2019年6月29日土曜日

齋藤徹さんのこと(前回の記事の続きです)

齋藤徹&喜多直毅 コントラバス・ヴァイオリン即興演奏リサイタル 『月日』 ~“月”と“日”のカウンターポイント~ Counterpoint of The Moon and The Sun
齋藤徹&喜多直毅
コントラバス・ヴァイオリン即興演奏リサイタル
『月日』 ~“月”と“日”のカウンターポイント~
Counterpoint of The Moon and The Sun

昨日のソノリウムでのリサイタルは徹さんと二人で行う予定でした。
録音もしてCDにしようと思っていました。
しかし徹さんは先月ガンで旅立ってしまいました。

この公演をキャンセルしてしまうことは簡単です。
ホールにキャンセル料を支払って『公演は中止になりました』と告知すればそれで済む。
まだご予約もそれほど頂いておりませんでしたので、お客様に直接中止の旨をご連絡差し上げれば良かった。

でもそれは違うと思いました。
中止したって徹さんは決して喜ばない。
寧ろ『何やってんの!』と天国で怒るのではないかと思いました。

徹さんと知り合って一緒に仕事をさせて頂いて10年。
色々なことを学ばせて頂きました。
多くの方々にご紹介いただきました。
良い演奏が出来なくて徹さんの顔を潰してしまったことも多々あり、それは今でも申し訳なく思っています。
しかし有難いことに何かと演奏の機会を与え続けてくれました。
本当に感謝しています。

齋藤徹/喜多直毅
2015年12月14日
滋賀県彦根市の中華料理店にて名物『あんかけチャンポン』を頂く。
本番前の腹ごしらえ。

徹さんは多くの若いミュージシャンを育てました。
演奏家だけではなく、ダンサー達にも大きな影響を与えました。
徹さんが若手に教えたかったこと、それは『自分の音楽を確かなものにして行きなさい』ということだと思います。
自分の道を自分で切り拓くことと言っても良い。
心に羅針盤はあるか?一人で海を往く勇気はあるか?ということ。

いつだったか僕は仕事が完全に無くなって食い詰めて、徹さんの家に行ったことがあるのです。
即興演奏やオリジナル作品のライヴばかりやっていたのですが、下手で人気がないからか、日頃の言動が良くなかったのか、誰からも仕事を頼まれなくなりお金が無くなってしまいました。
一日に500円くらいしか使えなくなりました。
でもたまに仕事がある時はちゃんとした服装でステージに立ちました(ヴァイオリニストが高級感とエレガンスを失ったら終わりですから!!!笑)。
当座の生活費のために、お世話になっている職人さんに作ってもらったヴァイオリンをご本人に買い取ってもらいました。
それでも食うに困り、チラシをポスティングするバイトも始めました。
『もう音楽家としてやっていく自信がない』『いくら頑張っても仕方がない』…、そんなことを徹さんに話したのです。

そうしたら『今音楽をやめたらダメだ』と言われました。
多分徹さんにもかつてお金で苦労した頃があったのかも知れません(単なる憶測)。
『今音楽をやめたらこれまで応援してくれた人たちをがっかりさせますよ』『私なら何としてもやり続けます』と言われました。
本当にそうだ、やめてはいけない。
自分はこれまで出来うる限りのことを全てやって来ただろうか?
落ち込んでばかりいて練習だって作曲だってしていなかったじゃないか。
お前は音楽家だろ!?何やってるんだ!

そして『全ては音楽が導いてくれるから大丈夫』と言ってくれました。
そうだと信じます。
しかし音楽に導いてもらうためには、自分に才能があろうとなかろうとまず音楽に捧げる生き方から始めたい。

あれから数年。
徹さんは亡くなりました。

昨日のリサイタルは徹さんへの追悼とせず、自分のオリジナル作品のみを弾く内容としました。
アンコールでは徹さんの曲を一曲弾かせて頂きましたが、基本的に僕が全てデザインした内容です。
内容はまだまだだったとは思いますが、でも本当にやって良かったと思っています。
徹さんが『一人でやりなさい』と言ってくれたような気さえするのです。

僕のパソコンの中には『齋藤徹』というフォルダがあり、この中にこれまでの徹さんとの仕事の資料が全て入っています。
楽譜のPDF、参考音源、動画、企画書。
徹さんの還暦祝いのパーティのあれこれ、還暦リサイタルの様々な書類。
これからもファイルが増えていくだろうと思っていました。
しかしもう増えることはないでしょう。

それは寂しいことですが、いつまでも残しておきたいと思っています。
バックアップもとってあるので安心です。

昨日は喜多直毅ヴァイオリンソロリサイタル。7/24は喜多直毅クアルテット@ソノリウムです!!!

2019年6月27日 喜多直毅ヴァイオリンソロリサイタル @永福町sonorium
2019年6月27日
喜多直毅ヴァイオリンソロリサイタル
@永福町sonorium

昨日(というか一昨日)は永福町のソノリウムにてヴァイオリンソロリサイタルを行いました。
多くの方にお越しいただきまして本当に有難うございました!

2019年6月27日 喜多直毅ヴァイオリンソロリサイタル @永福町sonorium

2019年6月27日 喜多直毅ヴァイオリンソロリサイタル @永福町sonorium

2019年6月27日 喜多直毅ヴァイオリンソロリサイタル @永福町sonorium

2019年6月27日 喜多直毅ヴァイオリンソロリサイタル @永福町sonorium


準備が本当に大変なリサイタルでした。
普段四人で演奏している曲を一人で弾こうというわけですから編曲にも時間がかかりました。
ヴァイオリンの限界を思い知ると共に、限界があるからこそ出来ることを考える機会となりました。
またヴァイオリンが本来持つ良さとは何か、強みとは何かについても編曲をしながら考えました。

一番頭を悩ませたのがやはり和声・コードの問題です。
僕は普段からメロディ単体で成り立つ曲作りをしておらず、和声の力学に大いに頼った転調を繰り返したり、かなり分厚い和音の堆積を用いて作曲をしています。
アラブ音楽のような線的かつ音階に基づいた音楽ではありません。
ヴァイオリンのみで自分の曲を演奏しようと決めた時、和音を鳴らしながら演奏したり或いはメロディととも和声進行を提示しつつ弾き進めることがこんなに難しいと愕然としました。
(予め想定はしていたけれど、それ以上でした。)

振り返ると、一番問題となったのは、実は僕がお客さんの耳を信じていなかったことではないかと思っています。
単旋律を奏でた時、お客さんの耳がそこに和声を聴き取るのかどうか、そこに信頼することが出来なかった。
そして僕自身がメロディの強さを信じられなかったのではないか?
或いは和声がそこまで僕の曲の重要なファクターなのか?
単旋律でもそこには音色や間合いといったものが存在し、それだけで十分に説得力があるのではないか?
そこを吟味してかかるべきだったのかも知れません。
こんなに苦労をして何とかヴァイオリンで和声進行を作り出せるように編曲したにも関わらず、一番お客さんに届いたのはシンプルな歌っぽいメロディだったようです。

とは言え、今回のリサイタルを通して自分に出来ること・出来ないことが良く分かりました。
ちょっと反省文っぽくなってしまいましたが、とても楽しかったのも事実です。
自分一人で全てを演奏する大変さはあるものの、自分一人でデザインした演奏会。
ワクワクしないはずがない。

そしてリサイタルを終えて『まだまだこんなもんじゃない』とも思いました。
もっとナイフで刺しえぐるようなヴァイオリンでなくては。
もっと幽玄で、もっと慰めに満ちたヴァイオリンでもありたい。

2019年6月27日 喜多直毅ヴァイオリンソロリサイタル @永福町sonorium
2019年6月27日
喜多直毅ヴァイオリンソロリサイタル
@永福町sonorium

僕にとって、ソロリサイタルは曲を用意して練習して人前で演奏してそれで終わり、というものではありません。
もっと長いスパンで考えて作り込んでいくものだと思っています。
テーマをさらに明確にし、自分が何を言いたいのかを更にクリアにし、一時間の舞台作品に出来たらと思います。
今回は普通のコンサートのように数曲を並べて演奏しましたが、一時間という長尺の一曲を聴いて頂くのが理想のあり方です。

ホント、まだまだ序の口。
今回お越しくださった方々には是非末長くお付き合いいただければ幸いです。
また今回お越しになれなかった方にも次回は是非聴きにいらして頂きたいと思います。

2019年6月27日 喜多直毅ヴァイオリンソロリサイタル @永福町sonorium
2019年6月27日
喜多直毅ヴァイオリンソロリサイタル
@永福町sonorium


さて次は7/24の喜多直毅クアルテットのコンサートです。
こちらも昨日と同じ会場、永福町のソノリウムで行います。
今回のコンサートタイトルは『青春の立像』としました。
最近のクアルテットの曲は重くシリアスな作風でしたが、もう少しギラリと輝くような曲を作れたらと思います。
どこへ向かうのか分からない熱情、失敗と挫折に満ちた時代、有刺鉄線の向こう側の未来。

2019年7月24日 喜多直毅クアルテット『青春の立像』~沈黙と咆哮の音楽ドラマ~ 喜多直毅(作曲・ヴァイオリン)北村聡(バンドネオン)三枝伸太郎(ピアノ)田辺和弘(コントラバス) @永福町sonorium
2019年7月24日
喜多直毅クアルテット『青春の立像』~沈黙と咆哮の音楽ドラマ~
喜多直毅(作曲・ヴァイオリン)北村聡(バンドネオン)三枝伸太郎(ピアノ)田辺和弘(コントラバス)
@永福町sonorium

喜多直毅クアルテット『青春の立像』 ~沈黙と咆哮の音楽ドラマ~

出演:喜多直毅クアルテット
   喜多直毅(作曲とヴァイオリン)
   北村聡(バンドネオン)
   三枝伸太郎(ピアノ)
   田辺和弘(コントラバス)
内容:喜多直毅オリジナル作品

技巧・楽曲構造・感情の発露の全面にわたり、大きな振れ幅をもつのが魅力のユニットであるが、同等な存在感をみせつけるのは、音楽の増幅の狭間から覗く現実感たっぷりのざらついたテクスチュアである。楽器と肉体との接合の在り様か。「いぶし銀」という単語も近くて遠い。ノイズとも異なる。プリペアド奏法やそれらが生む掠れや軋みや沈黙、さまざまな様式の諸要素をはらみつつ、感情面では喜怒哀楽が同期する。苦悩や贖罪意識、希望がないまぜに膨れ上がる。ハードなドライヴ感ではあるが、何かに突き動かされて前進せずにはおれないような逼迫感に貫かれる。
文章:伏谷佳代
JazzTokyo #12019年7月24日喜多直毅クアルテット@ソノリウム公演069 3/3 喜多直毅クァルテット二日連続公演『詩篇』ー沈黙と咆哮の音楽ドラマー』

日時:7月24日(水)19:00開場 19:30開演
会場:ソノリウム(永福町)
   168-0063 東京都杉並区和泉3-53-16 
   TEL 03-6768-3000
   京王井の頭線 永福町駅下車(北口) 徒歩7分 
   東京メトロ丸の内分岐線 方南町駅下車 徒歩10分

料金:予約¥4,000/当日¥4,500

ご予約/お問い合わせ
◾︎メール:violin@nkita.net
※メールタイトルは「喜多直毅クアルテット7/24予約」、メール本文に《代表者氏名》《人数》《連絡先電話番号》を 必ずご記入の上、お申し込み下さい。

◉ ご予約に際しての注意事項
・ご予約の締め切りは公演前日7月23日深夜24:00までとさせて頂きます。
・10歳以下のお子様のご入場はお断りする場合がございます。

主催・企画制作:喜多直毅
制作アシスタント:山本悦子
フライヤーデザイン:山田真介

是非お誘い合わせの上、お出かけください!
どうぞ宜しくお願いします!

2019年6月25日火曜日

いよいよ明後日はヴァイオリンソロリサイタル!!! 石川啄木と永山則夫。

マドリッドから帰って来ました。
スイス人ミュージシャン二人との即興演奏(フリージャズっぽい)を行いましたが、演奏時以外は殆どホテルの部屋にいて仕事をしていました。
結局フラメンコは観られず、市内観光もしませんでした。

今回のソロリサイタルでは喜多クアルテットの為に作った曲をヴァイオリン一本で演奏します。
もう編曲は終わり今練習をしている最中ですが、いやぁ大変なこと大変なこと!
いつもメロディだけ歌っていれば良かったのに、やることが一度に増えてしまいました。
まるで一人暮らしを始めたばかりの学生みたいです。

今まで全部親にやってもらっていたこと、例えば
・三度の食事の支度
・掃除
・洗濯
・ペットの世話
・日用品の買い物
・光熱費の支払い
…等々を全部一人でやらなければならない。
学校の勉強もサークル活動もバイトもあるのに!
ホント、親の有り難みが良く分かりました(親元にいる人が羨ましい)。
普段一緒に演奏してくれているメンバーには感謝しかありません。

今回のヴァイオリンソロ用の編曲で一番大変なのはやっぱり和音の処理です。
メロディだけ弾いて何とか和音進行をサジェスト出来る箇所もある。
全く和音を提示しなくて良い部分もあって、そういう箇所は気が楽です。

ところが!
旋律によってはどうしても対位法的な力学が働く場合があって、これに忠実に編曲を行うとバッハのヴァイオリン無伴奏曲の様になり本当に難しくなってしまう。
嫌です、自分の曲を難しくするのは。
なので余り極端に難易度の高い編曲は施さない様にしているのですが、それでもまだ弾けないところがある。
あああああ。

でも今回のコンサートでやりたいことは超絶技巧を披露することではありません。
聴く人を“世界”にお招きすることです。
では何の世界か???

それはやっぱり東北生まれのこの二人から立ち現れる世界です。
先日長浜奈津子さん(女優)と朗読会のテーマとして取り上げた“石川啄木”、そしてだいぶ前に黒田京子さん(ピアノ)と行っていたコンサートシリーズ『軋む音』のテーマの一つとして取り上げた“永山則夫”。
この二人。

永山則夫
永山則夫

キケ人ヤ 世ノ裏路ヲ歩クモノノ悲哀ナ タワゴトヲ 
キケ人ヤ 貧シキ者トソノ子ノ指先ノ 冷タキ血ヲ
キケ人ヤ 愛ノ心ハ金デナイコトヲ 心ノ弱者ノウッタエル叫ビヲ
キケ人ヤ 世ノハグレ人ノパンヘノ セツナイハイアガリヲ
キケ人ヤ 日陰 [ 影 ] 者ノアセト涙ヲ ソノ力ト勇気ヲ
キケ人ヤ 武器ナキ者ガ 武器ヲ得タ時ノ 命ト引キカエノ抵抗ヲ
キケ人ヤ 貧民ノ真ノ願イノ ヒト言の恐シサヲ
キケ人ヤ 昭和元禄ニ酔ウガヨイ 忘レタ時ニ再ビモエル 貧シキ若者ノ怒リヲバ

永山則夫『キケ人ヤ』1969年7月29日『無知の涙』より


石川啄木
石川啄木

森の奥より銃声聞ゆ
あはれあはれ
自づから死ぬる音のよろしさ

人といふ人のこころに
一人づつ囚人がゐて
うめくかなしさ

こそこその話がやがて高くなり
ピストル鳴りて
人生終る

いくたびか死なむとしては
死なざりし
わが来しかたのをかしく悲し

高きより飛びおりるごとき心もて
この一生を
終るすべなきか

かの船の
かの航海の船客せんかくの一人にてありき
死にかねたるは

死ぬことを
持薬(ぢやく)をのむがごとくにも我はおもへり
心いためば

我に似し友の二人よ
一人は死に
一人は牢を出でて今病む

友われに飯を与へき
その友に背きし我の
性のかなしさ

石川啄木『一握の砂』より


永山則夫は牢獄で沢山の詩や短歌をノートに書き留めていました。
短歌に関しては啄木のものを愛読していたそうですし、永山自身の歌もその影響を受けている様に思います。
僕はなぜこんなにも二人に心惹かれるのか???
こんなことを思いながらプログラムを作っています。

今度の木曜日、是非永福町のsonoriumへお越しください!

喜多直毅ヴァイオリンソロリサイタル

喜多直毅 Naoki Kita
喜多直毅 Naoki Kita

出演:喜多直毅(ヴァイオリン)
内容:オリジナル作品、即興演奏、他

日時:2019年6月27日(木)19:00/19:30
会場:ソノリウム(永福町)
   168-0063 東京都杉並区和泉3-53-16 
   TEL 03-6768-3000
   京王井の頭線 永福町駅下車(北口) 徒歩7分 
   東京メトロ丸の内分岐線 方南町駅下車 徒歩10分

料金:予約¥3,000/当日¥3,500

ご予約/お問い合わせ
◾︎メール:violin@nkita.net
※メールタイトルは「喜多ソロ」、メール本文に《代表者氏名》《人数》《連絡先電話番号》を 必ずご記入の上、お申し込み下さい。

◉ ご予約に際しての注意事項
・ご予約の締め切りは公演前日6月26日深夜12:00までとさせて頂きます。
・10歳以下のお子様のご入場はお断りする場合がございます。

主催・企画制作:喜多直毅
制作アシスタント:山本悦子
協力:齋藤真妃

2019年6月14日金曜日

スペインで缶詰

今マドリッドにいます。
さっきスーパーマーケットに行ってヨーロッパでは普通に売っているのに日本では殆ど見かけない平べったい桃を買ってきました。
これはかぶりつき出来るし甘くて本当に美味い!
日本でも栽培して売れば良いのにと思います。

ヨーロッパの平べったい桃。激ウマ!

さて今回はMATHEMATICS AND COMPUTATION IN MUSIC 2019という催しの一環で行われるライヴで来ています。
これはライヴというか学会みたいなものでしょうか、“音楽における数学とコンピューター処理”というタイトルです。
僕はコンピューターとかエレクトロニクスを使った音楽とはまるで縁のない活動をしていますが、これまで作曲家の蒲池愛さんの作品で日本・スロベニア・韓国で行われたコンピューター音楽の会議“ICMC”で演奏しています。
蒲池さんの作品はMAXというコンピュータープログラムが僕の演奏を即座に解析し面白いサウンドを作り出すという内容でした。

今回共に演奏するGuerino Mazzola(piano)、Heinz Geisser(drums and percussions)とは一昨年、共に東京でライヴを行い『間 ~MA~』というCDを作っています。
(このライヴの模様は齊藤聡さんのブログでお読み頂けます!)
どちらかというとフリージャズ的なアプローチのCDでしたが、今回はどんな音楽になるのかとても楽しみです。
ちなみに僕は数学はてんでダメで、高校時代はいつも赤点ばかり、居残り学習でした。

Naoki Kita, violin Guerino Mazzola, grand piano Heinz Geisser, drums and percussions

Naoki Kita, violin
Guerino Mazzola, grand piano
Heinz Geisser, drums and percussions
April. 2018

MATHEMATICS AND COMPUTATION IN MUSIC 2019

MA - Music of Change
Naoki Kita, violin
Guerino Mazzola, grand piano
Heinz Geisser, drums and percussions

Naoki Kita, violin Guerino Mazzola, grand piano Heinz Geisser, drums and percussions  April. 2018
Naoki Kita, violin
Guerino Mazzola, grand piano
Heinz Geisser, drums and percussions
22. April. 2017
photo by Akira Saito

The free jazz collaboration duo of drummer Heinz Geisser and pianist Guerino Mazzola has lasted twenty years now. In April 2017 they had a series of six highly acclaimed concerts in Tokyo and Yokohama, resulting in three CD productions including Ma, with the collaboration of Japanese violinist Naoki Kita.
Geisser and Mazzola strongly adhere to the idea that music should transform with virtuosity gestures and thoughts in the imaginary time of our consciousness into real sound structures that shape the body of time instead of following any external baton. Naoki Kita?s performances include a blend of original music and improvisation and the transformation of the duo in trio has created new avenues.

19. June. 2019
the Real Conservatorio Superior de Música de Madrid
https://rcsmm.eu

実は今回の渡欧ではマドリッドの前にチューリヒでHeinzの主宰するENSEMBLE 5のライヴにゲスト出演する予定でした。
WIMというチューリヒの即興演奏ライヴハウスで行われているライヴシリーズ“WEDNESDAY 4+1”に呼んでもらったのです。
昨年来日し一緒にツアーを行ったHarald Kimmig(violin)や、頻繁に日本に来てライヴを行なっているFranz Loriot(viola)など、素晴らしい弦楽器奏者達が参加しています。
(皆んな、凄く上手い!)



ところが!
今回は飛行機が遅れてチューリヒのライヴに間に合わなくてなってしまった。
キャセイパシフィック航空です。
成田空港で一時間ほど遅れ、香港で4時間くらい待たされ夜中になり、結局マドリッド行きの便は飛びませんでした。
おかげで香港のホテルで一泊。
疲れ果てていて広東料理も飲茶も味わう暇もなく、翌日また空港に戻ってまたさらに1時間くらい待たされ…、やっとマドリッドにたどり着いたのでした。
しかも着いたのは深夜2:00くらい。
こんなルートでヨーロッパに来たのは初めてですが直行便の有り難さが改めて身にしみました。

チューリヒのライヴはキャンセルになって実に残念でしたが、きっとまた機会があると思います…。

実は!
この四人が10月に来日することが決まっています!
僕も一緒に演奏しますのでどうぞお越しください!

出演:Ensemble 5 + Naoki Kita
   Heinz Geisser, percussion
   Fridolin Blumer, double bass
   Reto Staub, piano
   Robert Morgenthaler, trombone
   喜多直毅(Naoki Kita), violin
内容:即興演奏

日時:2019年10月18日(金)19:00開場/19:30開演
会場:公園通りクラシックス(渋谷)
   〒150-0042東京都渋谷区宇田川町19-5
   東京山手教会B1F
   03-6310-8871
   ※JR・東京メトロ・東急線・京王井の頭線渋谷駅下車徒歩8分

料金:予約¥3,500/当日¥4,000(ドリンク代は含まれません)
メール予約:violin@nkita.net(喜多)
※メールタイトルは「Ensemble5」、メール本文に《代表者氏名》《人数》《連絡先電話番号》を 必ずご記入の上、お申し込み下さい。
電話予約:03-6310-8871(公園通りクラシックス)

さてスペインと言えば闘牛・フラメンコ・スペイン料理・サッカーですが、今回は何もなし、多分。
6/27のソロリサイタルの編曲がまだ終わっていないからです。
ホテルに缶詰覚悟で来ています。
外出したのは今朝スーパーに買い物に行ったくらい。
今ハムとチーズをパンに挟んで食べています。
窓も閉めています、遊びに行きたくなるから。

とにかく6/27が終わるまでは全てお預けですが、一生懸命準備していますので皆さんどうぞお越しください。

出演:喜多直毅(ヴァイオリン)
内容:オリジナル作品、即興演奏、他

日時:2019年6月27日(木)19:00/19:30
会場:ソノリウム(永福町)
   168-0063 東京都杉並区和泉3-53-16 
   TEL 03-6768-3000
   京王井の頭線 永福町駅下車(北口) 徒歩7分 
   東京メトロ丸の内分岐線 方南町駅下車 徒歩10分

料金:予約¥3,000/当日¥3,500

ご予約/お問い合わせ
◾︎メール:violin@nkita.net
※メールタイトルは「喜多ソロ」、メール本文に《代表者氏名》《人数》《連絡先電話番号》を 必ずご記入の上、お申し込み下さい。

◉ ご予約に際しての注意事項
・ご予約の締め切りは公演前日6月26日深夜12:00までとさせて頂きます。
・10歳以下のお子様のご入場はお断りする場合がございます。

主催・企画制作:喜多直毅
制作アシスタント:山本悦子
協力:齋藤真妃

帰国は22日の予定です。
それまでに何とか楽譜作りを終えなければ…。
頑張ります!

2019年6月10日月曜日

6/27(木)喜多直毅ヴァイオリンソロリサイタルの準備/ライヴのお知らせ

6/27のヴァイオリンソロリサイタルが刻々と迫っています。
わーーー、大変だ。
今、その準備中。

今回は全てオリジナル楽曲を演奏しようと思っています。
オリジナルと言えば最近は喜多直毅クアルテットにしか書いていませんので、四重奏の曲をヴァイオリンソロに直さなくてはなりません。
全ての楽譜を見ながら『ここは一人で出来る』『ここは一人では無理』と出来そうな部分を抜き出して、何とか対策を練っています。

そもそも僕は和音志向で、旋律のみで成り立つ楽曲作りをして来ませんでした。
ピアノやバンドネオンにどれほど頼っていたことか。
そして和音志向に加えて重低音志向なのです。
しかもクラスター(音塊)好き。
ピアノの左手やコントラバスにも思い切り頼って来たのでした。

ヴァイオリン一本で演奏するとなると、これらのフェイバリットサウンドを全て奪われてしまう。
単旋律だけになってしまう。
寂しい。

いいえ、きっとここに何か発見があるかも知れません。
それはメロディの強さかも。
そしてヴァイオリンの音そのもの。
こんなに音色を変化させられて、まるで人の声のように情感を出せる楽器はない。
このリサイタルをキッカケに是非何かを掴めたらと思います。

それと一人で自分の曲のみを演奏するリサイタルを前からやってみたかったのです。
これは本当のモノローグ。

先月、これまで書きためた“歌”を自分で歌うライヴを行いました。
シンガーソングライターデビューです。
その時ステージに立って歌ってみてとても『恥ずかしい』と思ったのです。
恥ずかしいと言っても人前で歌って緊張したとかあがったと言う意味ではありません。
自分の気持ちや思いを言葉にして人前で歌うことが恥ずかしかったのです。

それは普段自分が心の奥底で思っていることや感じていることを公衆の面前で披露すること。
内面の醜いところも弱いところも晒すような感覚でした。
そして人前で真っ裸になるような感覚でもありました。
(シンガーソングライターの皆さんは常日頃からこうした思いをしているのですね。道理で度胸があるはずだ。)

これは相当恥ずかしい。
しかしふと思ったのです。
自分がヴァイオリンを弾くことも同じではないかと。
楽器を弾くことに慣れてしまっているからかも知れませんが、普段この恥ずかしさは全く感じません。
でも自分の心の奥底が実はしっかりと音になって客席に伝わっており、ある人には嘘も虚飾も見破られているのではないか???
実はシンガーソングライター同様、ヴァイオリン演奏も真っ裸になることなんじゃないかと思いました。

ヴァイオリンソロ。
とても恥ずかしいことになりそうですが、恥ずかしくて何ぼ。
間違わずに上手に弾くことではなく、何か別な取り組み方が出来たら自分の音楽活動もこれから少し変わると思います。

皆さん、どうぞお越しください!

喜多直毅 Naoki Kita
2017年8月24日
gallery feel art zero(名古屋)にて

出演:喜多直毅(ヴァイオリン)
内容:オリジナル作品、即興演奏、他

日時:2019年6月27日(木)19:00/19:30
会場:ソノリウム(永福町)
   168-0063 東京都杉並区和泉3-53-16 
   TEL 03-6768-3000
   京王井の頭線 永福町駅下車(北口) 徒歩7分 
   東京メトロ丸の内分岐線 方南町駅下車 徒歩10分

料金:予約¥3,000/当日¥3,500

ご予約/お問い合わせ
◾︎メール:violin@nkita.net
※メールタイトルは「喜多ソロ」、メール本文に《代表者氏名》《人数》《連絡先電話番号》を 必ずご記入の上、お申し込み下さい。

◉ ご予約に際しての注意事項
・ご予約の締め切りは公演前日6月26日深夜12:00までとさせて頂きます。
・10歳以下のお子様のご入場はお断りする場合がございます。

主催・企画制作:喜多直毅
制作アシスタント:山本悦子
協力:齋藤真妃

実は今週水曜日からヨーロッパです。
チューリヒで即興演奏のライヴ、マドリッドでMATHEMATICS AND COMPUTATION IN MUSIC 2019というイベントで演奏します。
滞在先でソロリサイタルの編曲をしなければなりません。
初めてのスペインなのに闘牛も見られない、パエリアも食えない…。
でもこの期間に編曲を終えないと大変なことになる。
頑張るぜい!

ソロリサイタルの後はアルゼンチンタンゴのライヴが二本。
6/30喜多直毅タンゴトリオ、そして7/7喜多直毅&レオナルド・ブラーボデュオです。
ブラーボさんとのデュオはピアソラ多めかと思います。
タンゴファンの皆さんも、そうでない方も(?)ぜひお越しください!

【6/30(日)喜多直毅タンゴトリオ】

喜多直毅(vln)タンゴトリオ w/北村聡(bandoneon)松永裕平(piano)
喜多直毅(vln)タンゴトリオ w/北村聡(bandoneon)松永裕平(piano)
2019年2月14日
松本弦楽器(東京・代々木)

出演:喜多直毅(ヴァイオリン)
   北村聡(バンドネオン)
   松永裕平(ピアノ)
内容:アルゼンチンタンゴ
   ロマンティックでメロディの美しいタンゴのスタンダードを中心に演奏します。
日時:2019年6月30日(日)14:00開場/15:00開演
会場:雑司が谷TANGO BAR エル・チョクロ
   〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-2-8
   03-6912-5539
料金:ご予約¥4,000 当日¥4,500
学割(30歳まで)ご予約¥1,500 当日¥2,000
予約・問合せ:エル・チョクロ
   03-6912-5539/info@el-choclo.com
   violin@nkita.net(喜多)


【7/7(日)喜多直毅(ヴァイオリン)レオナルド・ブラーボ(ギター)】

喜多直毅(violin)Leonardo Bravo(guitar)
喜多直毅(violin)Leonardo Bravo(guitar)
2019年2月17日
雑司が谷TangoBarエル・チョクロ

出演:喜多直毅(ヴァイオリン)
   レオナルド・ブラーボ(ギター)
内容:アストル・ピアソラ作品、古典タンゴ、etc.
日時:2019年7月7日(日)14:00開場/15:00開演
会場:雑司が谷TANGO BAR エル・チョクロ
   〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-2-8
   03-6912-5539
料金:ご予約¥3,500 当日¥3,800
予約・問合せ:エル・チョクロ
   03-6912-5539/info@el-choclo.com
   violin@nkita.net(喜多)

皆さん、どうぞ宜しくお願いします!

喜多カル楽譜
絶対にヴァイオリンソロ用に書き換えられない喜多クアルテットの楽譜達。

2019年6月1日土曜日

2019年6月27日(木)喜多直毅ヴァイオリンソロリサイタル@sonorium(永福町)

齋藤徹(コントラバス)喜多直毅(ヴァイオリン) 2018年5月28日独・ボンでの演奏
齋藤徹(コントラバス)喜多直毅(ヴァイオリン)
2018年5月28日独・ボンでの演奏

前回の記事でも書かせて頂きましたし、既にご存知の方も多いと思います。
先月18日にコントラバス奏者の齋藤徹さんが長い闘病生活の末、天に召されました。
改めて哀悼の意を表したいと思います。

先月末にご自宅近くの葬儀場でお通夜と告別式が行われ、僕も参列させて頂きました。
ご家族中心の内々の式にしたいという事でしたが、いずるば関係の演奏家からの供花の取りまとめや音楽演奏・弔辞の役割も頂いたので僭越ですが出席させて頂きました。
弔辞を読ませて頂くのは人生初の経験でした。
徹さんとのこれまでや徹さんが辿ってきた道を思い書かせて頂きました。
ちょっと綺麗にまとめ過ぎたかも知れませんが、偽りなく綴ったつもりです。

徹さんが亡くなってもう2週間が経ちますが、実は未だに徹さんの死が実感できずにおります。
遺体を拝見したり出棺直前にその冷たい額に触れたりもしたのに。
電話をすれば出てくれるような気がするし、メールをすれば返信がある気がする。
生と死の境目とは一体何でしょう。

ずっと前、徹さんと出会ったばかりの頃、「徹さんにとって良い音楽ってどんな音楽ですか?」と尋ねたことがあります。
するとメガネの奥の徹さんの目がキラリと光り、「“死のある音楽”です。」とおっしゃいました。
その言葉が未だに忘れられず、僕も“死のある音楽”をやりたいと思っています。
でもそれがどういう音楽なのか、それさえハッキリとは分からずに手探りをしている状態です。
聴く人が“生き死に”に思いを馳せずにいられない…、そんな音楽でしょうか。

僕個人の印象ですが、徹さんの演奏を聴くたびに、冥界とこの世が紙一重である事をそのサウンドやリズムから感じずに入られませんでした。
確実に他の演奏家の音楽とは一線を画すものです。
こういう音楽は練習や勉強だけで出来るものではなく(もちろんそれも必要ですが)、何かこう生まれ持ってのアンテナやアクセス回路が必要だと思います。
ご本人は無意識だったかも知れませんが、徹さんは容易に冥界の音を聴きコントラバスで表現できる能力を持っていたのではないかとさえ思います。

その徹さんが向こう側に旅立ってしまった。
向こう側で一体どんなふうに過ごしているのだろう。
そんなことを考えています。

さて6月27日(木)にコントラバス奏者・齋藤徹さんとのデュオリサイタルを予定しておりました。
思えば出会いからのこの10年間、徹さんによって導かれ様々な演奏の機会を与えられて参りました。

この日の公演自体をキャンセルしようかとも思いましたが、天国の徹さんがそれを望むはずはありません。
生前、徹さんは後輩の成長のために敢えて試しを与えることがありました。
今回も同様に徹さんから試されているのではないかと感じ、喜多直毅ヴァイオリンソロリサイタルとして公演を行うことにしました。
これが徹さんが僕に残した最後の課題ではないかと思っています。

そしてこの公演は徹さんへの追悼リサイタルとはせず、自分の公演として行います。
徹さんはご自分が育てた演奏家が独り立ちし、その手を離れて道を切り拓いて行くのを何よりも喜ぶ方でした。
今回、プログラムに徹さんの作品も一、二曲入れさせて頂くかもしれません。
しかし基本的には僕がデザインする公演とし、その中で今の自分の持てる力を存分に発揮するような内容にしたいと思っています。
その姿を天国にいる徹さんに見てもらうことが何よりの“追悼”となるに違いありません。
ぜひお運び頂きたいと存じます。

出演:喜多直毅(ヴァイオリン)
内容:オリジナル作品、即興演奏、他

日時:2019年6月27日(木)19:00/19:30
会場:ソノリウ(永福町)
   168-0063 東京都杉並区和泉3-53-16 
   TEL 03-6768-3000
   京王井の頭線 永福町駅下車(北口) 徒歩7分 
   東京メトロ丸の内分岐線 方南町駅下車 徒歩10分

料金:予約¥3,000/当日¥3,500

ご予約/お問い合わせ
◾︎メール:violin@nkita.net
※メールタイトルは「喜多ソロ」、メール本文に《代表者氏名》《人数》《連絡先電話番号》《予約日》を 必ずご記入の上、お申し込み下さい。

◉ ご予約に際しての注意事項
・ご予約の締め切りは公演前日6月26日深夜12:00までとさせて頂きます。
・10歳以下のお子様のご入場はお断りする場合がございます。

主催・企画制作:喜多直毅
制作アシスタント:山本悦子
協力:齋藤真妃

皆さんにどうぞ宜しくお願いします!


徹さんが亡くなってからずっとこの言葉が頭の中に浮かんでいます。

名声は香油にまさる。死ぬ日は生まれる日にまさる。 
弔いの家に行くのは酒宴の家に行くのにまさる。そこには人皆の終りがある。命あるものよ、心せよ。
旧約聖書コヘレトの言葉7:1-2