投稿

7月, 2021の投稿を表示しています

伊藤芳輝さん

イメージ
2017年11月16日船橋市市民文化創造館(きららホール) ご存知の方も多いかと存じますが、ギタリストの伊藤芳輝さんが天に召されました。 僕がそのことを知ったのは三日前。 以前から病気を患っていらしたのは存じておりましたが、ネットで多くの方が伊藤さんが亡くなったと書いていらしたのを見て本当に他界されたのだと知りました。 伊藤さんと初めてお会いしたのは僕がまだ二十代前半の頃だったかと思います。 四谷三丁目のバーでした。 友人のピアニストが伊藤さんと親しくて、彼女の夜店の仕事(酒場のピアノ弾き)が終わった後、伊藤さんの仕事場のバーに僕を誘ったのです。 伊藤さんは閉店後のバーでギターを取り出し、始発電車までフラメンコやボサノヴァを弾いてくれました。 ジャズやフラメンコや…その他様々な音楽をフュージョンさせて、新しい音楽を作り出す。 そんな人がいるんだなぁ、カッコいいなぁと思いました。 その後、何年もして僕がライヴハウスなどに出るようになり、オリジナル曲を作ったりジャズめいたアドリブ(?)をするようになって、思い切って伊藤さんに一緒に弾いてくださいとお願いしたところ快く引き受けて下さいました。 記憶に間違いがなければ、その場所は大塚のGrecoという小さな店だったと思います。 当時Grecoはまだ二階のバースペースのみで、ウイスキーを飲みながらアットホームな雰囲気の中、間近で演奏を楽しめる大人の空間でした。 このライヴ以降、伊藤さんは色々な仕事に僕を誘ってくださいました。 クッソ生意気でそのくせ演奏は半人前の僕を、です。 伊藤さんの引き合わせによる出会いもありました。 ミュージシャン、お客さん、会場等々。 そして一期一会の“演奏”との出会い。 伊藤さんは日毎夜毎のステージ上の音楽との出会いを作ってくれた先輩演奏家の一人でした。 僕には多くの学びの機会でした。 しかし結局僕はフラメンコのコンパスが分からず仕舞いで、伊藤さんのフラメンコソロやオリジナル曲に合いの手を入れたり同時に終わったりすることが出来ませんでした。 極度のリズム音痴。 いえ、ただの勉強不足で恥いるばかりです。 とにかく、伊藤さんのギターソロは本当に素晴らしかった。 ため息から始まって次第に言葉が増え饒舌になっていく。 やがてどんどんテンポが早くなり、一点に向けて加速していく。 それは猛禽が翼を広げて空に舞い上