2015年5月30日土曜日

喜多&黒田デュオ 6/27@明大前KID AILACK ART HALL/7/13@雑司が谷エル・チョクロ/8/15・終戦の日@明大前KID AILACK ART HALL

喜多直毅, Naoki Kita, 黒田京子, Kyoko Kuroda
喜多直毅&黒田京子デュオ
7月の東北ツアー、どうぞ宜しくお願いします!
俺の胸にはガンダムが…!!!

5/22(金)は黒田京子さん(pf)とのデュオライヴ。
会場は中野のSweetRainです。
ここは会社帰りに気軽に立ち寄れるジャズバーといった風情。
実際、スーツ姿の男性三名が一番前の席で聴いて下さいました。

この日のプログラムは黒田さんのオリジナル曲と黒田さんのセレクションした作品が中心。
『雪の下には緑』、『割れた皿』、『闇夜を抱く君に』。
以上、黒田京子オリジナル。

そして…、『Now, O Now, I need must part.』(ジョン・ダウランド)、『灰色の瞳』(長谷川きよし&加藤登紀子によるフォルクローレのカバー)、『Die Rote Rosa』(ブレヒト&ワイル)、『Utviklingssang』(カーラ・ブレイ)…以上、黒田さんのセレクション。

『Now, O Now, I need must part.』(ジョン・ダウランド)

『灰色の瞳』(長谷川きよし&加藤登紀子)

『Die Rote Rosa』(ブレヒト&ワイル)

『Utviklingssang』(カーラ・ブレイ)


黒田さんのオリジナル曲はライヴで楽しんで頂くとして、このセレクション、凄いっしょ!?
英国古楽、南米フォルクローレ(日本のフォーク)、ブレヒト・ソング、カーラ・ブレイ!
まるでいぶし銀のような選曲!
いつものオリジナルや欧州ポピュラー音楽、昭和歌謡に加え、我々デュオはこの様な音楽も演奏しているのです!
こんなヴァイオリン&ピアノ・デュオは他にはありませんって!

そもそも選曲ってその演奏者を良く表していると思いませんか?
何故その曲を選んだのか…?
これって大きなポイントですよね。

どんな音楽をこれまでに聴いて来て、どんな音楽に取り組んで来たか。
何を音楽に求めて生きているのか、その人にとって言葉・歌・愛・人生って何か???
だから一見ジャンルも時代背景も国籍も作曲者もバラバラに見える曲達ですが、しっかり選曲者の“人間”が表れます。

我々の演奏にかぎらず、皆さんがコンサートに行ったりCDを聴く時、演奏そのものだけではなくどうぞ“選曲”にも気を付けてみて下さいね。
『何故あなたはその曲を選んだの?』
そこから演奏家がもっと立体的に見えてきて、そして演奏を更に楽しめると思うのです。

さて、この翌日は埼玉県内のとあるクリニックで演奏させて頂きました。
こちらでは映画音楽を中心に演奏。
『即興演奏で音楽がどんどん広がっていくのが凄い!』『聴いていて様々な風景が見えてきました!』…等、お客様(年齢層ちょっと高め)からも好評を頂きました。
CDも沢山お買い求め下さいました(一人で二、三枚買って下さった方も!)。
本当に有難うございます!
デュオにとって充実の二日間となりました…。

さて我々は月に一度のペースで演奏を行っています。
以下、6~8月に都内で行われるライヴをお知らせ致します。

◉6月 明大前
日時:6月27日(土)20:00開場 20:30開演
会場:KID AILACK ART HALL 3F Gallery(明大前)   
   〒156-0043 東京都世田谷区松原2丁目43-11   
   03-3322-5564
料金:予約¥3,000 当日¥3,300
ご予約・お問い合わせ:   
   電話 03-3322-5564 メール arthall@kidailack.co.jp      
   Web予約フォーム http://goo.gl/xerCMG

◉7月 雑司が谷
日時:7月13日(月)13:30開場 14:30開演
会場:TANGO BAR エル・チョクロ      
   〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-2-8  
   03-6912-5539
料金:予約2,000円 当日2,500円(飲食代別)
予約・問合せ:エル・チョクロ
   03-6912-5539/info@el-choclo.com
※初めての平日・昼公演です!是非お誘い合わせの上、お越し下さい!
※この直後から東北ツアーが始まります!詳細はコチラを御覧下さい。

◉8月 明大前
「無言館」所蔵作品による戦没画学生〈戦場からの絵葉書〉展 ~鎮魂のコンサート~
※展示中のギャラリーで演奏致します。詳細はコチラを御覧下さい。
日時:8月15日(土・終戦の日)19:30開場 20:00開演
会場:KID AILACK ART HALL 3F Gallery(明大前)   
   〒156-0043 東京都世田谷区松原2丁目43-11   
   03-3322-5564
料金:予約¥3,000 当日¥3,300 
   限定30席!ご予約はお早めに!
ご予約・お問い合わせ:   
   電話 03-3322-5564 メール arthall@kidailack.co.jp      
   Web予約フォーム http://goo.gl/xerCMG

「無言館」所蔵作品による戦没画学生〈戦場からの絵葉書〉展 ~鎮魂のコンサート~ 喜多直毅&黒田京子デュオ

「無言館」所蔵作品による戦没画学生〈戦場からの絵葉書〉展 ~鎮魂のコンサート~ 喜多直毅&黒田京子デュオ


もうすぐ東京は梅雨入りします。
ジメジメムシムシして気分も滅入りますよね。
でもどうぞ我々の演奏を聴きにいらしてエネルギーをチャージして下さい!


追記:

喜多直毅, Naoki Kita
あ〜、やっと食事にありつける。
演奏中、腹を空かせといて良かった!

写真は終演後のパワーフード。
一度食べてみたかったニョッキゴルゴンゾーラ!
今まで演奏中にこのメニューを召し上がっている方が何人かいらして、腹ペコヴァイオリニストはそのチーズの香りに食欲を掻き立てられていたのでした。

この日やっと口に出来ました!
濃厚なゴルゴンゾーラソースとモチモチしたニョッキがたまらん!

黒田さんはナポリタン。
ちょっと味見をさせて頂きましたが、こちらもレストラン以上の味。
特に麺の茹で加減が最高!

ということで、食事はSweetRainでなさるべきです!
ちなみに次回のライヴは9/25(金)です。
演奏は勿論のこと、食事もお楽しみに!!!

2015年5月27日水曜日

喜多直毅ヴァイオリン教室:レッスン始めます!/平野壮弦さん書道教室ワーク ショップで講師を務めました!


喜多直毅
教えることは教わること

長年、ヴァイオリンの仕事をしていて感じるのは、多くの弦楽器奏者が楽譜を離れてメロディのフェイク(崩して弾く事)やアドリブをしてみたいと願っている事です。
また即興演奏に興味のある方も大勢いらっしゃいます。

でもいざ勉強しようとなると理論でつまずいたり、ボウイングのコツがつかめなかったり…。
まず教えてくれる先生がいない。
ジャズピアノ等、他の楽器の先生にレッスンを受けても、やはり弦楽器特有の歌い方までは教えてもらえない。

ある奏者の方は独学でアドリブを勉強していました。
しかしなかなかベーシックから発展出来ない、アドリブや即興演奏でストーリーを作れない、気持ちが入らないと悩んでいました。

結局、悩み続けた結果、諦めてしまう…。
又は満足できないまま、不安を抱えたまま人前で演奏している…。
そんな弦楽器奏者の方々に大勢出会ってきました。

しかし、諦めるのはまだ早いです!
疑問や不安をそのままにしないで下さい!

僕も悩みながら学んできました。
演奏歴がそのまま試行錯誤の歴史と言っても過言ではありません。
しかし多くのステージ経験からヴァイオリンでアドリブをする際の実際的なメソッド、フェイクの元となる歌、そして一番重要な“内なる音楽に耳を澄ますこと”を身につけてきました。
これらを是非皆さんと共有したいと思っています。
そして皆さんの演奏力の向上にお役に立ちたいと望んでいます。

前述の通り、僕はアドリブをする事は音を出す以前にインスピレーションを通して“内なる音楽”を良く聴くことだと考えています。
その“内なる音楽”にもっとアクセスできるようになる為には…、現実に存在する良い音楽を沢山聴くことだと思います。
豊かな霊感によって奏でられる様々な音楽。
その“内なる音楽”に繋がった素晴らしい演奏にCDや生演奏を通して常に触れておく。
これは重要なインプットとなり、皆さんの演奏に必ず良い影響を及ぼします。

僕がさせて頂くのはアウトプットのお手伝い。
皆さんの中にある音楽、それをどう楽器を用いて外の世界に表すか…。
その為に必要な演奏技術は?
理論は?
そして考え方の整理のお役に立てれば幸いです。

とは言え、難しく考える必要はありません。
最初は皆さんのやりたい事や仕事に役立つ事から始めたいと思います。

例えばプロの方。
アドリブが出来たらもっと仕事の幅が広がると思いませんか?
例えば歌手のサポートの現場で。
前奏や間奏のソロ、歌の対旋律がもっと活き活きとしますよ!

また学んだ理論を活かしてオリジナル楽曲を作ってみませんか?
ストックが溜まったらライヴをしたりアルバムを作ったり。
弾く喜びと同時に創る喜びを感じられるに違いありません。

クラシック奏者の方、もっとプログラムを充実させてみませんか?
ジャズやポピュラーの曲をアンコールに入れて演奏会を親しみやすいものにしてみましょう。

そしてこれは僕の経験ですが、アドリブやフェイク、即興演奏が出来るようになると楽譜化された音楽に新鮮な気持ちで向き合えます。
先述の通り、アドリブをする事、これは即ち“内なる音楽”を良く聴くことです。
アドリブと大作曲家による楽曲、表面は違っていてもどこかで地続きなのです。
あなたのクラシック音楽もきっと変わります!

アマチュアの方、オケで弾く以外に別なジャンルにも挑戦してセッションに出かけてみませんか?
パーカッションやギター、サックス、ヴォーカル等とライヴハウスやカフェで演奏出来たらきっと楽しいはず。
あなたの音楽生活が更に豊かになるでしょう。

弦楽器奏者の方、是非アドリブやフェイクに挑戦してみましょう!

喜多直毅ヴァイオリン教室・生徒募集!

講師プロフィール

■レッスン内容:
 コード進行上でアドリブを行う。
 ポピュラー音楽のリズム感を体得する。
 簡単な理論を学ぶ。
 即興演奏。
 ※アイリッシュ音楽やブルーグラス等、フィドルのレッスンは致しません。

■レッスンの流れ:
  1. 生徒、又は講師が課題曲を用意。
  2. その曲の歌詞や背景、又は全体的な雰囲気から、演奏のイメージを描く。
  3. 楽曲の構成、メロディラインとコード進行等を分析する。
  4. 実際に演奏してアイディアや工夫を盛り込んでいく。
  5. 自分のイメージに近付けたかどうか確認してみる。
■対象楽器:
 ヴァイオリン、ヴィオラ
 ※チェロ(希望があれば)

■対象者:
 全ての調で3オクターブの音階が弾ける方、又は同等のテクニックをお持ちの方。
 プロ・アマ問いません。
 
■レッスン日時:
 ご相談に応じます。

■レッスン場所:
 松本弦楽器・練習室
 151-0051
 東京都 渋谷区
 千駄ヶ谷5-28-10ドルミ第二御苑805
 ※最寄り駅はJR&都営地下鉄代々木駅です。

■レッスン料:
 ¥10,000/45分から50分

■お問い合わせ・お申込み
 nkita.tokyo@gmail.com(喜多直毅)


さて先日、書家の平野壮弦さんのクラスでワークショップの講師を務めさせて頂きました!
内容は弦楽器のボウイングや響きを体感し、音楽的に書いてみようと言うもの。

喜多直毅

平野壮弦さんのブログも御覧下さい!
『バイオリニスト・喜多直毅先生ワークショップ/書の波・音の波 PRATⅢ』:2015. 5月SOGEN書芸塾

まず皆さんにヴァイオリンの弓の持ち方で筆を持って頂き、僕の演奏に合わせて筆をボウイングしてもらう。
最初はゆっくりとシンプルな弓使いから。
サン・サーンスの“白鳥”に合わせて…。

喜多直毅


段々、ボウイングのヴァリエーションを増やしていく。
トレモロ、移弦、スタカート等、速度や強弱も様々に。

喜多直毅
弓の持ち方を筆で実演しているのだが、ほ、細すぎる…。

そしてそれぞれの弓の動き、即ち体の動きをイメージして即興的に書いて頂きました。

喜多直毅
皆さん、自由に書き始めた!

喜多直毅

喜多直毅

喜多直毅

喜多直毅


いや〜、楽しいっす!
一対一のコラボはもう少し一人ひとりの時間が欲しかった…。
でも皆さん、実にのびのびと音楽的に書いて下さいました。
ライヴとは一味違う充実のひと時を過ごす事が出来ましたよ!

何だかカッコイイ!もらってくれば良かった!

実は…、喜多直毅ヴァイオリン教室を始めるキッカケとなったのがこのワークショップです。
前からレッスンを始めようか迷っていたのですが、このワークショップでの生徒さん達との触れ合いが楽しくて決心しました。

ある人に言われました。
“教えることは教わること”。
実際そうなのです。
自分が普段何の気なしにやっている事でも、誰かに教えるためにはちゃんと系統立てだり言語化したりしなければならない。
時には改めて勉強し直さなければならない。
そして何よりも自分自身を見つめなおす必要がある…。

“教えることは教わること”。
本当です。
これからは演奏だけではなく生徒さんと関わることを通して様々なことを学んでいきたいと思います!

壮弦さん、教室の皆さん、どうも有難うございました!

喜多直毅
最後に皆んなで記念撮影!
よっしゃ〜、ヴァイオリン教室も頑張るぞ!!!

2015年5月22日金曜日

『挟み撃ちvol.4』終了!次回は6月30日(火)能楽師・大倉流小鼓方の久田舜一郎さん(小鼓・声)をお迎えしてお届けします!

喜多直毅, Naoki Kita, 齋藤徹, Tetsu Saitoh, ジャン・サスポータス, Jean Sasportes, Ute Volker, Wolfgang Suchner
打ち上げ!ここは料理も美味いブック・カフェ槐多です。(KID AILACK ART HALL B1F)

齋藤徹さん(cb)とシリーズ化しているライヴ『挟み撃ちvol.4』、終了しました。
今回のゲストはドイツから来日中のジャン・サスポータス(ダンス)、ウテ・フェルカー(アコーディオン)、ヴォルフガング・ズーフナー(チューバ、コルネット)の三人(敬称略)。

このシリーズの一回目のゲストがナカタニタツヤさん(per)、二回目がRoger Turnerさん(per)、そして前回が今井和雄さん(gt)。
皆さん、それぞれ個性の強い方々ですが、今回もまた!
とても濃い即興演奏になりました。

まず前半はトリオを3つ。
・徹さん+喜多+ウテさん
・徹さん+喜多+ヴォルフガングさん
・徹さん+喜多+ジャンさん

今日は音大時代の友人が聴きに来てくれていたのですが、彼女曰く『ダンスで泣きそうになった』との事。
僕もピナ・バウシュ舞踏団を見に行って泣きそうになったのを思い出しました。

後半は全員で即興。
ウテさんやヴォルフガングさんは楽器での即興もしますが、演劇的なところもある。
仕草とか振る舞いでちょっとユーモラスな事をしてくれます。
これが楽しい。
クスッと笑う感じです。

さて上に掲げた写真の向かって右側の男の子はジャンさんの息子さんのナエル君。
今年の秋から小学1年生です。
結構懐いてくれて可愛いんだ…。
グーで僕を殴ってくれたり、腕を雑巾みたいに絞ってくれたり、ガムテープを丸めたのをぶつけてくれたりします。
お礼にコンビニに連れて行きアイスを買ってあげました。
それと鬼ごっこに付き合って会場を走りまわる、逆さまに抱きかかえて喜ばせる等…、大サービスで期待に応えてあげました。

あ〜、もっと仲良くなりたいなぁ。
オモチャ買ってあげようかなぁ…。
人さまの子供でも、子供には何でも買ってあげたくなるから不思議ですね。
大人にはこうは行かない。
何も買ってあげたくない。


4回目も楽しく終了した『挟み撃ち』ですが、次回は能楽師・大倉流小鼓方の久田舜一郎さん(小鼓・声)をゲストにお招きしてお届けします!

齋藤徹, 久田舜一郎
齋藤徹(コントラバス)久田舜一郎(小鼓・声)
ORT in Wuppertal, Germany

久田さんとは以前、Sebastian Gramss氏(cb)の公演で初共演させて頂きました(会場:ドイツ文化会館ホール)。
魂の篭った声と空間を切り裂き時を止めるような小鼓の音には本当に圧倒されました…。

喜多直毅, Naoki Kita, 久田舜一郎, 齋藤徹, Sebastian Gramms, セバスチャン・グラムス, 沢井一恵
喜多直毅、久田舜一郎、齋藤徹、セバスチャン・グラムス(コントラバス)、沢井一恵(十七弦)
2014年10月21日 於:ドイツ文化会館ホール

久田舜一郎, 喜多直毅, Naoki Kita
久田さんの声に耳を澄ます…。

こうして僕があれやこれや書き連ねるよりも、徹さんがお書きになった文章を読んで頂いた方が久田さんの凄さをお分かり頂けるはず。
早速、転載させて頂きます。

挟み撃ち!などと恥ずかしくなるようなキャッチーなタイトルを付けて始まったシリーズは加速度を得て進んできました。嬉しいことです。

ザビエ・シャルル→タツヤ・ナカタニ→ロジャー・ターナー→今井和雄→ウテフェルカー、ヴォルフガングズーフナー、ジャンサスポータスと続いて、久田舜一郎(小鼓)が6月30日キッドアイラックアートホールで決定しました。(エアジンでの黒田京子さんも形式的には挟み撃ちでした)

久田舜一郎さんは、まさに真打ち登場という感じです。

ヨーロッパのインプロバイザーならば共有している情報・感覚が多いので、安心して「インプロ」を思い存分追求できます。「インプロ」特有の音色・音質・傾向というものは漠然とですが、有るのです。一方、伝統に対してはそうは問屋が卸さない。自分の立ち位置を根こそぎ吹き飛ばされることも覚悟しなければなりません。「何をやっておるのだ、チャカチャカチョコチョコうるさいなぁ。天井裏をねずみが駆けだしているようだ。楽器を普通に弾かないの?それにしても音数が多すぎないかい?」などと笑われているようにも感じます。

インプロビゼーションはジャズやフラメンコ、シャンソンのように「外来文化」だった?

日本にもアジアにもインプロの図太い伝統があります。自分の身体や心や思考の中にそれがしっかり根付いているのか、そもそも有るのかが試されるのです。私の周辺では、沢井一恵さんと久田舜一郎が、私との演奏を歓んでやってくれています。ありがたいことです。(両者ともミッシェル・ドネダを好んでいる所も何か共通点がありそうです。)

久田舜一郎さんと出会いは阪神淡路大震災のチャリティーコンサート(@神戸ジーベックホール)でした。フロントに能管と小鼓、バックに4~5人のベーシスト(バール・フィリップス、吉沢元治、私、もう一人二人の日本人以外のベーシスト)でした。能管と鼓と掛け声に対して、居並ぶベーシストが会話のように音を出していました。(吉沢氏は演奏が始まっても配線が終わらずにいたような記憶があります。)その反応は「違うよ!」と私は直感しました。「ここは会話では無く、待つところ」と思ったのです。結局私は最後までほとんど音を出すことが出来ずに終わりました。

人生で何回かしかありませんが、その時、何か凄いことが私の人生で起こっていると感じました。矢も盾もたまらず、久田舜一郎氏のところへ行って、翌日倒壊しているビルの中でソロがあることを聞き出しました。もちろん何があってもそこへ行きました。デュオをやらせてもらいました。「もの狂い」の世界を体験、私の爪は割れ、血が飛び散りました。

彼を、あるいは彼を成り立たせているものを、私の師匠とするしか有りません。能のことにほとんど無知だった私は「能は、哲学や美意識が深いものがあるのでしょう?」と聞くと「いやいや、私は単に『型』をやっているだけです」というなんともカッチョイイ答え。

まず、私が関わっていた東京の演劇にお招きしました。早稲田小劇場・天井桟敷出身の身体訓練・発声訓練を十分に修行して、幾多の経験を持つ猛者たちでしたが、久田舜一郎氏が声をだすと、全員が「吹っ飛んで」行きました。啞然としました。舞台上でのまさに王様でした。

次はヨーロッパツアーに同行願いました。ミッシェル・ドネダとの長いデュオツアーの途中に久田舜一郎氏とのトリオを組んだのです。各地で大絶賛されました。特にナンシーでのミュージックアクションフェスティバルでは、フェスのピークを作り出したと新聞に載りました。パリのイルカム(ピエール・ブーレーズ主宰の現代音楽集団)からのプレイヤー、ブルキナファソの自分の部落から一歩も出たことの無かった人達、さまざまなインプロバイザーとのセッションで久田舜一郎氏の声と鼓が場を制しました。月に向かって吠えた一声でその場のすべての集中と尊敬を勝ち得てしまいました。これにも啞然。あたかもシャーマニズムの儀式を見るようでした。

その後、何度もセッションをしたり、ヨーロッパ再訪もありました。ラッキーなことです。その中で一番印象深かったのは「道成寺」を観た時でした。シテ方との「乱調子」のインプロの凄まじかったこと!シテ方から一瞬たりとも気をそらせたくないためでしょう、二人の助手をつけて(一人は小鼓の皮を息で湿らす係、一人は椅子を押さえ久田氏が転けないようにする係)もの凄いインプロをしていました。

平日の昼間の国立能楽堂、聴衆はお年寄りと外国人観光客ばかりのところでこんなスゴイインプロが普通に行われていることにもビックリ仰天でした。

昨年、セバスチャン・グラムスとのツアー中、東京ドイツ文化センターで沢井一恵・久田舜一郎両氏をお招きしたセッションを行いました。その時、喜多直毅さんもゲストで呼んでいました。久田舜一郎氏は直毅さんのことを気に入ったとのこと。嬉しいじゃ有りませんか。次の機会を狙っていました。

そんなこんなでの挟み撃ち!セッションです。これで挟み撃ち!第一期は終わるのでしょう。果たして何を残して、何を繋げて終わることが出来るのか?

けたはずれの集中力をつかう久田舜一郎氏は心臓の手術を何回もしています。本番前には頭から冷水を浴び気を引き締めます。パリで痛風の発作を起こしたときは、マルセル・マルソーがつきっきりの看病をしてくれたと言います。普段はお茶目な方ですが、能に関しての知識・愛情はまさに第一級です。

能の修行は壮絶で、子供の頃から毎日殴られるように何年も修行を重ねるそうです。そして、修行が終わった時には、何処の舞台に出ても大丈夫ということ。我々がよく使う「プロ・アマ」とかいう範疇では捉えきれません。

よく「打ち合わせ」という言葉を使いますが、能から来ているそうです。能の本番には、リハーサルなどというものは無いわけで、どの流派から来たとしても、ちょっとだけ鼓を「打ち」、各人の音の様子を見る・聴くだけだそうです。それが本来の「打ち合わせ」。

日本はそんな伝統を持っているのです。私にしても直毅さんにしても、直接的には、外来文化からインプロビゼーションを学び、生き方として演奏し始めました。そんな2人が久田舜一郎さんを「挟み撃つ」ことなど出来ようがありません。歓んで玉砕しようではありませんか。しかし、ただでは死にませぬ。繋がるべき芽を見極めることだけは(イノチガケで)やるつもりです。

ということで、『挟み撃ちvol.5』は特別に気合いをいれて挑みたいと思います!!!
皆さん、絶対にお見逃しなく!
骨は拾ってやって下さい…。

◉2015年6月30日(火)19:30開場 20:00開演
『徹と直毅の挟み撃ち vol.5 with 久田舜一郎(小鼓・声)』

出演:齋藤徹(コントラバス)喜多直毅(ヴァイオリン)
   久田舜一郎(小鼓・声)
会場:KID AILACK ART HALL(明大前)
   〒156-0043 東京都世田谷区松原2丁目43-11
   03-3322-5564
料金:予約¥3,000 当日¥3,500
ご予約・お問い合わせ:
   電話 03-3322-5564
   メール arthall@kidailack.co.jp
   Web予約フォーム 

2015年5月21日木曜日

5/21(木)齋藤徹(cb)喜多直毅(vln)+ゲスト『挟み撃ちvol.4』、そして 5/22(金)喜多直毅&黒田京子デュオ!

齋藤徹, 黒田京子, 喜多直毅
齋藤徹(cb)黒田京子(pf)喜多直毅(vln)
今月9日(土)、横濱エアジンにて行われた齋藤徹さん(cb)、黒田京子さん(pf)とのトリオ、超絶楽しかったです!
曲目は徹さんのオリジナル作品、そしてジョビンのレパートリー。

徹さんのオリジナル曲は、さとうじゅんこさん(vo)との三人で演奏して来ました。
今回は主に僕がじゅんこさんの代わりにメロディを担当。
そこに黒田さんが音の風景を作ったり空模様を描いたり。
そして時には過激に切り込んで来る。
とてもダイナミックで陰影と色彩に富んだ演奏となりました。

僕は徹さんのプロジェクトには頻繁に参加させて頂いていますし、デュオの演奏もしています。
黒田さんとも長いことデュオの活動を続けています。
そして徹さんと黒田さんはかつて色々な場面で共演していらっしゃいます。

今回はこの様に面白いトライアングルが生じました。

僕は徹&直毅デュオの喜多直毅になったり(フリーインプロヴィゼーションや『うたをさがして』)、喜多&黒田デュオの喜多直毅になったり(NewCD『愛の讃歌』etc)。
うわっ、楽しい!!!

でも、この日生まれた音楽は単にそれぞれのデュオの混ぜ物ではなく、やっぱり“トリオ”の音楽。
このライヴだけの、この組み合わせだけの音楽です。
だから僕もこのトリオの一人としての喜多直毅でした。

そう言えばライヴが終わった時、『え〜もう終わっちゃうの!?』『もっと弾きたい!』と思ったなぁ。
絶対に再演希望!
お越しになれなかった方々の為にも是非!


さてトリオではありませんが、このお二人とのライヴの告知をさせて下さい。

まず明日!(日付が変わって本日5/21!)

◉5月21日(木)19:30開場 20:00開演
『徹と直毅の挟み撃ち vol.4』

出演:ジャン・サスポータス(ダンス)
   ウテ・フェルカー(アコーディオン)
   ヴォルフガング・ズーフナー(チューバ、コルネット)
   齋藤徹(コントラバス)
   喜多直毅(ヴァイオリン)

会場:KID AILACK ART HALL(明大前)
   〒156-0043 東京都世田谷区松原2丁目43-11
   03-3322-5564

料金:予約¥3,000 当日¥3,500
ご予約・お問い合わせ:
   電話 03-3322-5564
   メール arthall@kidailack.co.jp
   Web予約フォーム 

喜多直毅, Naoki Kita, 齋藤徹, Tetsu Saitoh, Jean Sasportes, Ute Volker, Wolfgang Suchner ,松本泰子, さとうじゅんこ
さとうじゅんこ(うた)喜多直毅(ヴァイオリン)ウテ・フェルカー(アコーディオン)
齋藤徹(コントラバス)ジャン・サスポータス(ダンス)
ヴォルフガング・ズーフナー(チューバ、コルネット)松本泰子(うた)
2015年5月19日『オペリータ うたをさがして』於:ドイツ文化会館ホール

ドイツから来日中の三人。
ジャンさん(ダンス)、ウテさん(アコーディオン)、ヴォルフガングさん(チューバとコルネット)と徹さん(コントラバス)、俺。
ジャンさんとは彼が来日する度にご一緒させて頂いていますが、ウテさんとヴォルフさんとのインプロヴィゼーションはこの日が初めて。

お二人共豊富なサウンドカラーをお持ちです。
加えて、音楽の構築や演奏と時間軸の関係など、彼らのインプロは僕にとってとても刺激になります。

そして、即興演奏が好きな方は勿論ですが、それぞれの楽器に興味のある方にも聴いて頂きたい。
特にウテさんのボタンアコーディオン。
ボタンアコーディオン奏者はまだ日本には少なく、しかも即興演奏を行う方は皆無だと思う(多分)。
ウテさんの演奏は参考になるんじゃないかな。
※即興演奏も素晴らしい熊坂路得子さん(acc)はもうボタンアコーディオンを弾いているのだろうか???

勿論、僕も頑張ります!
是非聴きにお越し下さい!


そして翌日5/22は黒田京子さんとのデュオ!

◉2015年5月22日(金)18:00開場 20:00開演
喜多直毅&黒田京子デュオ

出演:喜多直毅(violin)黒田京子(piano)
会場:Sweet Rain(中野)
   東京都中野区中野5-46-5 岡田ビルB1
   03-6454-0817
料金:2,500円+オーダー
ご予約・お問い合わせ:
   03-6454-0817
   jazzsweetrain@cap.ocn.ne.jp

黒田さんとのライヴは一ヶ月に約一回のペースで続けています。
毎回来て下さるお客様もいらして本当に嬉しい限り!あざーっす!
でもホント、一回一回のライヴを大事にして、皆さんに良い演奏を届けて参りたいと思っています。

7月には東北ツアーも行います!
東北ツアーと銘打っておきながら、初日は何と東京・雑司が谷…。
しかも平日昼間のコンサートです。

◉7月13日(月)開場13:30 開演14:30
会場:TANGO BAR エル・チョクロ(雑司が谷)      
   〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-2-8  
   03-6912-5539
料金:予約2,000円 当日2,500円(飲食代別)
予約・問合せ:エル・チョクロ
   03-6912-5539/info@el-choclo.com

新しいお客様に出会いたくてチャレンジするこの日程・時間帯。
どうぞ一人でも多くの方にお越し頂けますように…。

皆さん、宜しくお願いします!

2015年5月18日月曜日

明日(5/19)は『オペリータうたをさがして』@ドイツ文化会館ホール、5/21(木)は即興演奏@KID AILACK ART HALL

後列左から:ヴォルフガングさん、俺、ウテさん、泰子さん、徹さん
前列左から:ジャンさん、息子のナエル君、奥さんのアンニャさん、じゅんこさん

最近忙しくしており、なかなかブログの更新が出来ませんでした。

『うたをさがして』、明日です!
今日はウテさん、ヴォルフガングさんを交えてのリハーサル、第二回目。
場所は明日の会場のドイツ文化会館ホールです。

泰子さん、じゅんこさん、二人の歌声が気持ち良いホールです。
このお二人の歌にはウテさんもヴォルフガングさんも感動していました。
勿論、僕も。

別々に歌う箇所ではそれぞれの声・歌に魅了され、一緒に歌う場面ではハーモニーの美しさにウットリさせられます。
ホント、一人でも多くの方に聴いて頂きたいコンサート!

皆さん、明日は是非ドイツ文化会館ホールへお越し下さい!

5月19日(火)18:30開場 19:00開演
『オペリータ うたをさがして』

東北大震災で失われた大事なもの。
旅人と女は出会い“うた”を探す…、そんな小さなオペラです。

出演:ジャン・サスポータス(ダンス)
   ウテ・フェルカー(アコーディオン)
   ヴォルフガング・ズーフナー(チューバ、コルネット)
   齋藤徹(コントラバス)
   さとうじゅんこ(うた)
   松本泰子(うた)
   喜多直毅(ヴァイオリン)

会場:ドイツ文化会館ホール(青山一丁目)
   東京都港区赤坂7-5-56

料金:予約¥3,000 当日¥3,500
予約:03-3584-3201 or info@tokyo.goethe.org
助成:ドイツ連邦共和国外務省
協力:東京ドイツ文化センター

ちなみに会場のドイツ文化会館にはカフェがあり(会館に入り奥の右側)、ドイツやオーストリアの味をお楽しみ頂けます。
Neues
早めにお越しになり、ちょっと腹ごしらえするのも良いかもしれませんね!


さて5/21(木)は即興演奏です!

昨日、舞踏家の矢萩竜太郎さんとジャンさん、ウテさん、ヴォルフガングさん、徹さんの即興を見に行きました。
これが素晴らしいのなんのって!
僕はステージの最前列で見ていたのですが、皆さん、物凄い集中力でした。
そして相手との関わり方が素晴らしい。
どんな事が起こってもダンスや音楽の一部にしてしまう。
そして実に飄々とパフォーマンスを楽しんでいる…。
俺、大丈夫かなぁ…。

さてドイツの即興演奏シーンと一言で言っても、色々な人達がいます。
しかし今回来日している三人は、ドイツで最も権威ある音楽賞(ジャズ)を受賞したセバスチャン・グラムス(cb)の仲間達。
きっと中身の濃い優れた演奏をお楽しみ頂けると思います!!!

5月21日(木)19:30開場 20:00開演
『徹と直毅の挟み撃ち vol.4』

出演:ジャン・サスポータス(ダンス)
   ウテ・フェルカー(アコーディオン)
   ヴォルフガング・ズーフナー(チューバ、コルネット)
   齋藤徹(コントラバス)
   喜多直毅(ヴァイオリン)

会場:KID AILACK ART HALL(明大前)
   〒156-0043 東京都世田谷区松原2丁目43-11
   03-3322-5564

料金:予約¥3,000 当日¥3,500
ご予約・お問い合わせ:
   電話 03-3322-5564
   メール arthall@kidailack.co.jp
   Web予約フォーム http://goo.gl/xerCMG

皆さん、絶対に来てね!!!


・雑記
喜多直毅, Naoki Kita
うどん、うまい!生醤油をかけてスダチを絞って頂きます!!!

また本郷三丁目のうどん屋さんに行って来ました。
ホント、ここのうどんはコシが強くて美味い!
のどごしも良いです!

サイズは大中小とありますが、多分男性は中or大。
ですが、僕は小をおかわりしました。

で、トッピングの鶏天が美味い。
それとこの日の特別メニューだった牛肉の天ぷら!
珍しいでしょ!?
これが素晴らしかった!

また絶対に行きます!
※昼飯時は行列覚悟です。

こくわがた

2015年5月11日月曜日

シャコンヌの演奏、終わりました!次回は秋ごろを予定しています。

喜多直毅, Naoki Kita

今日・5/10は僕のソロコンサート。
予想を上回る人数の方々にお集まり頂いてとても嬉しかったです!
お越しの皆さん、本当に有難うございました!!!

今日の目玉はバッハの無伴奏パルティータより“シャコンヌ”。
何年か前に一度人前で演奏したことがあったのですが、その時の出来栄えが余りにも酷く『もう二度と弾きません!』と誓いました。

ところが…、昨年の12月、“うたをさがしてトリオ”(齋藤徹さん、さとうじゅんこさん、僕)でシャコンヌを弾くことになり再度チャレンジ。
その時も非常に不満足な内容で悔しさを覚え、今年2月の同トリオによるコンサートに再度挑みました。
この回ではシャコンヌの直前に弦が切れると言うアクシデントに見舞われ、新しく弦を張り替えて挑むも調弦がグチャグチャに…。
これは泣くに泣けない…。
よほど自分の日頃の行いが悪いのかと思いました。

そして迎えた今日の本番。

喜多直毅, Naoki Kita
開場前に猛練習!

多分、今までで一番良く弾けたと思います(これでも)。
しかし、何とも我の強い演奏になってしまった。

実は今朝、色々なヴァイオリニストのシャコンヌを聴いていたのですが、その中で過度な“表現”を混じえない演奏をするヒラリー・ハーンの録音が耳に止まりました。


たっぷりとした良い演奏でしょ?
丁寧。

ヒラリー・ハーンはヴァイオリニストとしての自分を捧げているだけで、音楽はバッハと音楽自身が作っている。
そもそも、バッハ自身、音楽の神様から降りて来たものを“無”でキャッチしているはず。
作曲家としての能力と肉体を神様に捧げているだけ。
ですから、演奏する側も“無”の状態で神様にお返ししなければなりません。
自分を手放すとはこう言う事なのだろうか。

この録音を聴き、今日の演奏の方向性をこちらに修正しようかと随分悩みました。
しかし今日まで練習してきたフレージングや速度の事もあるし、ハーンとは完全に逆な方向で演奏に挑んだわけです。

僕は何故こんなにシャコンヌにこだわって公開の場で弾くのかと自分でも思います。
それはこの曲が自分の“人生の師匠”だと思うからです。
人間じゃなくて楽曲作品を師匠だと思う、って珍しいでしょ?
でも本当にそうなのです。

音楽大学を卒業しているとはいえ、クラシック音楽のフィールドでは一度も仕事をした事のない僕。
だからその分野の方が聴いたら驚き呆れると思います、ハッキリ言って。
そんなのはまだ優しい方で、ケチョンケチョンに貶されるか、完全に無視されるか…。

でも、それでも弾きたい!と強く思う。
自分のその時々の気持や考え方、生き方をこんなに反映する曲はないと思います。

まず手放すこと、委ねることを求められる。
努力や頑張りだけでは到達できないものがあると思い知らされる(勿論、練習は大事なのですが)。
僕がガリガリ弾き始めると音楽が遠のいて行きます。
せっかくバッハや作品の力がそこに現れようとしているのに、僕がしゃしゃり出て阻害してしまうわけです。
自分を引っ込めた時、初めてそこに音楽が姿を現すのだと思います。

そして謙虚さを求められる。

第一に他のヴァイオリニストに対して。
素晴らしいシャコンヌを聴くにつけ、その人の日頃の才能や努力、音楽への愛情に敬意を払わずにいられません。
彼・彼女がどれほど真剣な気持ちでこの曲に向き合い、学んでいるか…、そんな事を思います。

第二に楽曲に対して。
普段から即興演奏だ、タンゴだと言っている自分ですが、バッハを前にこれほどビビる、そして弾けない。
しかし何だかんだ言って、僕はやっぱり西洋のクラシック音楽からスタートした人。
西洋で生まれた楽器を弾いているのです。
だから一流のクラシック演奏家の様にとは言いませんが、でもバッハに対しては敬意を持って学びたいと思っています。
バッハは西洋音楽の基本!

シャコンヌは実に深い精神性を持つ曲です。
でもそれが安易な、安っぽい情緒に流されていないところが素晴らしい。
だからこそ僕の生き方が問われる。
自分が安い生き方をしていないか、低く楽な方へ流されていないか…。
音色、テンポ、アーティキュレーション、フレージング、それらを決める時に、既に生き方の選択が行われているようにも思います。

僕は自分を上手い演奏家だと思ったことは一度もありませんが、でも時には『よっしゃ!』とガッツポーズをとりたくなることもあるのです。
しかし前述のとおり、シャコンヌは“奏者の我”を良しとしないところがある。
演奏家の傲慢さを受け付けない。
これ、実はシャコンヌのみならず、他の演奏(即興演奏含む)に対する気付きにもなりました。
ね?
“師匠”から学ぶことは本当に多いのです。

そして“独奏”と言う事に関して。

僕はアンサンブルで演奏することが殆どです。
クラシックのヴァイオリン音楽の大半はピアノや交響楽団を伴奏として伴っており、ヴァイオリン独奏曲の割合は低いのです。
しかしその数少ない独奏曲の中の一つ(シャコンヌ)がヴァイオリン音楽全体の最高峰とされている。

オルガンやハープシコード、ギター、ピアノ等の和音楽器によるシャコンヌを聴いたことがありますが、やはり原曲のヴァイオリン版とはちょっと違うのです。
単旋律楽器によるシャコンヌでこそ発揮されるものがあるようにいつも思います。

小さなヴァイオリン一本で人間の一生を描く。
しかもその作品は深い精神性を持っている。
普段のアンサンブルや伴奏者とは離れて、一人でそれを行わなければならない。
そして生き方そのものを問われ、答えていかなければならない。

何という素晴らしい仕事でしょうか!
僕はヴァイオリニストで良かったと心から思います!

このシャコンヌという高い山にはまだ登り始めたばかりです。
頂上はまだ見えません。
一生かかっても『極めた!』なんて事はありえないでしょう。
それでも弾き続けたい曲。

次の演奏は秋ごろを予定しています。
それまでにどんな成長を遂げているか、是非皆さんに聴いて頂きたいと思っています!
練習、頑張るぜい!

追記・その一:
もしかしたら、僕は他の演奏の仕事もしていて、それらが充実しているからシャコンヌにも取り組めるのではないかと思います。
黒田京子さん(pf)とのデュオ、齋藤徹さん(cb)のプロジェクトへの参加、等々。
そして何より自分のクアルテット。

喜多直毅クアルテットでは今まで学んだもの・吸収したものを最大限に活かしている。
この仕事は実に楽しく、生きがいを感じさせてくれます。
そして使命感さえ感じています。

それとシャコンヌとどうつながるのか上手く説明できませんが、もしクアルテットが無かったら僕にとってシャコンヌはただの苦行にしかならなかったと思います。

追記・その二:
今日は肩当てを外して弾いたのですが、フォームの乱れが激しかったです(涙)。
おかげで肩から楽器がズルズルと滑り落ちて、何度演奏が止まりそうになったことか…。
こちらも研究・改善に努めたいと思います。

2015年5月8日金曜日

明日(5/9)19:00開場/19:30開演・齋藤徹(cb)黒田京子(pf)喜多直毅 (vln)@横濱エアジン



横浜国際なんでも音楽祭2015〈春〉
齋藤徹(コントラバス)黒田京子(ピアノ)喜多直毅(ヴァイオリン)
日時:2015年5月9日(土)19:00開場 19:30開演
会場:横濱エアジン
   神奈川県横浜市中区住吉町5-60
   045-641-9191
料金:一般 ¥2,500+1Drink
   23歳以下 ¥1,500+1Drink
ご予約・お問い合わせ:045-641-9191 or  umemotomusica@gmail.com

齋藤徹, 喜多直毅
2014年夏、東中野ポレポレ坐にて新CD発売記念ライヴ。

喜多直毅, 黒田京子
2014年8月・六本木ヒルズ屋上にて、黒田京子さんと。

明日(2015/5/9・土曜日)は横濱エアジンにて齋藤徹さん(cb)黒田京子さん(pf)とのライヴです。
現在、最も頻繁に共演しているお二人。
徹さんとも黒田さんとも昨年はそれぞれデュオのCDを制作しました。

喜多直毅, 齋藤徹
齋藤徹(contrabass)喜多直毅(violin)『明~mei~』

喜多直毅, 黒田京子
喜多直毅&黒田京子デュオ 愛の讃歌~Hymne à l’amour~

そして今年に入っても益々共演の機会を与えられ、お二人と演奏する喜びを感じています。

黒田さんとお会いしたのはもう何年も前、
僕がタンゴの世界から飛び出してアドリブや即興演奏にチャレンジしている頃、大泉学園にあるジャズのライヴハウス・inFのマスターが紹介して下さいました。

黒田さんによると僕の最初の印象は極めて悪かったそうです。
クソ生意気で礼儀知らず、若輩者のくせにプライドだけは一人前…(汗)。
これでは嫌われるのも無理ありません。

しかし黒田さんの素晴らしいところは、こんなに印象の悪い僕とずっと一緒に演奏して下さったこと。
ライヴの共演を頼んで一度も断られたことがありません。
凄い忍耐力。
そして包容力。
僕なら第一印象の悪い若いミュージシャンとは二度と共演しません。
トイウコトハ、今の僕は当時の自分とは絶対に共演したくないです、ハッキリ言って。
到底無理。

黒田さんとは随分色々な音楽に取り組みました。
その中で僕は様々なことを学び、体験させて貰ったと感謝しています。
そして色々な方と繋がりも作って下さいました。

その大きな出会いの一つが齋藤徹さんです。
黒田さんは徹さんのプロジェクトやCD制作に多数参加しておられ、それらを聴いて『うわぁ、すげえ!!!』と僕は思っていたのでした。
しかもいつか一緒に演奏できたら…なんて願っていたのです。

それが黒田さんの紹介で実現したわけですが、最初の共演は徹さんリーダーのセッションでした。
ブラジル音楽を中心に演奏。
その後、黒田さんと僕がそれぞれリーダーを務めるライヴを行い、以降、三人の共演はありませんでした。
僕としてはこのトリオ、もう少し続けたかったのですが…。
でも当時はまだその時ではなかったのかも知れません。

あれから何年も経ちますが、当時と比べると僕の音楽はかなり変わっているはずです。
出会いから今に至るまで、黒田さん同様、徹さんからも多くの事を学び影響を受けました。

振り返れば、あの頃はフィジカルな満足をより多く求めていた気がします。
それと表面的ですぐ分かる事(e.g. カッコ良いフレーズ、凄いテクニック、興奮、刺激、エキセントリシテ)を演奏の目標にしていました。
今は“サウンド”とか“音色”、“質感”そのものにより関心があります。
それと世界観、エネルギーとその出どころ、歌、意識的・無意識的問わず何を描いているのか、人生と音楽の関わり、等々。
そして個人を超えてそこにある音楽。

それにしても音楽だけではなく、人間的にも多少の成長があったと信じたいです…。
が、やっぱりなかなか進歩しませんね。
人間、なかなか執着や煩悩は捨てられないものです。

43歳になるともう一人前の立派な大人でなければなりません。
周囲もそれを要求します。
そして当時の黒田さんの様に許してくれる人達が徐々にいなくなって来ています。
仏の顔も三十代まで、です。

踏み外そうとして踏み外している人と違って、僕の場合、踏み外したくないのに踏み外しているので始末に終えない。
踏み外していることを自嘲気味に、しかし何処か誇らしげに語る人達がいます。
でも僕の場合、そんな余裕は無くて実に深刻です。
時々その事を思うと背中が冷たく感じたり、呼吸が浅くなったりします。
ヤバい。

しかし近ごろは心境に微妙な変化が…。
誰かを許す事がどれほど自分を楽にするか、ちょっとだけ分かってきた様な気がします。
『我らに罪をおかす者を、我らがゆるすごとく、我らの罪をもゆるしたまえ。』
三十代に沢山人さまに迷惑をかけ、そのうち何割かは許されて受け入れられた。
今度は僕がそうする番かも知れません。

ただ怒る時は怒ります!
怒ったほうが、憎んだほうが相手の為になることもあるのですから!!!(怒)
絶対に許しません。
覚えてろ。


全然関係ない話。



この赤いラーメン、ウマそうでしょ!!!
ウチの割と近くにモンゴル料理の店があったので行ってみました。
激辛蒙古タンメンなのですが、お願いして中辛にしてもらいました。
でもそこそこの辛さで僕にはピッタリ!
本格的に夏になったら最高レベルの辛さに挑戦するぞ!

量は多めなのですが完食!
今日も生きてて、美味しいラーメンが食べられた…。
感謝です。

他には羊肉のクミン炒め、同じく羊肉のナス炒め(辛い)、モンゴル風餃子がありました。
みんな美味かった!

2015年5月2日土曜日

小室等さんとのライヴ/5月9日・cb:齋藤徹, pf:黒田京子, vln:喜多直毅@横濱エアジン/5月22日・デュオ@中野SweetRain

喜多直毅, 小室等, 黒田京子
喜多直毅(vln)小室等(voとgt)黒田京子(pf)

先日の小室等さんとのライヴ、立ち見のお客様がいらっしゃるほどの超満員でした!!!
小室さんは勿論のこと、大勢の小室ファンの皆様と演奏の時間を共有出来てとても嬉しかったです!

演奏したのは谷川俊太郎さん・武満徹さんコンビによる歌が中心。
他に谷川さんの詩に小室さんが曲を付けたもの、僕のオリジナル曲等々。

小室さんが歌うと実に詩の内容が生き生きとして素晴らしいなと思いました。
そして言葉の一つ一つがとても大事なものに思えてきて、じっくりと耳を澄ます…。
それは小室さんが作詞作曲者へのリスペクトを常に持って歌っていらっしゃるからだと思います。

小室さんにはお歌いになる時、当然その歌に対してご自分の気持ちとか思い入れってあるのだと思います。
しかし聴く人にそれを押し付けない。
強い歌詞でも、どこかに静けさを感じるのです。
ご自分は一歩退いて、聴く者に歌を委ねている気がします。
だからこそリスナーは自ずと自分のこととして色々なことを思ったり、考えたり出来る。
ステージから客席へ力任せに投げるのではなく、歌を共有している感じがするのです。
そこが素晴らしいなと心から思いました。

さてこの日は小室さんが僕の書下ろしを一曲歌って下さったのですが、そのリハーサルが僕にとっては非常に良い経験となりました。

作曲している時に感じていた気持ち、そこから生まれた編曲の方向性、テンポや強弱を含む全体の雰囲気。
それが実際に小室さんと黒田さんに音にしてもらうと全く違ったんです。
少し違った、じゃなく完全に別物!
確かに小室さんの声やギター、黒田さんのピアノを想定して作ったつもりだったんですが。
(嘘、黒田さんは絶対に譜面通りに弾かないだろうと実は思っていて、そんなふうに作りました。)
しかも驚いたことに自分のヴァイオリンさえイメージ通りに弾けず、本当にビックリと言うかガッカリ…。

ところが小室さんがご自分のテンポや感じた雰囲気で歌い始めると実に素晴らしい!
それは僕のイメージを遥かに超え、まるで別世界!
まさに“小室等の世界”になっていて見事でした!
すげえ!!!

この歌は、ある一人の青年が旅先で見た風景や出会った人について恋人に書き送った手紙…と言う設定になっているのですが、小室さんが歌って下さったのは僕が思った以上に遠くへ旅した人の歌でした。
そして黒田さんのピアノによって、旅人の上の空は更に広がって青みを増しました。
星の数も増えたかも。
有難うございました!

本番ではこの歌の他、二曲も僕のオリジナル曲を歌って下さり、感謝感激!
嬉しかったなぁ!

それにしても小室さんもその作品を愛してやまない武満徹さんってやっぱり偉大ですよね。
あれ程優れた器楽曲を残しながら、歌作りもし、しかもその作品が今でも多くの人々に聴かれ、歌われているのですから。
僕も武満さん程ではありませんが、これからも歌を作っていきたいと思っています。


さて次回の喜多・黒田の演奏は…、

齋藤徹(コントラバス)黒田京子(ピアノ)喜多直毅(ヴァイオリン)
日時:2015年5月9日(土)19:00開場 19:30開演
   神奈川県横浜市中区住吉町5-60
   045-641-9191
料金:一般 ¥2,500+1Drink
   23歳以下 ¥1,500+1Drink
ご予約・お問い合わせ:045-641-9191(横濱エアジン)

“AUSENCIAS”、“Stone Out”他、数多くの徹さんのアルバムに参加して来た黒田さん。
久しぶりのお二人の共演です!
そして徹さんと僕をつないだのは黒田さんなのです!
これは大注目ライヴ、間違いなし!

ちなみにこのライヴ、横濱エアジン名物『横濱国際なんでも音楽祭』の一つとして行われます。
セッションリーダーは齋藤徹さん。
徹さんのオリジナル作品、アントニオ・カルロス・ジョビン等を演奏致します。


そしてデュオ!
日時:2015年5月22日(金)18:00開場 20:00開演
会場:Sweet Rain(中野)
   東京都中野区中野5-46-5 岡田ビルB1
   03-6454-0817
料金:2,500円+オーダー
   1,500円+オーダー(学割)
ご予約・お問い合わせ:
   03-6454-0817/jazzsweetrain@cap.ocn.ne.jp

中野の気軽なジャズバーです。
お勤め帰りにお立ち寄り下さい!


以上、今月は二つのライヴが予定されています。
皆さんのお越しをお待ちしております!!!


※どうでも良い話。
小室さんとのライヴが行われたinFは大泉学園にあります。
久しぶりに行ったら大泉学園の駅前が大分変わっていてビックリしました!!!
大きなショッピングビルもあったし。
こんなプレートもあって嬉しくなりました!
懐かしいぞ、キン肉マン、北斗の拳!
当時集めたキン消し、今はどこへ…。