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今週金曜日は下北沢にて喜多直毅&黒田京子デュオのレコ発コンサートです!!!

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喜多直毅&黒田京子デュオ いよいよ!!! このデュオ三枚目のアルバムリリース記念コンサートが行われます!!! 演奏内容はCDからの曲目。 ライヴでは演奏していなかったけどCDに収めた曲、また超久しぶりの曲など、色々演奏します。 アルバムでは戦争と平和を思わせる曲をちょっとコンセプチュアルな形で幾つか続けて収録しています。 主に第二次世界大戦前後のヨーロッパの曲ですが、ヴァイオリンとピアノによる演奏では歌詞がありません。 しかし楽曲の持つ存在感みたいなものによって何かが伝わって欲しいと思っています。 重さ、明暗、音色など。 別に直截『戦争』を想起させない演奏でも構わないと思っています。 でも心の中にある弾痕、蹂躙された思い、抑圧された自由への叫び。 比喩としての『戦争』は誰の人生にも生活にもあると思うので、そこに触れる音楽ではありたい。 その自分の中の小さな戦争から、大きな戦争を見つめる視座が得られればと個人的に思っています。 さて、このアルバムでは宮沢賢治の童話『よだかの星』をイメージした曲を演奏しています。 本当は夏の夜空を思い描いて三年ほど前に作った曲ですが、それを膨らませて、『よだかの星』の物語の筋に比較的忠実に沿う形で音楽にしました。 しかもよだかが風を切って飛ぶ様子や星がさざめいている様子も音にしています。 描写音楽としてお楽しみ頂ければ幸いです。 ちなみに宮沢賢治の童話の中で、否、あらゆる文学作品の中で、号泣して読み終わったのはこの物語だけです。 それは当時(小学生)、僕が友達とうまく付き合えなかったからよだかに共感したのでしょう。 アルバムが全体として訴えていること、それは一言では言えません。 戦争と平和だけではない。 それを声高に訴えている政治的な作品ではありません。 兎に角なかなかうまい言葉が見つからずにいます。 皆んなが寝静まった真夜中、私たちが住む街の下を走る地下鉄がある。 闇の中を轟音を立てて走る、誰も知らない地下鉄。 車輪の振動は微かに伝わってくるけれど、じっと耳を澄まさなければ聞こえてこない。 乗客が乗っているのかいないのかも定かではない。 でも、兎に角そんな地下鉄があるんだよ、と言っているアルバムに

11/16おとがたり『太宰治/人間失格』公演@成城・第Q藝術

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おとがたり:長浜奈津子(朗読)喜多直毅(ヴァイオリン) 11/16は俳優座女優の長浜奈津子さんと太宰治『人間失格』の朗読会を行います。 会場は成城学園の第Q藝術。 今年4月に奈津子さんと石川啄木の『一握の砂』と『ローマ字日記』を題材にした朗読会を行いました。 かなり尖った作品となり個人的に大満足。 奈津子さんも本番では何かが取り憑いたかの如きパフォーマンスで、予想を遥かに超える凄いものが誕生したと思っています。 この世界観でもっと作品作りがしたいと思いました。 しかし今回の『人間失格』、稽古を重ねるほどに啄木の世界観と地続きとは行かないと思い知らされています。 啄木の言葉にも、太宰の言葉にもあるノイズを感じる。 擦過音的なサウンド。 しかしその温度や湿度や重量や速度は全く違い、啄木のが刺し貫く痛みとすれば太宰のは鈍痛です。 音楽でもそう言う“痛み”を出せたらと思っています。 さてさて長いのですが、小説から好きな箇所を引用します。 主人公・葉蔵が中学校のクラスメイトの竹一を自宅に呼んで画集を見せた時の話です。 葉蔵は絵が好きで自分でも描いていました。 竹一は“ちょっと頭の弱い子”とされており、葉蔵は半分彼を馬鹿にしていました。 ところが葉蔵は、周りの気を引くためにわざと道化を演じているのを竹一に見抜かれてしまいます。 それからと言うもの、わざと竹一に親切にしたり家に呼んだりしておもねるのです。 いつか竹一が、自分の二階へ遊びに来た時、ご持参の、一枚の原色版の口絵を得意そうに自分に見せて、そう説明しました。 それは、ゴッホの例の自画像に過ぎないのを知っていました。タッチの面白さ、色彩の鮮やかさに興趣を覚えてはいたのですが、しかし、お化けの絵、だとは、いちども考えた事が無かったのでした。 「では、こんなのは、どうかしら。やっぱり、お化けかしら」 自分は本棚から、モジリアニの画集を出し、焼けた赤銅のような肌の、れいの裸婦の像を竹一に見せました。 竹一は眼を丸くして感嘆しました。 「地獄の馬みたい」 「やっぱり、お化けかね」 「おれも、こんなお化けの絵がかきたいよ」  あまりに人間を恐怖している人たちは、かえって、もっともっと、おそろしい妖怪を確実にこの眼で見たいと願望するに到る心理、神経質な、ものにおびえ

喜多直毅・田中信正・西嶋徹トリオの次回ライヴは12月22日(日)です。

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喜多直毅(ヴァイオリン)田中信正(ピアノ)西嶋徹(コントラバス) 2019年10月30日@公園通りクラシックス 田中信正さん(ピアノ)、西嶋徹さん(コントラバス)とのライヴ、楽しかったです!!! もともと喜多+田中さん、喜多+西嶋さんという二つのデュオがあって、それぞれアルバムも作っていました。 この二つを統合してトリオとして演奏してみたいと思い、この活動を始めました。 三人の相性もなかなか良く、これまでの二回のライヴを通して手応えを感じました。 それと同時に「もっと行ける!!!」とも思っています。 今は印象として暗い曲が多く、それはそれで僕の好きな世界なのですが、瞬発力に優れた田中さんと西嶋さんとのアンサンブルですので何かそう言う曲もやっていけたらと思っています。 今回はブラジルの曲を二曲演奏しましたが本当に楽しかった。 三人の間で音楽が生まれ、発展を遂げて、そして惜しまれながら終わる…という過程にどっぷりと浸かることが出来ました。 ゆくゆくはオリジナルのみで構成したプログラムでライヴを行いたい。 喜多クアルテットとはまた別の世界が誕生するかも知れません。 もしかしたら似通った音楽かも知れませんが、この素晴らしい演奏家二人との共演はそれ自体が喜びであり、何ものにも勝るものです。 他でやっている音楽と地続きであろうがなかろうが、演奏そのものを楽しむことが出来ればそれが会場に溢れるのではないでしょうか? このトリオの演奏、次回は12/22(日)に予定されています。 会場は雑司ヶ谷エルチョクロ。 なんとクリスマスライヴです!!! これまで二年間連続して田中さんとエルチョクロでのクリスマスライヴをして来ましたが、今年は西嶋さんにも参加して頂き更に華やかにお届けしたいと思います。 第一部はいつものレパートリーから演奏します。 第二部はクリスマスにちなんだ曲をお届けします。 お客さんに歌って頂くコーナーもあり。 絶対に思い出に残るライヴになるに違いありません。 年末の忙しい時期かと思いますが、ぜひお誘い合わせの上お越しください! 出演:喜多直毅(ヴァイオリン)    田中信正(ピアノ)    西嶋徹(コントラバス) 第一部:暗く深い音楽選 第二部:クリスマスにちなんだ曲 日時:2019年12月22日(