2018年5月31日木曜日

デュッセルドルフより近況報告 ~その5~ 『Mein Schloss』ケルン公演の事・自閉症について

済みません、随分更新が滞ってしまいました…。
結構忙しくしているのと、英語の生活で頭脳も疲れ、なかなかブログの更新まで手が回りませんでした。

さて先々週の木曜日、Orangerie-Theater Volksgarten(ケルン)にて『Mein Schloss』公演が行われました。

Mein Schlossケルン公演
@Orangerie Theatre, Köln / 17. May. 2018

僕個人の印象ですが、これまでの公演の中で最も集中力に満ちた舞台だったと思います。
緊張と弛緩からもたらされるリズム感。
作品中、様々なダンスと音楽が登場しますが、『今、まさに生まれている』又は『今、生きている』感がとても強かった。
振り付けがあろうが譜面に書かれてあろうが、この感覚は絶対に必要だと思います。
それがビビッドに感じられる公演でした。

振付:Jean Sasportes

作曲・コントラバス:齋藤徹

ダンス:深堀絵梨、Kenji Takagi

ダンス:Chrystel Guillebeaud

ダンス:皆藤千香子、Kenji Takagi

ダンス:Kenji Takagi / チューバ&トランペット:Wolfgang Suchner

アコーディオン:Ute Völker / ダンス:皆藤千香子

ヴァイオリン:喜多直毅 / ダンス:深堀絵梨

この作品は自閉症の身体性と内面世界を我々の解釈によってダンスに、また音楽にしたものです。
その為に公演参加者は関連書籍を読んだり、研究者の方の話を聞いたり、また自閉症の方本人の話を聞いたりもしました。
初演のリハーサルはブッパタールの自閉症施設で数週間にわたって行われました。

参考書籍の中でも自閉症を持つ林田直樹さんの本には彼らの身体感覚や内面についてつぶさに書かれており、とても参考になりました。
我々にとってなんて事のない刺激(音や光)が大きな苦痛だったり、或いは心地よいものだったりする。
また意図した動作が出来なかったりする。
しかし我々にはない才能や能力が彼らにはあり、それらを探る研究も行われているそうです。

こちらに詳しい研究報告があります。
大変興味深く、さほど長くはない文章ですので是非ご一読を。

自閉症者の秘めたる能力 The power of autism
Laurent Mottron 2011年11月3日号 Vol. 479 (33–35)

これを読むと、分野によっては自閉症者の能力が非自閉症者よりも高い事が分かります。
聴覚課題(音の高さを区別するなど)や視覚構造の感知や、頭の中での複雑な三次元形状の操作、記憶力、集中力、等々。
そして自閉症に知的障害がつきものとされるのは検査方法の選択が不適切だからであり、他の検査方法(非言語性検査)を採用した場合、彼らが高い知能を持っていることを示すとあります。

コミュニケーションや社会的行動、運動能力に困難があったとしても、それは他の能力の方にプラスに働いている為と考えられる。
脳の構造を調べたら、ある部分が余り発達していないおかげで他の部分が良く働くようになっていた。
逆に言えば、弱い点が無ければ特に秀でた部分も無いと捉えられるのではないでしょうか。

我々の思い込みによって彼らの生き方が狭められ、素晴らしい能力が生かされていないとしたら、それはとても残念な事ですよね。
(僕自身、認識不足だったと認めなければなりません。)
社会という器の中に自閉症の人々が生き生きと出来る場所が必ずある。
まだその器が準備されているとは言い難い。
でもこれから更に研究が進んで認識が高まっていけば、その場はきっと実現されるでしょう。

自閉症と言う障がいは何かを我々に教える為に存在しているんじゃないかと思う事があります。
一見マイナスな事が、実はプラスに働いていたりする。
こう言うことって人生においてもありますよね?
一番良く分かる例が病気に罹った時。
病の中にあってこそ、同じ病に苦しむ人に優しく出来る。
そして与えられた今日一日を大切に生きようとする。

何かを失って何かを得る。
何かとびきりダメなところがあっても、実はそのおかげで良いものを与えられていたりする。
自閉症だって昔は『あれも出来ない・これも出来ない』の“障がい”だと思われていた。
しかし研究が進んで、検査方法を変えてみたら実は凄い能力があると分かった。
我々もこれに倣う事が出来ないかなと思います。
僕も自分を否定的に見てしまいがちな人間ですが(特に演奏活動において)、ちょっと視点を変えてみる事で案外心が救われたりします。


さてあと一週間程で終わるドイツ滞在ですが、かなり忙しくしています(5月31日現在)。
リハーサル→リハーサル→本番→リハーサル→リハーサル→リハーサル→本番→本番→本番、みたいな感じです。

そんな中、楽しみはやっぱり食事です。
ケルンで美味いドイツ料理の店に行きました。

Gaststätte Lommerzheim
Siegesstraße 18, 50679 Köln
+49 221 814392

初めて行った時はランチタイム終了直前だったのでオーダーを急かされ、余り感じが良くなかったのですが、一口食べてまた来よう!と思ってしまった。
このソーセージ、それほど美味かったです!

見てくれ、この極太ソーセージ!今まで生きて来て、こんなに美味いソーセージ食べた事ない!

そして一度は食べて見たかった生豚肉。
このようにパンの上に生の豚挽肉と玉ねぎのみじん切りをごっそり乗せています。
塩・胡椒して食べました。


そして二回目に行った時食べたのがこちら!
凄いボリュームなのですが完食!
やっぱりドイツはこう言う質実剛健な料理が美味い!

豚の塊肉のロースト

そしてドイツと言えばシュパーゲル!(白アスパラガス)
これも本当に美味しかった〜!


てなわけでドイツ伝統料理は最高に美味い!
ただし何を頼んでも量が多い…。
でもやっぱりドイツにいるんだから地元の料理を食べなきゃね!

2018年5月17日木曜日

デュッセルドルフより近況報告 ~その4~ 『Mein Schloss』リハーサルの事等

今日は朝から怒られました、同じレジデンスに住んでいる人に。
60歳くらいの男性です。
多分、美術方面の人だと思う。

朝キッチンで大きな音がするので行って見たら、その男性がゴミ箱をひっくり返していました。
で、「何だ、ゴミの分別がされていないじゃないか!」「ここの住人は何でもいっしょくたにして捨てているのか!?『けしからん!」と怒っています。
怒りながら、今まで住人が捨てたゴミを可燃物・不燃物・プラスチック…に分けていたのです。

僕に向かってガーーーーッと言ってくるのですが、僕はこのレジデンスではゴミの分別は不要で、まとめて一つのゴミ箱に捨てて良いものだとばかり思っていました。
僕だけでなく他の住人も分別をしておらず、一つのゴミ箱に可燃物も不燃物もプラスチックも金属も捨てていました。
どうやら板橋区並みに、否、それ以上にドイツはゴミの分別に厳しいらしい。

ドイツのゴミの分別

男性が余りにも怒っているので、一緒にゴミ捨て場までゴミ袋を運びました。
そして分別したゴミを入れる箱の種類を教えてもらいました。
そしたら男性はにっこり笑って許してくれました。
めでたしめでたし。

さて三年目となる『Mein Schloss』の公演が明日となりました。
公演詳細:
Mein Schloss
Autismus Wuppertal/Düsseldorf-Bergisches Land e.V. in Zusammenarbeit mit Jean Laurent Sasportes


この作品は主に自閉症の内面と、そこから現れる様々な身体の動きをモチーフに作られたダンス作品。
振り付けはJean Sasportesさん。
音楽監督は齋藤徹さん(contrabass)です。
メンバーは初回から変わらず、Chrystel Guillebeaud、Kenji Takagi、皆藤千香子、深堀絵梨(以上、ダンス)、Ute Völker(accordion)、Wolfgang Suchner(trumpet, tuba)、喜多直毅(violin)。

ChrystelとKenjiさんはピナ・バウシュ舞踏団のメンバーでしたが、現在はフリーで活動中。
皆藤千香子さんは在独の振付家です(今月末に彼女の作品がデュッセルドルフで上演されます)。
今回はダンサーとして参加。
深堀絵梨さんは劇団東京乾電池所属の女優さんであり、ダンサーでもあります。
東京を中心に活動しています。
Uteは即興演奏をメインに活動していますが、ヴッパタールの即興演奏スタジオ“ORT”の運営者の一人でもあります。
Wolfgangはトランペットやチューバの演奏の他、役者としての素質にも恵まれ、今回の作品でも大事な役割を担っています。

出演者の中の日本チーム・徹さんと深堀絵梨さんは僕より後にドイツ入りしました。
徹さんの奥さん、撮影の近藤真左典さんも一緒。
ドイツで再会し、ちょっと感動。
四人とも日本で良くお会いしてるんですけどね。

徹さんと再会!

それでですね〜、成田空港の免税店でセブンスターを一人1カートンずつ買って来てくださるようお願いしていたのです。
セブンスターを成田のデューティーフリーショップで買うと1カートン¥3,000。
ドイツで買うと1カートン¥8,000くらい。
¥5,000も違うのです!
で、ドイツに持ち込めるのは一人1カートンまで。
ですので、後からドイツに来る四人の方に1カートンずつお願いしました。
これで滞在中タバコには困らない!

リハーサルは三日間にわたって行われました。
1日目と2日目はヴッパタールのカフェ・アダにて。

Mein Schloss Rehearsal, Cafe Ada, Wuppertal

Mein Schloss Rehearsal, Cafe Ada, Wuppertal

Mein Schloss Rehearsal, Cafe Ada, Wuppertal

Mein Schloss Rehearsal, Cafe Ada, Wuppertal

そして3日目は本番会場のOrangerie-Theater Volksgarten(ケルン)にて行われました。

Mein Schloss Rehearsal, Orangerie-Theater Volksgarten, Köln

Mein Schloss Rehearsal, Orangerie-Theater Volksgarten, Köln

さて今回は三回目の公演ということもあり、作品は出演者それぞれの身体の中に既に入っているような気がします。
とは言え前の公演から一年も経っています。
リハーサルで作品の感覚を呼び戻します。
そしてそこからまた少しずつ変えて行く感じ。
新しい動きも加わりました。

音楽チームの方ですが、楽譜はあるのです。
(作曲は徹さんです。)
前回も同じ曲を演奏しました。
しかし楽譜をただなぞっているだけではない。
やはりそれを超えたものが出てこないとつまらない。
ということで、段取りを逸脱したような演奏にもなり、それがまた面白い!

今日はケルンの会場でゲネプロでした。
今までで一番響きの良い会場!
決して設備の整った綺麗な会場ではありませんが、響きが良ければ文句なし。

Orangerie-Theater Volksgarten, Köln
Orangerie-Theater Volksgarten, Köln
なかなか響きの良い会場です。今日はリハーサルのみでしたので入口は閉まっています。

明日は本番です。
お客さんがたくさん来てくれますように!
そしてこれが初演であるかのように僕も演奏したいと思います。
頑張るぜい!


余談。
昨日は早めにケルンに行き、地元の弦楽器店にスペアの弦を買いに行きました。

途中で見かけたサーカス。

ケルンといえば大聖堂。
大聖堂はドイツ語で“Dom”(ドム)。
黒い三連星を思い出しますよね。


ケルン中央駅から少しだけ歩いた所にある有名なビアホールに行ってみました。

Brauhaus Sion
Unter Taschenmacher 5-7, 50667 Köln
0221 2578540

“ジオン”って読むんですけどね、『ジーク・ジオン!』って言いそうになります。
日本人も結構訪れているようですが、僕の世代の男性なら皆んな言うと思います。

それはどうでも良い。
で、今日食べたのがこれ。
めっちゃ美味かった!


血のソーセージにアップル・ソースとマッシュ・ポテトが添えられています。
上にはスライスして炒めた玉ねぎ。
血とリンゴのハーモニー。
実に奥行きのある複雑な(良い意味で)味でした。
これは滞在中もう一回は食べたい。

そう言えばジオン軍の軍服ってナチスドイツを彷彿とさせますよね。
ナチスは嫌いですが、ジオン軍の人たちはこう言うものを食べていたのかもと想像しながら頂きました。


2018年5月12日土曜日

デュッセルドルフより近況報告 ~その3~/リーダーシップについて

喜多直毅, Naoki Kita
ヴァイオリンソロの練習1
2018年5月10日@Weltkunstzimmer, Düsseldorf

喜多直毅, Naoki Kita
ヴァイオリンソロの練習2
2018年5月10日@Weltkunstzimmer, Düsseldorf

皆さん、こんにちは。
東京はいきなり寒くなったようですね!
こちらは数日前まで夏日でハーフパンツ・Tシャツ・サングラスでしたがちょっと気温が下がりました。

相変わらず皆藤千香子さんのダンス作品のリハーサルです。
たまにカフェに行ったり外食もしていますが、リハの後はかなり疲れていて、早い時間でもすぐベッドに横になったりしています。
おかげで生活のリズムが規則正しくなりました。
やっぱり日中ある程度疲れるって事は必要なのかも知れません。

喜多直毅, Naoki Kita
ダンサーのミロシュと
2018年5月11日@Weltkunstzimmer, Düsseldorf

さてさて今日は突然ですがリーダーシップについて考えたいと思います。
別に東京で書いたって良い記事なのです。
しかしちょっとこちらで営業的(リーダーとして)なことをしており、メールを書いたり仕事について思い巡らす時に、メンバーの顔が浮かぶからです。

僕は複数のグループのリーダーをしていますし、一回で終わるセッションでもブッキング・宣伝・内容作り(楽譜の用意)…、その他様々な役割を担っています。
大きな公演はアシスタントに手伝ってもらいますし相談に乗ってもらうこともあります。
しかし基本的に決定を下すのは僕の役目です。

音楽内容に関して。
作曲・編曲・選曲は僕が行うことが多いにしても、その楽器を知悉しているのはメンバーですので彼らのアイディアや演奏に委ねるところも大変大きい。
僕は自分の作品を作るために、それぞれの音楽経験や勉強してきたことを“拝借”しているのです。
リーダーとしてできる事は、大元のアイディアを提供し、それをシェアできる方法を考え、演奏の方向性を大まかに決めるだけ。
ステージでは彼らに成り代わって、ヴァイオリン以外の楽器を同時に弾く事は絶対に出来ません。

それに彼らにも宣伝や集客に協力してもらわなければ、お客さんが入りません。
僕一人の動員力なんてたかが知れています。

近頃は人のグループにメンバーとして参加する事は少なくなり、自分のリーダーバンドが殆どになりました。
セッションでも僕がミュージシャンに声をかけて、一つのライヴを行うことが多いです。

ただ、たまに自分はリーダーとして適性があるのかどうか、分からなくなることがあります。
と言うか、人として相手にどう接してるのか、ちょっと不安になったりします。

現場ではメンバーも自分も楽しく仕事がしたい。
創作の現場で余り人間関係のストレスを感じたくない。
そのために普段から頼み方、例えば自分の曲のここをこう弾いて欲しい、といった注文の伝え方に気をつける必要がある(相手が年上でも年下でも)。
相手の練習努力や無視したり、アイディアを頭ごなしに否定しない。
メンバーの話を遮らず、最後まで良く聞く。
ただ、どうしても注意しなければならない時は、一対一、または冷静な第三者を交えて話す。
何でもかんでも許されるわけではなく、最低限のルールみたいなものも必要だとも思います。

また演奏が上手くいかなかった時、口では『しょうがないよ』とか『次は頑張ろうぜ』と言っておきながら、明らかに怒った態度を取るのは非常に良くありません。

こう挙げてみると、自分はず〜っとマイナスなことばかりやって来ました。
今営業活動をしていてそれらの行いが次々と思い出され、自分が嫌になります。
大反省。

前に誰かが言っていましたが、リーダーである自分が喰えていけるのはメンバーが一生懸命演奏してくれるから。
リーダーが『ギャラを払っているんだから何をさせても良い、何を言っても良い』と思い始めると、そのバンドはブラック楽団です。
※もちろんその逆もあり得ます(ブラック楽団員とかモンスターメンバー)。
リーダーとして、これは忘れてはならないと思います。
自分が自分の音楽を演奏していけるのは、メンバーのおかげ。
そして自分がメンバーだったら、演奏の場を作ってもらえるのはリーダーのおかげです。

ちょっと理想論かも知れません。
しかしこうだったら、どんな現場も凄く楽しくなると思う。

昔はおっかない先輩がたくさんいました。
下手な演奏をすると怒られるどころか殴られたりする。
『先輩には絶対服従!』の体育会的人間関係です。
今はそんな先輩は殆どいなくなりました。
一般社会でも一部の企業や学校を除いて、そうなのではないでしょうか?

では実際の現場ではどうか?
リーダー対メンバーの関係に限らずメンバー同士でも、どうも上手く行かないことがある。
普通の会社なら、パワハラ上司がいてキツくても、勤め続けなければならないのかも知れません。
本当にそれは大変だと思います。

しかし我々ミュージシャンはその殆どが個人事業主。
リスクがないわけではないけれど、どうしても耐えられないほど嫌なことがあれば、その仕事から身を引けば良い(もちろん最終手段です)。
不安定な仕事ながら、こうした身軽さがあるのがフリーランサーの良いところです。

僕も余り嫌なことがあったら身を引きます。
多分三回〜五回までは我慢する。
でもそれ以上は無理。
そんなストレスまみれの現場で良い音楽が出来るはずがない。
それともギャラのために心を殺してその演奏を続ける???
僕には到底無理です。

自分がリーダーでグループをやっている時、メンバーには出来るだけ良い環境で演奏して欲しい。
もちろん様々な現場があり物理的環境が余り良くない場合もある。
いつも良い状態でリハーサル・本番が出来るわけではない。
そしてギャラも十分に払えないこともあり、不甲斐なく思うことも多い…。
でも心理的・精神的には良い仕事環境を提供できたらと思います。
(これまでの反省も込めて)

2018年5月8日火曜日

デュッセルドルフより簡単に近況報告 ~その2~

ライン川を背に自撮り!
2018年5月6日、デュッセルドルフにて

毎日、皆藤千香子さんのダンス作品“We Need Fiction”のリハーサルをしています。

WE NEED FICTION: 皆藤千香子 Chikako Kaido(振り付け)、Milos Sofrenovic(ダンス)、喜多直毅 Naoki Kita(ヴァイオリン)
WE NEED FICTION: 皆藤千香子(振り付け)、Milos Sofrenovic(ダンス)、喜多直毅(ヴァイオリン)
2018年5月24日/25日/26日
@Weltkunstzimmer, Düsseldorf

WE NEED FICTION 
Ein Tanzstück von Chikako Kaido 

Uraufführung : 24(Do). Mai.2018  
Weitere Aufführung : 25. (Fri) 26.(Sa) Mai 2018 
Jeweils: 20:00 Uhr 

WELTKUNSTZIMMER
Ronsdorfer Str. 77a, 40233 Düsseldorf  
  
Mit: Milos Sofrenovic, Naoki Kita

Ivan Geddert, Kanade Hamawaki,
Felix Meyer-Christian, Judith Wilhelm, Jascha Viehstädt
Chikako Kaido

Foto: Hideto Maezawa, Ksenija Spanec, Chikako Kaido

Advertising art: MATCH and Company Co.,Ltd.

Kontakt und Kartenreservierung : chikakokaido@gmail.com 
www.chikakokaido.com 

In Zusammenarbeit mit dem Projektpartner WELTKUNSTZIMMER,
Gefördert durch Kunststiftung NRW, Bezirksregierung Düsseldorf ,Japan Foundation, Hans-Peter-Zimmer Stiftung

リハは毎日だいたい10:30に始まります。
寝泊まりしているのは会場のWeltkunszimmerに併設された宿泊施設なので、起きたらそのままリハーサルが出来ます。
通勤の必要が無いので本当に楽。

喜多直毅 Naoki Kita
Weltkustzimmerはもともとパン工場です。

喜多直毅 Naoki Kita
歩き回る練習。
リハーサルルームは公演の稽古以外の時間も自由に使えます。
バッハを練習したりしています。

ドイツで千香子さんの振付作品に参加するのは四回目になります。
これまでは僕が渡独する前からリハーサルが始まっており、僕が参加する頃には作品のコンセプトや構成が大体決まっていました。
僕は大方仕上がった作品を見て音楽をつけ(或いは即興演奏)、残りのまだ決まっていない部分、例えばヴァイオリンがメインとなる部分だけアイディアを練る感じでした。
今回はテーマとなるセンテンス・“We need fiction”だけが決まっていて、本当に何もないところから僕も参加しています。

今行っているのは、テーマから想起される出来事や経験をそれぞれが自由に話し、そこからテキストや身体表現や音楽を作っていくというもの。
まだ素材作りの段階です。

ミロシュ・ソフレノビッチ(ダンス)、喜多直毅(ヴァイオリン)

ミロシュ・ソフレノビッチ(ダンス)、喜多直毅(ヴァイオリン)

共演者のミロシュはもともとダンサーですが、文章の才能も素晴らしいのです!
人生について、社会について、実に深い表現で書き表すことが出来る。
日本語訳をここに載せて皆さんにも是非読んで頂きたい!
でもネタバレなのでまだ載せるわけにはいきません。
この公演が終わったら必ず掲載したいと思います。

ここから書くこともネタバレの可能性があるので、余り詳しくは書けないことをお許し下さい。

ミロシュは僕と歳が余り変わりませんが、かなり波乱万丈な人生を歩んで来た人です。
社会主義政権下の暮らし、戦争、大切な人との別れ。
これ以外にも言い尽くせぬ様々な困難を経験して来たに違いありません。
しかし、その中でさえ強く生きて来た人。
様々なことに興味を持ち、学んでいる人。
そしてどんな苦難にもへこたれずに前を向いて歩いている人です。

その彼の生き方が、特にテキストには良く現れている。

この公演が終わって彼と別れる時、照れずに有難うと言いたい。
彼の話にはとても勇気付けられるのです。
彼は、別に僕を励ます為に自分の経験を語っているのではありません。
僕が勝手に励まされているだけ。

僕の人生には独裁政権も恐怖政治も戦争もなかった。
でも心の中には存在したのではないか???

僕の人生にも繋がる大切なことを彼が語り、そしてテキストにしてくれている。
本当に嬉しいです。

ミロシュは文章の才能も素晴らしい!

さてさて、もちろんリハーサルにはランチ休憩もあります。
僕はドイツの“プンパーニッケル”と言うライ麦パンが大好きで、こればかり食べています。
バターを塗って上に生ハムを乗せるだけ。
超簡単だし飽きない。

それとルッコラのサラダ。
大好きなビーツやマッシュルーム、ラディッシュなども日本に比べたら随分安いので、こちらにいる間に食いだめしておかなければなりません。
いつかフェンネルのサラダも作ろう、日本ではめちゃめちゃ高いから!

リハーサルは17:00とか18:00に終わります。
ヨーロッパの夏は日が長く、日没が21:00~22:00。
19:00頃はまだ昼間のようで、しかも暑いです。

昨日はライン川を見に行きました。
千香子さんオススメの夕焼け空。
綺麗だったな〜。


今日は僕一人街へ買い物へ。
エクササイズマットを買い、その後、ドイツの屋台とも呼ぶべきインビスでカリーヴルストを食べました。

カリーヴルスト

ソーセージのぶつ切りにケチャップベースのソースをドバドバ。
そしてむせるほどカレー粉をかけてもらいます。
本当に好きで一週間に一度は食べたい。
カレー味とかケチャップ味にすると何でもウマいぜ!

てなわけで久々の近況報告でした!

ちなみに中断している“ぐだぐだラジオ”にまたメールを頂きました。
本当に有難うございます!
録音したいのですが、今泊まっている部屋の天井がやたら高くて、声がビンビン響き過ぎるのです!
なのでラジオ収録にはまるで不向きです。
もしかしたら再開は帰国後になるかも!?
あああ、唯一の趣味なのに残念。

2018年5月1日火曜日

デュッセルドルフより近況報告/ぐだぐだラジオに新コーナーを作ります。メール募集中!

2018年4月26日、成田空港にて。

皆さん、こんばんは。
先週木曜日からデュッセルドルフにおります。
渡独直前まで演奏の仕事が重なったり事務的な作業がなかなか進まなかったりして、出国前夜までほんとバタバタしていました。
しかしおかげさまで無事こちらに到着!

今回も在独の振付家・皆藤千香子さんの新作(ダンス:Milos Sofrenovic)や、三年目となるJean Sasportesさん振付/齋藤徹さん作曲によるダンス作品『Mein Schloss~私の城~』への参加(ケルン、ボン)、またドイツ三箇所でSebastian Gramss(contrabass)+Harald Kimmig(violin)+徹さんとによる日独弦楽四重奏団、そしてパリではFrédéric Blondy(ピアノ)とのデュオが予定されています。
殊に初共演の方々からは大いに刺激を受ける滞在となることでしょう!
6/18帰国予定ですが、それまで一生懸命頑張りたいと思います!

実はもう千香子さんのリハーサルが始まっております…。
ダンサーのミロシュはセルビア出身でお母さんはイギリス人です。
チトー政権下のユーゴもボスニア戦争も経験しており、戦争中では自宅の隣の家が爆弾で吹っ飛んだのだとか。
そして混乱の真っ只中にある故国から英国へと渡り、そこでダンスを学んだそうです。
僕と歳はそんなに変わりませんが、色々と話を聞いていると、彼の凄まじい人生経験にただただ圧倒されます。

やっぱり、と言うか至極当然でもあるのですが、ミロシュはボスニアのシンガーソングライター・Jadrankaのことも知っていました。
僕はまだJadrankaさんが日本で活動をしていた頃、一時期サポートメンバーだったことがあります。
その話をしたら、ミロシュともすぐに打ち解けました。
そして彼女がどれだけ旧ユーゴの人々に愛されていたか、話してくれました。
Jadranakaが良く歌っていたŠto te nemaという曲の譜面起こしをしていたら、涙が出そうになりました。

今回の作品のタイトルは『we need fiction』。
直訳すると『私たちは(架空の)物語を求める』。
確かに。
このタイトルから想起されるイメージをダンスや音楽にしていくのは結構大変ですが、ミロシュは旧ユーゴ時代の様々な体験からクリアなアイディアを提案してくれます。
例えば共産党政権が人々にでっち上げ、所謂”フィクション”ばかり語っていて、国民もそれを信じきっていたことなど。
これは大変作品作りの助けになるし、彼の場合、描写的表現を超えたところでダンスが出来るので素晴らしいと思います。

宗教にもフィクション・物語は多くあって、悪用されることが多々ある。
だから現代において、宗教は危険視されることが頻繁にありますよね。
特に、日本ではオウムサリン事件以降。
しかし宗教に特に関わりを持たずに生きている人も、その人生の中に様々な物語を抱えて生きている。
物語との向き合い方や距離の置き方によって、人生に良い影響を及ぼしたり、はたまた悪影響を与えたりするのかなと思います。

作品の中で使う音楽は、自分の作曲作品がメインになりそう。
これまでヴァイオリン独奏用のオリジナル曲は作っていなかったので、今回書いた曲を日本でのライヴでも使うことを念頭に作曲したいと思っています。

喜多直毅, Naoki Kita
2018年4月29日@Weltkunstzimmer, Dusseldorf

てなわけで、まだまだ先の長いドイツ滞在。
たまにブログで近況報告を行って参りたいと思います!

そうそう、突然思い立って始めた『ぐだぐだラジオ』。
こちらでも録音しようと思っていたのですが、思いの外毎日忙しく(東京で終えられなかった仕事も持ってきている)、ちょっと時間がありません…。
とりあえずこれまでの放送をプレイリストにまとめましたので、まだお聴きでない方は是非どうぞ〜!
ぐだぐだラジオ Playlist

それとラジオにコーナーを設けたいと思います。
(だんだん話のネタが無くなってきた。)
良かったらメールをお送り下さい!
Twitterで呼びかけたら、三通もメールが届きました!
あざーっす!
送って下さった方、後で必ず放送で読ませて頂きます!

【ぐだぐだラジオ・新コーナー】

1) 「本当にあった怖い話」
皆さんの恐怖心霊体験談をご紹介したいです。
と言うか、僕が怖がりたいです。
いつも深夜に収録しているのでマジで怖くなれますよね。
楽しみ!

2) 「電波系」
電波な人と遭遇した体験、ゴミ屋敷の住人に関する調査報告、電波チラシ目撃情報など。
電波文書は画像ファイルで送って下さい。
番組で読み上げます。

3) 「海外での恐怖体験」
他人のせいで・自分のせいで、渡航先でこーんな怖い目にあった!と言う体験談をお寄せ下さい。
海外滞在中の今だからこそ、皆さんの話を聞いて用心したいと思います。

4)「失恋・離婚・死別にまつわる体験談」
面白おかしく、或いはシリアスに、心に残る“別れ”について語って下さい。
真面目な話はしんみりと、面白い話は楽しく紹介させて頂きます。

5) 「母の思い出」
僕を泣かせるコーナーです。
お袋さんと過ごした子供時代の記憶、感謝の気持ち、天国のお母さんへ伝えたい言葉。
何でもお寄せ下さい。

6) その他、どんな内容のメールでも構いません。是非お送りください!
番組作りにどうぞご協力を!
宛先:nkita.tokyo@gmail.com
※必ずペンネームか匿名希望とお書き添え下さい!
お住いの地域、性別、年齢もお書き頂けると嬉しいです。
どんな場合でも本名はご紹介致しません。

ではでは皆様、宜しくお願いします!!!