何人が手を挙げてくれました。
『ヴァイオリンって高いんですか?』
『弓の毛は何で出来てるんですか?』
こんな感じの質問なら答えやすいです。

ただ最後の質問が難しかった…。
『音楽を職業にするってどんな感じですか?』みたいな質問。
この問いにはちょっと困りました。
チンプンカンプンな事を言ってしまったと思います。
あ〜あ…、ダメだな、俺って。
もう少し彼らの身になって話せたら良かったのに。

でも我々の演奏、きっと喜んでくれたと思います。
彼らの表情にそれを感じたし、マンシーニの『ひまわり』を弾いている最中、彼らと我々の気持ちが繋がった気がしました。

星めぐりの歌

あかいめだまの さそり
ひろげた鷲の  つばさ
あをいめだまの 小いぬ、
ひかりのへびの とぐろ。

オリオンは高く うたひ
つゆとしもとを おとす、
アンドロメダの くもは
さかなのくちの かたち。

大ぐまのあしを きたに
五つのばした  ところ。
小熊のひたいの うへは
そらのめぐりの めあて。