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9月, 2019の投稿を表示しています

今週金曜日(9/27)は初顔合わせによる即興トリオ!!!

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左から:元井美智子(箏)喜多直毅(ヴァイオリン)西嶋徹(コントラバス) 即興演奏というものはやればやるほど奥の深いもの。 自分の身体や呼吸、その時の精神状態が如実に現れ、面白いと同時に恐ろしくもあります。 さて何のために即興演奏をするのか? なぜ即興演奏でなければならないのか? 即興演奏でなければならないなんてことはありません。 僕も色々な音楽をやっていますが、弾いていて・聴いていて『これは素晴らしい』と思えるものには別次元の時間が流れている。 この緊迫感。 まるで音楽の誕生から死にまで立ち会うかのよう。 そしてその一生が人ごとではなく、自分のことのように感じられる。 その音楽は「綺麗、うっとり」とか「絆って大事」とか「死ぬほど愛してる」とかではなくて(それも良いのですが)、もう少し違うところにある。 そういう世俗的な感じではなく、“自然”みたいなものかなと思います。 美しい花を咲かせて見せてくれたり、美味しい水を岩の隙間から出してくれたり、美味しい野菜や果物を育ててくれる。 絶景と呼ぶべき晴らしい景色も自然が作ってくれたもの。 海の中の色とりどりの魚、姿の美しい鳥達を見ると自然がいかに素晴らしいデザイナーか分かるし、虫の擬態や共生関係について調べるとそのプログラムの見事さに言葉を失うほどです。 また海岸を黄昏色に染めて彼氏or彼女とのアバンチュールを演出してくれるのも自然。 土砂降りの雨を降らせて恋人に振られるシーンをより惨めに演出してくれるのも自然です。 それと同時に猛威をふるって多くの人を死なせてしまったりする。 津波とか台風とか地震とか。 「わぁ可愛い子グマ!」「プーさんみたい!」「ハチミツ食べるかな」も数ヶ月経つと、口の周りに鮮血を滴らせて登山客の臓物を貪っていたりするのです。 でもそれも自然の与えた本能だから仕方ありません。 人間の都合とか善悪とかを超えたところにあって、四季折々の美しさを見せたり、弱肉強食の営みを司ったりしているもの。 美しくて残酷、それが自然です。 しかし自然の側からすると、自分が美しいとも残酷とも思っていないのです。 というか『思う』こともないのです。 良い音楽を聴くと『美しい』とか『面白い』とかと同様に背筋がゾクゾクして『怖い』と思う。 それは人間がまだ

第二の人生・それはシンガーソングライター…。11/28は黒田京子さんとインエフで。

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先日、音や金時で2回目のシンガーソングライターライヴを行いました。 ギターは加藤崇之さん。 前回のいろいろな反省点を踏まえて臨んだライヴでしたが、まず音域をちゃんと設定したことでだいぶ歌いやすくなりました。 客席にはプロの歌手の方々もいらして、ちょっと緊張もしましたがとても楽しく歌うことが出来ました。 音や金時のママさんに勧められて歌い始めましたが、今はやりたかったことはこれだったかもと思えるくらいです。 第二の人生が始まったようにも感じています。 もちろんヴァイオリンも弾き続けていきますが、歌作りと歌うことにはまた別次元の強い動機を自覚しました。 自分の言葉と音楽が声でもって解放される。 それが嬉しくてたまりません。 人に何と言われようと確たる何かが腹の底にあって揺るがない。 なぜならそれは紛れも無い『自分自身』だからです。 強くても弱くても、綺麗でも醜くても『自分自身』。 カッコ良くても悪くても、それはどうしたって自分自身なのです。 歌には歌詞(言葉)があるからこそ、楽器の演奏よりもダイレクトに感じるものなのかも知れません。 そもそもなぜ歌を作り続けて来たのか? 別に発表する気持ちや機会がなくても、暇を見つけて歌を作り続けていました。 幸いにも機会に恵まれて、他の歌手の方達に命を吹き込んでもらえた曲もあります。 しかし僕の場合、〇〇について訴えたいから歌を作る、〇〇に望みを託して歌を作る、ということは全く無いのです。 人様に気に入ってもらえて歌って頂けたら嬉しいけれど、日の目を見ずとも構わないのです。 ただ浮かんだファンタジーや思いみたいなものに姿形を与えたくて作っているだけ。 そしてセロファンとセロファンを重ねるように、言葉とメロディから新しい色を作る。 それが歌作りの喜びです。 そう、まさに! 楽しいからやっているだけ。 そしてこの楽しさには強い必要性が含まれているのです。 別に誰にも歌われないなら(自分も歌わないなら)、歌なんか作る必要はないのです。 しかしやっぱり作らずにはいられない。 作らずにいると何かが死んでいく。 そんな思いさえ抱きながら、これまでひっそりと作り続けて来ました。 やらずにはいられないからやっている。 このようなソングライティングですが、二回

9/18来週水曜日はCoração Amoroso@雑司が谷エルチョクロ

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Coração Amoroso:さがゆき(vo)喜多直毅(vln)田中信正(pf) 2019年7月26日@雑司が谷エルチョクロ さがゆきさん(vo)、田中信正さん(pf)とのユニット“Coração Amoroso”。 前回の演奏が思いの外面白く、2回目のライヴとなりました。 この三人ではブラジル音楽やラテン音楽のドロッとしたところをやっています。 日光が強い土地の日陰は闇が濃い。 そんな感じがする…。 昔、有名なイタリア映画『ひまわり』を見ていたら、最初のシーンに主人公のソフィア・ローレンがキッチンでパンを食べているシーンがありました。 その薄暗い台所が何故か今でもとても印象に残っています。 とても趣に満ちたシーンでした。 美と云うものは常に生活の実際から発達するもので、暗い部屋に住むことを余儀なくされたわれわれの先祖は、いつしか陰翳のうちに美を発見し、やがては美の目的に添うように陰翳を利用するに至った。 (谷崎潤一郎『陰翳礼讃』) これは日本文化の中で暗がりや闇が美しいものとして尊ばれて来たことについての文章ですが、ヨーロッパにも別の形で息づいている美学だと思います。 かつて暗がりの美を大切にして来た日本人が、現代にあっては煌々と蛍光灯をつけて平気で暮らしていけるのが不思議。 昭和→平成→令和と、部屋や町からどんどん美しい暗がりが消え失せ、別な場所に闇が生じているのでしょうか。 さて前回は結構楽譜を見るのに必死(!)だったのですが、今回はもう少し余裕を持って演奏できたらと思います。 今の活動の中で、自分がセッションリーダーではないライヴの一つ。 貴重。 楽しみたいと思います。 出演:Coração Amoroso    さがゆき(vo)    喜多直毅(vln)    田中信正(pf) 内容:ブラジル音楽&ラテン音楽 日時:2019年9月18日(水)18:30開場 19:30開演 会場: 雑司が谷TANGO BAR エル・チョクロ     〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-2-8    03-6912-5539 料金:ご予約¥3,500 当日¥3,800 学生(〜29歳)¥2,000 予約・問合せ:エル・チョクロ    03-6912-5539/ info@el-choclo

今週金曜日(9/6)はシンガーソングライターライヴwith加藤崇之さん@西荻窪・音や金時

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喜多直毅歌手デビューライヴwith加藤崇之(gt) 2019年5月8日@音や金時 西荻窪のカレーが美味いライヴハウス・音や金時。 ここではずーっとウタウタというグループのメンバーとしてライヴをさせて頂いております。 ヴォーカルの松本泰子さん、ギターの長谷川友二さん、パーカッションの和田啓さん、そして僕。 四人が全員ソングライティングを行い、泰子さんが歌っています。 前から音金のママさんに『自分で作った歌を自分で歌ってみたらどうか?』と仕切りに勧められていたのですが、人並みはずれた歌唱力を理由に断り続けていました。 本当に人並外れているのです。 群を抜いています。 これはお金を頂いて人様にお聴かせ出来るレベルではない!と自己判断し、泰子さんが歌う歌を作るだけで十分楽しいから自分では歌わずとも良いと思っていました。 それに前から僕は自分の声が好きではありませんでした。 モサモサしている、古ぼけたリンゴのように。 歌うならイブ・モンタンのようでなければ!!! しかしある日音金でのライヴの後、やっぱりママさんに勧められて、つい勢いで『やってみよう!』と言ってしまった。 しかもその場で日程も決定。 そしたらその後すぐに『加藤崇之さんにギターを頼んだからね』とメールが…。 あああ、加藤さんにギターを弾いてもらえるのは嬉しいけど良いのかなぁ…。 とは言え、一度引き受けたら断っていけません。 だいぶ緩くなりましたが、この業界にはそういう掟があるのです。 それに『やっぱりやめます』とは言いたくない。 なので早速加藤さんにリハーサルをお願いしました。 加藤さんのギターは素晴らしい。 美音、歌心。 しかし僕の歌は…。 音程は外れているし、発声は安定しないし、ビブラートもおかしい。 そんなこんなで迎えた第1回目のライヴ。 大勢のお客さんが来てくださり、それはそれで嬉しかったのですが、めちゃめちゃ緊張しました。 楽器を弾かずに人前に出て何かをすることがこんなに恥ずかしいとは。 それでも何とか歌い通した2ステージ。 久しぶりにとてつもない満足感を覚えたのは、難産の後の脳内快楽物質のせいでしょうか。 ここ数年の演奏活動の中でも最も楽しかったライヴの一つとなりました。 速攻で次回(9/6に行うライヴ)のブッキングも