2016年7月9日(土)喜多直毅Violin Monologue/7月21日(木)ファド化計画withさがゆき(vo+gt)翠川敬基(vc)

東京は梅雨真っ盛り。
皆さん、体調はいかがですか?

僕は本当にダメです…。
多分梅雨のせいだと思うのですが、とても怠い。
そして時々耳が塞がった様になります。
気圧のせいかな。
睡眠も不規則で朝方まで起きていたりします。
で、疲れて寝ても、3時間くらいしか眠れなかったりします。

夢見も悪い。
この間は仲が良いと思っていた人に刺し殺されました。

3月末に大きなコンサートがあって、4月と5月はずっとヨーロッパ。
そんなこんなで、実は…、前もって帰国してからの6月と7月のライヴをブッキングするのを忘れていました!
そのせいで人前での演奏の機会が無い!
多分演奏しないから体調がすぐれないのだと思います。
そう、演奏家はやっぱりプレイしてなんぼ。
アウトプットしたり、音楽に繋がったりすることが必要です!

と言うことで、急遽、いつも楽器のメンテナンスでお世話になっている松本弦楽器の親方に頼んで、お店でライヴをさせて頂くことにしました!
親方、引き受けてくれて有難う!

以下詳細:

喜多直毅 Violin Monologue ~ヴァイオリン独奏による即興演奏~

◉日時:2016年7月9日(土)19:00開場 19:30開演
※会場は普通のマンションの一室です。19:30にはメインエントランスが閉まってしまいます。出来る限り時間通りにお越し下さるようお願い致します。

◉会場:松本弦楽器(代々木)
   東京都渋谷区千駄ヶ谷5-28-10
   ドルミ第二御苑804
   03-3352-9892(こちらの電話番号ではご予約は出来ません。)
   地図

◉料金:予約/当日共に¥2,500(ワンドリンク付き)
◉ご予約・お問い合わせ:violin@nkita.net
   代表者氏名、人数、ご連絡先をお書き添えの上、お申し込み下さい。
   定員12名です!ご予約はお早めに!


『暗い日曜日 ~Sombre Dimanche~』
注意!音量が大き目です!

20分から30分の即興演奏を休憩を挟んで二本行います。

Monologueと言うタイトルを付けてみたのですが、モノローグって何だか孤独にボソボソ呟くみたいですよね。
でももう少し大声で叫んだりするかと思います…。
ああ、梅雨うぜえ。



さてもう一つライヴの宣伝をさせて下さい。

こちらはさがゆきさん(vocal+guitar)、翠川敬基さん(cello)と最近始めたばかりのユニット・ファド化計画のライヴ。
7月21日(木)、雑司ヶ谷のエル・チョクロと言うお店で行います。

ファド化計画, さがゆき, 翠川敬基, 喜多直毅
2016年7月21日・ファド化計画:さがゆき(vo+gt)翠川敬基(vc)喜多直毅(vln)@雑司ヶ谷エル・チョクロ

このユニットではファドを原語(ポルトガル語)ではなく日本語で演奏しようと、目下歌詞と格闘中。
先月第1回目のライヴを行いましたが、僕は何も曲を持って行かず…。
今回は名誉挽回と言うことで、数曲必ず用意します!とさがさんや翠川さん、そしてお客さんの前で宣言してしまった。

しかしいざ歌詞の訳に取り掛かるとこれが大変だ!
まず僕はポルトガル語が分かりません!(ここで既に躓いている)
昔ちょっとかじった兄弟原語のスペイン語でアプローチしても歯が立たない。
プロの日本語の訳詞家のを参考にしたり、ネットで英訳を探してそこから又日本語にしたりしても全然ダメ。

まずファドのメロディに日本語の歌詞が乗らない。

そもそもファドの歌詞って一筋縄ではないのです。
生きる悲しみや苦悩の歌が多いのですが、非常に哲学的・思索的です。
単に『悲しい』『寂しい』だけじゃない。
心の襞の奥深くにある思いを観察して掬い取っている。
感情の吐露の様な表現があったとしても、理性を感じる。
そして諦観。

言葉の選びがまず文学と言って良い。
奥深く重層的です。

ポルトガル語で歌われている事を全て日本語で言い表すと、どんどん長くなったり説明っぽくなったりします。
或いは意訳し過ぎたり。
とにかくこれではメロディとの相性が悪くなるし、音楽がギザギザになる。
やっぱり“詩”と“詞”は違うんだなぁ…。

それでもファドの歌詞、本当に素晴らしい。
参考にと思い、アマリア・ロドリゲスの自作詞集を読んでみました。
そしてポルトガルの詩人・フェルナンド・ペソアの詩集も。

この詩、どうですか?
海の詩です。

ポルトガルの海

塩からい海よ お前の塩のなんと多くが
ポルトガルの涙であることか
我らがお前を渡ったため なんと多くの母親が涙を流し
なんと多くの子が空しく祈ったことか
お前を我らのものとするために 海よ
なんと多くの許嫁がついに花嫁衣装を着られなかったことか

それは意味あることであったか なにごとであれ 意味はあるのだ
もし魂が卑小なるものでないかぎり
ボハドールの岬を越えんと欲するならば
悲痛もまたのり越えなければならぬ
神は危機と深淵をもうけた
だが神が大空を映したのもまたこの海だ

ペソアの詩の多くがメロディを付けられ、ファド歌手達によって歌われているそうです。
こんな深い詩が歌われ、そして愛されている国・ポルトガル。
文化の高さを伺い知る事が出来ます。

しかしこの様な日本語訳を(このままではないにしろ)、メロディにのせるのは至難の技。
歌詞にする場合、どうしても意訳は避けられないと思うのですが、でもその際ボキャブラリーが必要になります。
少ない言葉数で、でも的確に元の詞のイメージを伝えられたら良いのですが…。
難しい!

ってなわけで、真夏の受験生のごとく鉢巻を締めて頑張っています!
たまに水風呂に入ったり。
(冗談です。)

もちろんファド以外にもさがさんの得意とする南米の音楽、日本の昭和歌謡も演奏予定。
こちらもどうぞお楽しみに!

以下詳細:
◉出演:ファド化計画
   さがゆき(vocal and guitar)
   翠川敬基(cello)
   喜多直毅(violin)

◉日時:2016年7月21日(木)18:30開場 19:30開演

◉会場:雑司が谷TANGO BAR エル・チョクロ
   〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-2-8
   03-6912-5539
   ※地図

◉料金:ご予約¥3,500 当日¥3,800
◉予約・問合せ:エル・チョクロ
   03-6912-5539/info@el-choclo.com

このコンサートにちなんで、チェロの翠川さんがとてもとても素晴らしい文章を書いて下さいました。
引用させて頂きたいと思います。

ユーラシア大陸最西端に位置するポルトガル。港町リスボンの酒場からは、夜ごとファドの歌声が響く。

大西洋の湿気をたっぷりと吸った哀切漂うメロディは、海に囲まれた日本に住むものにも、静かに深く心に染みこんでいく。身体を巡る同じ海の血流が共振するのだ。

最西端と最東端の距離があっても、ファドはとても近しい音楽。だから私たちは今宵も歌う。

当日、我々の演奏が、歌が、会場に溢れ染み渡ります様に…。
とにかく日本語の歌詞、頑張るぜい!
(現時点で比較的シンプルなのが一曲だけ出来ています。)

ファド化計画, さがゆき, 翠川敬基, 喜多直毅

コメント