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行く年来る年、今年の出来事&来年の抱負

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2020年も間もなく終わろうとしています。 窓の外には高く登った月。 実は今日の夕方からこの記事の下書きをしていて、今年一年あったことを全部書き出そうとしていました。 でもあまりにも膨大になってしまったのでやめてしまいました。 今年は実に特別な一年でした。 仕事がどんどんキャンセルになったり、生演奏の代わりにインターネット配信でライヴをお届けするようになったり。 国からの補助金、文化庁の支援金などもありましたよね。 僕の周りでも機材を買って動画を作ったり、配信をしたりする人が増えました。 僕もあれこれ買い集めて、作業環境も改善しました。 大変助かっています。 モチベーションも上がりました。 演奏家仲間とも機材について話したり、どのようにクオリティを高めていくかアイディアを出したり。 それとライヴハウスのオーナー達と話すと、結局『どう収益化する?』という話題になっていきます。 しかし僕は演奏家ですので、これから音楽がどのように変わっていくか、そこに一番興味と関心があります。 『どんなに時代が変わっても、変わらないものがある。』とは完全に使い古された言い回し。 若い頃は反発を抱いていました。 新しい価値観の想像を!とか、そんなことを思い描いていたから。 しかし今、世界中がこのような状況にある中、逆に変わらないものって何だろう?と考えています。 それを音楽で探していかなければなりません。 新しい価値観の想像よりも、変わらないものの発見の方が何倍も難しそう。 案外、変わらないもの探しの末、発見されたものこそが新しい価値観なのかも知れませんよね。 さて来年の抱負。 大体毎年のように『来年は〇〇をするぞ!』と意気込んで見せるのですが、パーフェクトに達成できたことはありません。 でも一応目標があると楽しいじゃないですか!? タンゴ年にする! 頑張って16曲はオリジナルアレンジをしたい!16曲あれば一本のライヴを全てオリジナルアレンジでお届けできます。ちなみに僕は編曲が遅く、一曲一週間かかります。 喜多直毅トリオ もう少しレパートリーを充実させたいなぁ。それと楽譜をSibeliusで作り直したい。 ソングライティング7曲 すでに何曲か持ち歌はありますが、あと7曲あればアルバム一枚作れます。 ヴァイオリン&ピアノ二重奏楽譜ダウンロード販売 タンゴとか映画音楽とかポピュラー音楽の編曲集

喜多直毅クアルテット『異土』終了、次の公演は2/26『池袋ネガフィルム』

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昨日の公演へお越しくださった皆様、寒い中本当に有難うございました! (公演直前に書いたこちらの記事『 現代の異土 』も併せてお読みください。) おかげさまで今年一年間、コロナ禍にありながら、4回の公演を感染対策をしつつ行うことが出来ました。 それ自体は喜ばしいことですし、ホッとしたというのが正直なところ。 しかしコロナ禍の政治経済の様子や自分を含む国民の暮らしを思えば、いつもの年の瀬のような賑やかな気分にもなれません。 段々と歳を重ねて変わっていく自分の身体のことも考えてしまう。 まず老眼。 前は眼からレーザービームでも出しているかの如く、暗いところでも小さい音符が読めました。 しかし最近は譜面の五線がダブって見えるようになって来てしまった。 もう老眼鏡が手放せません。 それとバネ指。 前にタンゴのライヴで、演奏中に左親指が伸びたまま曲がらなくなってしまい、とても慌てました。 すぐに元に戻ったのですが、もうこんなことになりませんように!と祈っていたのに、昨日は右手の小指が伸びたまま曲がらなくなってしまいました。 おかげでテンポもリズムもキープ出来なくなってしまいました(悔しい)。 これも加齢のせいなのだろうか。 それにしても男でずっと小指が立ったままって何だか嫌ですよね? ヴァイオリン演奏中だけではなく、グラスを持つ時、タバコを吸う時、カラオケのマイクを持つ時。 本当に小指のバネ指だけは治したいです。 余り年齢のことは言いたくないし、気持ちは若いつもりです。 でも身体を保つために運動とか軽いエクササイズをしなければなりませんよね。 たまにやってますよ、HIITトレーニング。 YouTubeに良い動画がたくさんあります。 さて年寄りくさい話になってしまいましたが、本日のセットリストです。 ・鉄条網のテーマ ・さすらい人 ・田園 ・疾走歌 ・峻嶺 ・ふるさと 田園は新しい曲です。 故郷の盛岡にはさんさ踊りというのがあり、この太鼓のリズムを元に作りました。 『サッコラー チョイワヤッセー』という掛け声があり、これも所々に取り入れてヴァイオリンで奏でられます。 盛岡さんさ踊り さんさ踊りはYouTubeにも沢山動画がありますので、お時間がある時にでもご覧ください。 ちなみに盛岡のさんさ踊りは賑やかで明るい感じですが、喜多カル版のはもっと違う感じです。 また演奏したいと思いま

現代の『異土』

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喜多直毅クアルテット2020年8月20日公演@公園通りクラシックス・リハーサル 本日の喜多直毅クアルテット、19:00開場19:30開演@成城アトリエ第Q藝術です。 https://www.seijoatelierq.com まだお席に余裕がございますのでご予約の上どうぞお越し下さい。 コロナ感染防止対策として要予約とさせて頂いておりますが、当日のご予約も可能です。 violin@nkita.net までお願いいたします。 今回は音楽で東北を描くという趣旨ですが、公演タイトルの“異土”、実は現在の日本とも取れると感じ始めました。 コロナ感染拡大ですっかり変わってしまった我々の暮らし。 広がる感染に伴って激しく揺れる政治と国民。 そして悪化する経済に大きな打撃を受け、これまでの暮らしを失わざるを得ない人々。 日本という国の地盤沈下は何も今に始まったことではないわけですが、コロナ感染拡大が大きなきっかけとなり、さまざまな変化を表面化させて更に推し進めているのだと思います。 これほど不安な年末が今まであったでしょうか? コロナによる貧困に苦しむ人たちを、ある人は救済すべきと叫び、一方ある人は自己責任という言葉で片付ける。 色んな意見があって良いのです。 自己責任という言葉にも色々な捉え方があって、一概に悪いものだとは思いません。 しかし真面目に、地道に生きていても、自分の責任だけではどうにもならない状況に陥ることがあると思います。 例えば今回のコロナ禍のように、そういう不運は“降って湧く”。 ほんと、人生は不可解で、準備や保険のきかない場面でつまづくことがある。 そういう時、自己責任とその人のせいにして済ませてしまって良いものか…。 それを許容して、転んだ人を見捨てていく社会、そして人々の心。 日本ってこういう国だったけ? 日本人ってこういう人たちだったっけ? もしかしたら僕だけが大きな勘違いをしていて、何か幻想のようなものを信じていたのかも知れません。 そんな僕にとってこの国は異土のようなものになってしまった。 日本語は通じるけれど、異国。 しかし他にどこにも行くところがないし、かと言って国には良くなって欲しいから政治批判もする。 すると『そんなに嫌なら出ていけ』と言われる国、それが日本。 今回のライヴ

喜多直毅&黒田京子DUO・2ndAlbum『愛の讃歌 -Hymne a l'amour-』Apple MusicとSpotifyなどで配信開始

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愛の讃歌 ~Hymne à l’amour~ 喜多直毅&黒田京子デュオ ORTM-0001 2014年にピアノの黒田京子さんと作ったアルバムがApple Music、Spotifyなど音楽配信サイトでお聴きいただけるようになりました。 幻の名盤と自分でいうのもおこがましいですが、本当にそう呼びたくなるアルバム。 シャンソンや日本の昭和の歌、映画音楽を中心に選曲し、自分達で編曲を行いました。 ぱっと見、BGM曲集みたいに思われそうな収録曲のラインナップですが、随所に即興演奏を取り入れてなかなかハードコアなサウンドになっています。 おかげさまで評判もよく、在庫切れが続いておりました。 amazonの在庫も無くなってしまいました。 再プレスを!との声も頂いておりましたが、やっと配信でお聴きいただけるようになりました。 Apple Music Spotify 【作品詳細】 愛の讃歌 ~Hymne à l’amour~ / 喜多直毅&黒田京子デュオ ORTM-0001 フリージャズ、アルゼンチンタンゴ、即興演奏を経た喜多直毅(ヴァイオリン)と黒田京子(ピアノ)による待望のポピュラー音楽集。誰もが知る映画音楽やシャンソン、昭和歌謡の数々を収録。楽曲の奥底に流れる心情を余す所なく伝える二人の演奏。ヴァイオリンは情趣に富んで歌い、ピアノは色彩豊かに情景を描く。そして漆黒の音塊と痛切なノイズは心に強烈に突き刺ささる。楽器本来の音色はもとより、更なる響きの可能性を追求し続ける二人ならではのアプローチだ。それぞれの楽器の愛好者にも是非推薦したい作品である。また大胆な編曲とインプロヴィゼイションによって、音楽はよりドラマティックに展開して行く。抽象的なサウンドの中から語りかける声や美しい旋律、軋む音が立ち現われる時、聴き手はその想像力を大いに刺激されるだろう。
決して一筋縄ではないポピュラー音楽集だが、様々な人生、いつか見た風景、遠い記憶が呼びさまされる様な、深い時間を持つ事の出来るアルバムだ。 出会いと別れ、涙と笑いに彩られた物語。その全ての主人公達に贈る一枚。 1. 枯葉 Les Feuilles Mortes ジョゼフ・コズマ Joseph Kosma 7:58 2. 黄昏のビギン Tasogare no Beguine 中村八大 Hachidai Nakamura 4:50 3.

タイアップではありませんが…、池袋関連。

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池袋が熱いみたいだよ! 散々2/26に池袋で喜多直毅クアルテットの演奏会があると宣伝していますが、何と2/28まで豊島区内の三箇所でこんな企画展が行われると知りました。 東京芸術劇場30周年記念展覧会 ~2020年度豊島区美術企画展~池袋への道―近世の歴史資料、池袋モンパルナス、森山大道 凄く面白そうじゃないっすか!? 皆さん、ぜひこの企画展を見に行き、その足で喜多直毅クアルテットの演奏会に行きましょう。 2021年2月26日(金)としま区民センター・多目的ホール(池袋) 喜多直毅クアルテット 『池袋ネガフィルム』 ~戦後昭和の残像~  オリジナルタンゴで描く都市(まち)のカオスと孤独 闇市立ち並ぶ終戦直後の池袋。焦土と化した町は復興のエネルギーで溢れていた。しかし光に対する影のように、猥雑な路地裏、時代に取り残された人々の眼差し、アウトロー達によって引き起こされる事件も存在していた。ネガフィルムのように現代の池袋の明暗や色を反転した時、そこから過去の池袋が見えてくるのではないか。それをオリジナル音楽で描くのが本公演の趣旨である。 喜多直毅クアルテットはこれまで、日本の東北地方の情景をアルゼンチン生まれの音楽・タンゴの語法を取り入れて描いてきた。日本の中心文化から離れた“異土”として東北地方を捉え、そこに吹く寒風や氷点下の空気をサウンドの中に込め表現し、孤絶した人間の内面に肉迫する演奏を続けている。 本公演は、特定の地域に着目しそこで繰り広げられる営みを描写するという喜多クアルテットの手法で、どのような池袋の姿(しかも終戦直後の)が出現するかという実験性に富んでいる。楽団にとっても地域にとっても意義ある公演となるに違いない。 出演:喜多直毅(作曲・ヴァイオリン)    北村聡(バンドネオン)    三枝伸太郎(ピアノ)    田辺和弘(コントラバス) 内容:タンゴを土台としたオリジナル楽曲 日時:2021年2月26日(金) 19:00開場/19:30開演 会場: としま区民センター8F・多目的ホール     〒170-0013東京都豊島区東池袋1-20-10    JR線・東京メトロ・西武池袋線・東武東上線「池袋駅」東口32番出口より徒歩7分 料金:予約/当日共に¥4,000 【チケット申込み方法】 https://bit.ly/3mEUFgS ◉オンライン予

喜多直毅クアルテット公演のお知らせ:12/28『異土』、そして2/26『池袋ネガフィルム』

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皆さん、こんにちは。 いよいよ本格的な冬の訪れを感じる今日このごろ。 いかがお過ごしでしょうか? さて今日の記事は喜多直毅クアルテットの二つの公演のお知らせです。 約9年間に亘って継続してきたこのグループですが、コロナ禍の現在、このように公演を行うことが出来るのは実に聴きに来て下さる皆様、そしてメンバーや協力スタッフのおかげと感謝しています。 10月上旬に黒田京子さん(pf)とのデュオで北海道ツアーを行いました。 その時会場にお越しになった方々が異口同音に『久しぶりに生の音楽を聴けて本当に生き返った!』とおっしゃり、とても喜んで下さったのです。 実はその反応は僕の想像以上で、こんなに音楽を求めている人たちがいたんだ!と驚きました。 東京ではその頃、客席数を減らしたり会場入り口に消毒薬や検温機を用意したりして、なんとか通常のライヴが再開された頃でした。 自分が演奏する側だったり、一ヶ月に何本もライヴをやっていると、北海道の方々のような“生演奏に触れる喜び”を忘れてしまっていたりするのです。 これは要反省。 実は東京にもそういう人たちは大勢いて、演奏会場に足を運んでくださるのでしょう。 この新鮮な気持ちを忘れずに活動を続けて行きたいと思っています。 さて喜多クアルテットの公演二つですが、どちらもテーマ性を持たせてあります。 もともと描写音楽的な喜多カルですが、この二つの公演では“地域性”から音楽を作り演奏してまいりたいと思います。 12/18は東北地方の岩手、そして2/26は東京の池袋です。 公演の内容紹介や詳細情報は以下の文章をご覧ください。 12月18日(金)アトリエ第Q藝術(成城) 喜多直毅クアルテット『異土』~沈黙と咆哮の音楽ドラマ~ 喜多直毅クアルテット『異土』沈黙と咆哮の音楽ドラマ 喜多直毅(作曲とヴァイオリン)北村聡(バンドネオン) 三枝伸太郎(ピアノ)田辺和弘(コントラバス) 2020年12月18日@アトリエ第Q藝術(成城) 喜多直毅クアルテットは楽器編成からすればティピカルなタンゴクアルテートであり、激しいエモーションや情念と言ったタンゴの持つ音楽的性格を確かに宿している。四重奏団の構成メンバーの出自がタンゴであるだけに、これは至極当然である。 しかし十年間に亘る音楽作りの中で最も大切にして来たのは、作品と演奏の中に作曲者である喜多の出身地・岩手の冬の