喜多直毅クアルテット西日本ツアー終了!次はいよいよ6/10東京公演!

喜多直毅クアルテット:喜多直毅(ヴァイオリン)三枝伸太郎(ピアノ)北村聡(バンドネオン)田辺和弘(コントラバス), 広島流川教会
喜多直毅クアルテット
喜多直毅(ヴァイオリン)三枝伸太郎(ピアノ)北村聡(バンドネオン)田辺和弘(コントラバス)
2017年5月29日@日本基督教団広島流川教会
撮影:黒田敬子
 
喜多直毅クアルテットの西日本ツアー、無事終了致しました!
お越しの皆さん、本当に有難うございました!!!
地元の方々以外にもわざわざ東京やそれ以外の地域からツアーにご参加下さった方もいらっしゃいました。
皆さん、有難うございました。
ゆっくりお休み下さいね!

後から頂いた感想のメールやアンケート、嬉しく読ませて頂きました。
『こんな音楽が今の日本にあって驚いた』『風景や人間模様、物語が見えた』『自分の人生と重ね合わせて聴いた』『音楽でも芝居でもなく正に“人間”がいた』…、おひとりびとりが自由にそれぞれの感想を綴って下さいました。
有難うございます。
(その中の一通で僕は思わず嬉し泣きしました。この活動を続けて来て良かったと心底思える様な文章でした。)

今回は初めての東京以外での公演ということで、集客がとてもとても心配でした。
各地の主催者の方が動員に奔走して下さっていると知りつつも、僕も自分のアドレス帳やメーラーの中から昔(それこそ10年以上前)ちょっとやり取りをさせて頂いた方々をピックアップしご案内をお送りしました。

『この方はもう僕の事なんか憶えていらっしゃらないだろうなぁ』『ひょっとしたら嫌われているのかも!?』なんて思ったりもしつつ、でもひょっとしたら懐かしがって来て下さるかも知れないと期待して案内をさせて頂きました。
時を経た今、成長ぶりと言うか変貌ぶりを見て聴いて頂きたいと思ったのです。
果たして、各会場で10年ぶり(ひょっとしたらももっと長い)再会があり、本当に嬉しかったです。
やっぱりご案内をお送りして良かったです。
僕の手紙やメールをお読みになってわざわざお越しくださった方々、本当に有難うございました!

各地の主催者の皆様にも厚く御礼を申し上げます。
アルゼンチンタンゴの編成でありながら、普通にタンゴのスタンダードナンバーやピアソラを演奏するわけでは無く、オリジナルのみを演奏する『海のものとも山のものともつかぬ』グループです。
一人一人は全国各地で頻繁に活動していますが、グループとしては知名度も低く動員力も疑わしい。
これでは主催を引き受けるには余りにもリスクが高い。

しかし主催者の方々は広い心で我々の公演の主催をお引き受けくださり、忍耐をもって宣伝や集客に尽力して下さいました。
本当に心から感謝を申し上げます!

奈良では第一部でピアソラの有名曲を幾つか演奏させて頂き、第二部では通常通り、オリジナルのみの一時間一本勝負でプログラムを組ませて頂きました。
喜多クアルテットでの他の作曲家の演奏はこれが初めてでした。

昔はピアソラや既存のタンゴの曲にオリジナルアレンジを施して演奏したりしていました。
しかし次第に自分には余り編曲の才能は無いと思うようになり、その活動はやめてしまいました。
それよりもオリジナル作品の作曲の方が楽しく“自分の為すべき仕事”と感じるようになり、現在に至ります。
やはり“自作自演”に対する憧れやこだわりが強いのだと思います。

ピアソラの作品や演奏、その生き方に至るまで、本当にいつまで経っても僕には及ぶことが出来ない。
ある意味“父”の様な存在、或いは“バッハ”や“ベートーヴェン”の様な存在だと思います。
彼の音楽に込められたもの、“祈り”、“希望と絶望”、“闘い”、“生きる力”、“誇り”はとても強靭で、演奏家の生き方が厳しく問われます。
僕の場合、彼のこの問いに答えるのは彼の曲を演奏することよりも、自分の作品を作り続けることだと思っています。
そしてその作品を携えて、今の社会の中で演奏活動を続けていくこと。
それが僕に与えられた生涯の仕事であり、ピアソラへの応えです。

彼の様に生きられるか?そして闘っているか?
天国にいるピアソラからいつも睨まれており、チャラチャラした事をやっていると雷を落とされそうな恐怖心があるのですよ…。
(雷はもう何回も落ちています。)

今回、ピアソラの作品を取り上げるにあたって自分の中で大きな葛藤がありました。
自分のオリジナルのみを演奏するグループとしてずっと活動を続けて来たけれど、他の作曲家の作品を取り上げて良いのだろうか。
軸がぶれてしまうのではないだろうか。

しかしピアソラ作品の準備を通して、ピアソラと自分との関係や自分の仕事について改めて確認をする事が出来ました。
こういう機会が無いと物事を考えない自分ですので、やはりやって良かったと思っています。
ピアソラをプログラムに入れたおかげで、原点に戻る事が出来ました。

ちなみに京都で長くバンドネオンに携わっておられ、現代タンゴに造詣の深い方がいらしていたのですが、オリジナルの方を非常に高く評価して下さったのをとてもとても嬉しく思いました。
第一部で演奏した『リベルタンゴ』や『チキリン・デ・バチン』が良かった!と言って下さった方もいらっしゃいました。
こちらも頑張って編曲をした甲斐がありました!

ちょっとピアソラの話が長くなってしまいました。

今回は主催者の方以外にも多くの方が前もって宣伝に奔走して下さったり、会場で様々な仕事をして下さいました。
皆さん、普段の忙しい生活の合間、わざわざ時間と労力を割いてご協力下さいました。
もちろん手弁当です…。
本当に感謝の一言に尽きます。
有難うございました。

そしてメンバーの三人!
この方達がいなければ、僕がいくら曲を作っても音楽になりません!
いつも音楽的にかなり厳しい要求をしているのですが、今回はいつもに増してハードだったかと思います。
しかししっかりと応えてくれた。
『こう弾くとカッコ良い』みたいな表面的な次元では無く、もっと深いものを感じ取って音にしてくれました。
このツアーを経て音楽が更に充実したと実感しています。
最高のメンバーと音楽作りが出来て、自分は本当に幸せです!
有難うございました!

ついでの様で申し訳ないのですが、ここで黒田京子さんにも感謝を申し上げなければなりません。
僕はこれまで数回黒田京子さんと各地でツアーをしておりますが、旅先での会計役を全部黒田さんに丸投げしていました。
今回のツアーでは僕が事務作業全般を執り行っておりましたが、幸いアシスタントが奈良・尾道と来てくれて、会計を引き受けてくれた。
でも最終日の広島の公演終了後は僕がツアーを通しての会計をすることになり、めっちゃ大変でした…。
(今も残務処理が山積みです。)

今まで黒田さんはツアー先で打ち上げの後、ホテルで一人眠い目をこすりながら経費やCD売上の計算をしていてくれたんですね〜。
その大変さ、今回自分がやって見て初めて分かりました…。
本当に今まで有難うございました。

結成以来、東京以外での公演を行って来なかった喜多直毅クアルテットでしたが、やはりツアーに出て見て本当に良かったです!
『どんな音楽か知らずに聴きに来たけど、来て良かった!』という声をたくさん頂戴しました。
それから『こんな音楽があって嬉しい』というご感想も多く頂きました。
『また必ず聴きに来ます、今度は友達を誘って…』と言って下さった方も実に多かったです。

この“知らずにいる方”に我々の音楽を伝えて行く事をもっとして行きたい。
まだまだ頑張らねばなりません!
僕は喜多クアルテットの音楽は『今の日本に必要な音楽』くらいに思って取り組んでいます。
そしてこの音楽をやらないと死んでしまう!とさえ思っています。
自分の命と同じくらい僕にとって必然性のある音楽なのです。

今度はこれをお読みになっているあなたの町へお邪魔するかも知れません。
その時はどうぞ聴きにお出かけ下さい!
宜しくお願いします!


さて6/10はいよいよ東京公演です。
2ndAlbum『WINTER IN A VISION 2』の会場販売も致します。
どうぞお誘い合わせの上、お越しください。

WINTER IN A VISION 2
喜多直毅クアルテットコンサート 2017

『WINTER IN A VISION 2』喜多直毅クアルテット コンサート 2017, 北村聡, 三枝伸太郎, 田辺和弘, 求道会館

『WINTER IN A VISION 2』喜多直毅クアルテット コンサート 2017, 北村聡, 三枝伸太郎, 田辺和弘, 求道会館


出演:喜多直毅(音楽とヴァイオリン)
   北村聡(バンドネオン)
   三枝伸太郎(ピアノ)
   田辺和弘(コントラバス)

日時:2017年6月10日(土)19:00開場/19:30開演/20:40頃終演予定
会場:求道会館(本郷)
   東京都文京区本郷6-20-5
   地図 

料金:予約¥4,000/当日¥4.500
ご予約・問い合わせ:violin@nkita.net(喜多直毅)
※メールタイトルは「喜多クアルテット6月予約」、メール本文に《代表者氏名》《人数》《連絡先電話番号》を 必ずご記入の上、お申し込み下さい。
※ご予約に際しての注意事項
・ご予約の締め切りは公演前日6/9深夜24:00までとさせて頂きます。
・10歳以下のお子様のご入場はお断りする場合がございます。

主催・制作:喜多直毅
   violin@nkita.net
   http://www.naoki-kita.com
協力:株式会社ソングエクスジャズ

皆さん、宜しくお願い致します。

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