明日8/6(日)はおとがたり朗読公演『雪解』永井荷風

2023年8月5日
おとがたり公演『雪解』永井荷風リハーサル
@六本木ストライプスペース

女優・長浜奈津子さんとの朗読ユニット“おとがたり”ではこれまでいろいろな作品を取り上げてきました。

僕の役割は各作品に現れる情景や登場人物の気持ちなどをヴァイオリンによって表現すること。

これまでの作品では坂口安吾の『桜の森の満開の下』と『夜長姫と耳男』が一番自分の音楽とマッチすると感じました。
二作品とも、美しさと妖しさを併せ持つ魔性の女が中心人物として登場します。
女の透き通る笑顔の中に秘められた残酷さや狂気は、ヴァイオリンという楽器の持つ魔力にも繋がるような気がして、大いにインスピレーションを掻き立てられました。

そしてオリジナル台本による『啄木といふやつ ~A Guy called Takuboku~』も、自然に音楽が聴こえてくる作品でした。
聴こえてきたものが即演奏になる。
そんな具合。

おとがたり『啄木といふやつ ~A Guy called Takuboku~』
おとがたり『啄木といふやつ ~A Guy called Takuboku~』
2019年4月14日@四谷三丁目・茶会記

さて今回お届けする『雪解』。
この作品にも聴こえてくる音楽があります。
それは淡く、儚く、微睡のようにぼんやりとしたものです。
まるで障子の向こうで揺れる気配のように、はっきりとはしない。
…とイメージを広げているのですが、本番はいかに?
奈津子さんの朗読との呼吸もありますので、いろいろな変化が起きるに違いありません。

明日8/6(日)はぜひ六本木へお越しください!

おとがたり朗読ライブ「雪解」永井荷風

ー 作品紹介 ー
お照はそれにしても不人情なこの親爺にどういうわけで酒を飲ませてくれたのであろう。(本文より)
目に鮮やかに浮かぶ、大正期の人々の暮らし、街々の風景。再会した初老の父と娘の物語を、情緒豊かに描いた荷風短編小説。

出演:おとがたり
   長浜奈津子(朗読)
   喜多直毅(ヴァイオリン)
内容:朗読とヴァイオリン演奏による『雪解』永井荷風

日時:2023年8月6日(日) 開場15:30/開演16:00
   〒106-0032東京都港区六本木5-10-33 ストライプハウスビル Mフロア
   Tel:03-3405-8108 Fax:03-3403-6354
  ※六本木駅 3番出口より徒歩4分

料金:予約¥3,500 当日¥4,000(全席自由)
ご予約・お問い合わせ:
   電話 090-3339-1281(長浜)   
   メール nappy_malena@icloud.com(長浜)  



ー 出演者プロフィールー
女優・長浜奈津子とヴァイオリン奏者・喜多直毅による朗読ユニット。首都圏を中心に意欲的に活動を行なっている。物語の持つファンタジーを声や楽器の音を通して空間にありありと描き出すために、即興的に互いの間・抑揚・言葉に反応しながら進行するパフォーマンスは臨場感にあふれ、聴く人はまるで物語の中に居合わせるかのような印象を抱く。来場者はもとより、文学研究者からも高い評価を得ている。

桐朋学園演劇科卒業後、劇団俳優座へ。女優・朗読家。2016年から市川市文学ミュージアム「市川荷風忌」へ出演。 “荷風ひとり語り”『ひかげの花』他三味線語り。ヴァイオリニスト喜多直毅氏との朗読ユニット“おとがたり”では『濹東綺譚』他、永井荷風作品を多数上演。於:六本木ストライプハウス「朗読空間 ~ひとり語り~」では、泉鏡花『高野聖』『外科室』他、坂口安吾『桜の森の満開の下』『夜長姫と耳男』、小川未明『赤い蝋燭と人魚』、小泉八雲怪談、宮澤賢治詩と童話、他多数。 “女優の語り” として物語の登場人物を演じ読めば、声のみで言葉や物語を聞き手に読み渡す。

喜多直毅 
国立音楽大学卒業後、英国にて作編曲を、アルゼンチンにてタンゴ奏法を学ぶ。現在は即興演奏やオリジナル楽曲を中心とした演奏活動を行っている。タンゴに即興演奏や現代音楽の要素を取り入れた“喜多直毅クアルテット”の音楽は、そのオリジナリティと精神性において高く評価されている。他に黒田京子、齋藤徹 (故人) との演奏や邦楽・韓国伝統音楽奏者・現代舞踏家との共演も数多い。欧州での演奏も頻繁に行う。我が国に於いて最も先鋭的な活動を行うヴァイオリニストの一人である。

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