2021年12月19日日曜日

次回の喜多直毅クアルテットライヴは来年2月4日(金)@新宿ピットイン

 昨日、本日と喜多直毅クアルテットの公演へお出かけくださった皆様、本当に有難うございました!

寒い中お越しくださり、心から感謝しております。

【12/18】
1. 死人~タンゴ的即興〜酒乱
2. 街の残像
3. 空爆のテーマ
4. 街角の女たち The Pom-Pom Girls
5. 轍
6. 悲愴
7. ふるさと

12/19
1. 泥の川
2. 警笛のテーマ ※新曲
3. 人生の海  ※新曲
4. 疾走歌
5. 峻嶺
6. 残された空

二日目は新曲を二曲演奏いたしました。
『警笛のテーマ』と『人生の海』と言う曲。
これからも是非プログラムに入れて行きたいと思います。

さて次回は来年2/4(金)、新宿ピットインでの公演となります。
ピットインでのライヴを考えたのは、まずあのブラックボックス的な空間に喜多カルの音を響かせてみたかったと言うこと。
そしてPA入りで喜多カルの演奏をしてみたかったと言うこと。
PAに関してはまだ決定したわけではありませんが、空間としてのピットインは喜多カルの音楽にマッチするのではないかと思っています。

当日はいつもの倍の曲目を演奏する予定です。
ってことは60分一本勝負が休憩を入れて二本…。
これはかなり気力と体力を消耗しそうなライヴですが、曲目を考え抜いて挑みたいと思います。
お客さんにも覚悟と気合を強いるかも知れませんが、どうぞ宜しくお願いします…。

22/2/4喜多直毅クアルテット@新宿ピットイン


出演:喜多直毅クアルテット
   喜多直毅(ヴァイオリン)
   北村聡(バンドネオン)
   三枝伸太郎(ピアノ)
   田辺和弘(コントラバス)
内容:喜多直毅オリジナル作品

日時:2021年2月4日(金) 19:00開場/19:30開演/二部制
会場:新宿ピットイン
   http://pit-inn.com
   東京都新宿区新宿2-12-4 アコードビルB1F
   03-3354-2024

料金:¥4,400(1ドリンク付き)
予約:電話 03-3354-2024(新宿ピットイン)
   予約フォーム http://pit-inn.com/#contactus

感情やエナジーのとめどない奔流、それと対を成す出し抜けの抑止と意識層の急激な切り替わり―タンゴを重要なベースとするこのクァルテットがはらむのは、凍てつくような寒さと紙一重の熱。深層から絞り出されるメロディの儚(はかな)さはリアリティへの絶望を映す鏡だ。なぜ沈黙や郷愁の残滓に心震えるのか。それを意識して改めて気づく薄ら寒い現況がある。
文章:伏谷佳代
2021年1月2日 JazzTokyo このパフォーマンス2020 No.273 #01 喜多直毅クァルテット『異土』

【喜多直毅クアルテット・プロフィール】
2011年、ヴァイオリニスト喜多直毅によって結成された四重奏団。演奏される楽曲は全て喜多のオリジナル作品であり、その出自とも言うべきアルゼンチンタンゴからフリージャズ、即興演奏、現代音楽まで、様々な要素を呑み込んで再構築された、比類なき音楽である。ロシア音楽を彷彿とさせる濃厚な旋律と共に、日本の伝統音楽に通ずる“間”の感覚を併せ持った彼らの音楽は、その深い精神性を高く評価されている。
4人のメンバーはそれぞれの楽器における国内屈指のタンゴ奏者と目されつつ、卓越した実力により、ジャンルを超えてシーンの最先端で活躍している。この4人においてこそ実現する超絶なる表現が、聴衆の気魂を揺さぶり“ドゥエンデ(Duende)”を呼び醒ます。

喜多直毅(作曲・ヴァイオリン)
1972年岩手県出身。国立音楽大学卒業後、英国にて作編曲を、アルゼンチンにてタンゴ奏法を学ぶ。現在は即興演奏やオリジナル楽曲を中心とした演奏活動を行っている。タンゴに即興演奏や現代音楽の要素を取り入れた“喜多直毅クアルテット”の音楽は、その独創性と精神性において高く評価されている。他に翠川敬基、黒田京子、齋藤徹等、国内を代表する即興演奏家との演奏と録音、また邦楽・韓国伝統音楽奏者・ダンサーとの共演も数多い。欧州での演奏も頻繁に行なっている。作家の高樹のぶ子の朗読舞台でも演奏と作曲を行なっている。ソングライターとしては上條恒彦に作品提供(敬称略)。

北村聡(バンドネオン)
関西大学在学中にバンドネオンに出合い小松亮太に師事、ブエノスアイレスではフリオ・パネのレッスンを受ける。世界各国のフェスティバルで演奏。これまでに鈴木大介、舘野泉、波多野睦美、夏木マリ、EGO-WRAPPIN'、川井郁子、中島ノブユキ、カルロス・アギーレ、東京交響楽団と共演。NHK「八重の桜」、映画「そこのみにて光輝く」をはじめ様々な録音に参加、繊細な表現には定評がある。ジャノタンゴ、三枝伸太郎Orquesta de la Esperanza、大柴拓カルテットなど数多くの楽団に参加、活動中。

三枝伸太郎(ピアノ)
1985年神奈川県出身。東京音楽大学大学院音楽科作曲専攻修了。アルゼンチンタンゴのピアニストとして 2008年よりバンドネオン奏者、小松亮太氏のコンサート・ツアー、レコーディングに参加。その後、タンゴのみならずジャズ、ポップス、ブラジル音楽など様々なジャンルで活躍。また、作曲家として、シンガーへの楽曲提供、映画音楽、舞台作品への作曲と演奏での参加など数多く手掛ける。近年は坂東玉三郎のコンサート音楽監督、劇作家・演出家点女優渡辺えりの舞台音楽、NHKBS8K「国宝へようこそ」音楽担当など。

田辺和弘(コントラバス)
クラシック、アルゼンチンタンゴ、即興演奏などで活動するベーシスト。東京芸術大学在学中からタンゴと出会い、本国アルゼンチンの若手からタンゴ全盛時代のミュージシャンとも多く共演している。即興演奏の第一人者故齋藤徹氏と出会い大きな影響を受け、共演をきっかけに様々なジャンルでも即興的なアプローチを試みている。喜多直毅クアルテットや様々なタンゴバンドに継続的に参加しつつ、ジャンルに関係なくその音楽自体の持つエネルギーを表現するべく模索、活動している。
このライヴでも、ヤマシンさんデザインのフライヤーをそのままプリントしたポスター(A2とB2サイズ)とオリジナルクリアファイルを販売いたします。
ぜひお買い求めください!
それでは2/4(金)、新宿ピットインでお待ちしています!

2021年12月16日木曜日

オリジナルグッズ発売・12/18(土)夜、12/19(日)午後は喜多直毅クアルテット@公演通りクラシックス

喜多直毅クアルテット・オリジナルグッズ
喜多直毅オリジナルグッズ!
デザイナー・山田真介さんによるフライヤーをそのままクリアファイルとポスターにしました。
ライヴ会場にて限定販売。


活動開始10周年ということで喜多カル・オリジナルクリアファイルとポスター(A2とB2)を作りました!

今度の土日のライヴで発売致します。

喜多カルのフライヤーデザインをいつもお願いしている山田真介さん。
その作品からは喜多カルの音楽が聴こえてくる…。
このかっこいいフライヤーがそのままクリアファイルやポスターになっているなんて、僕自身感激です!
ぜひぜひお求め下さい!


いよいよ今度の土日は公演当日。
もちろん新曲もあります(二曲)。
そして作って間もない『街角の女たち』、『空爆のテーマ』も演奏します。

『街角の女たち』は今年2/26に行われた『池袋ネガフィルム』というコンセプチュアルなコンサートのために作りました。
戦後間もない池袋。
そこで春をひさぐ女たち(パンパンガール)をイメージしています。

さて今年は喜多カル結成10周年です。
10周年とはいえ、記念的なホール公演は行いませんでした。
コロナ禍の真っ最中であり、僕自身、他のことで思いのほか忙しくなっていたからです。
しかし喜多カルの活動が減ったことにより、逆にこのバンドのことを落ち着いて考えられました。

一体このバンドで自分が何をしたいのか。
メンバーの三人と共にどんな音楽を作りたいのか。

10年前と比較して、僕もメンバーも大きく変わっていると思います。
それはただ歳を重ねただけではなく、演奏の経験値が増し、音楽に対して透徹した『イズム』を持ったということ。。
ざっくり言えば音楽家力、演奏家力、そして人間力が増したというではないかと思います。
北村、三枝、田辺の各氏は、今やシーンの最前線で大活躍をしており、それぞれが自分の世界を持って聴衆の前に立っています。
彼らの表現力はまさに強靭とも言えますが、実のところ、これはリーダー&作曲家である僕にとってはなかなか手強く、プレッシャーでもあるのです。

何とか負けないように頑張らないと、と思っていますが、ある意味もう負けているのかもしれません。
しかしあるゆる意味での『負け』の多さ、これまでに味わった挫折とか過ちとか屈辱みたいなものは彼らに引けをとらないと思っています、ちょっとずるいけど。
そうか、こんな事柄を音楽にすれば良いんだ。
否、もともと喜多カルの音楽の源泉はここ以外にはなかったはずで、10年間その暗い地下水脈から音楽を汲み上げてきたとも言えるのです。

今後の喜多カルは、この素晴らしい音楽力を備えた三人と共に、さらにパワーアップしていくに違いありません。
矢沢永吉さんの歌に『黒く塗りつぶせ』という歌があります。
歌そのものはちょっと置いておいて、このタイトルがなぜか良く浮かびます。

もっと黒く、もっと鋭く、もっと激しく。
人生を睨むように。

そうありたいものです。


喜多直毅クアルテット2days公演『悲歌 ~エレジー~』沈黙と咆哮の音楽ドラマ

出演:喜多直毅クアルテット
   喜多直毅(作曲・ヴァイオリン)
   北村聡(バンドネオン)
   三枝伸太郎(ピアノ)
   田辺和弘(コントラバス)
内容:オリジナル作品

日時:2021年12月18日(土) 19:00開場/19:30開演
      12月19日(日) 14:30開場/15:00開演
会場:公園通りクラシックス(渋谷)
   〒150-0042東京都渋谷区宇田川町19-5
   東京山手教会B1F
   03-6310-8871
   ※JR・東京メトロ・東急線・京王井の頭線渋谷駅下車徒歩8分

◉入場料:
・どちらか1日分のご予約¥4,000
・2日連続予約¥7,500(12月18日のご来場時に¥4,000、翌12月19日に¥3,500を申し受けます)
・当日(両日とも)¥4,500
●2日連続予約は12月17日(金)までにお願い致します
●12月18日(土)に翌日12月19日(日)のご予約を頂いた場合は¥4,000を申し受けます。

・メールでのお申し込み:violin@nkita.net(喜多)
 メールタイトルは「喜多クアルテット12月予約」、メール本文に「代表者氏名、人数、連絡先電話番号、ご予約希望の公演日付」を必ずご記入の上、お申し込みください。
・電話でのお申し込み  Tel:03-6310-8871(公園通りクラシックス)
●小学生以下のお子様はご入場頂けない場合がございます。

*コロナウィルス対策
本公演では開演前と終演後に感染防止対策として換気、会場入口での手指の消毒、検温を実施いたします。また、お客様にはマスクの着用や咳エチケット等にご協力いただきますよう、お願い申し上げます。なお、感染の状況によってはやむを得ず公演を中止する場合があります。会場Website、喜多直毅Website、また出演者SNS等で開催をご確認の上お出かけください。
公園通りクラシックス(渋谷)http://koendoriclassics.com
喜多直毅Website https://www.naoki-kita.com
喜多直毅クアルテットFacebookページ https://www.facebook.com/naokikita4/

感情やエナジーのとめどない奔流、それと対を成す出し抜けの抑止と意識層の急激な切り替わり―タンゴを重要なベースとするこのクァルテットがはらむのは、凍てつくような寒さと紙一重の熱。深層から絞り出されるメロディの儚(はかな)さはリアリティへの絶望を映す鏡だ。なぜ沈黙や郷愁の残滓に心震えるのか。それを意識して改めて気づく薄ら寒い現況がある。
文章:伏谷佳代
2021年1月2日 JazzTokyo このパフォーマンス2020 No.273 #01 喜多直毅クァルテット『異土』

【喜多直毅クアルテット・プロフィール】
2011年、ヴァイオリニスト喜多直毅によって結成された四重奏団。演奏される楽曲は全て喜多のオリジナル作品であり、その出自とも言うべきアルゼンチンタンゴからフリージャズ、即興演奏、現代音楽まで、様々な要素を呑み込んで再構築された、比類なき音楽である。ロシア音楽を彷彿とさせる濃厚な旋律と共に、日本の伝統音楽に通ずる“間”の感覚を併せ持った彼らの音楽は、その深い精神性を高く評価されている。
4人のメンバーはそれぞれの楽器における国内屈指のタンゴ奏者と目されつつ、卓越した実力により、ジャンルを超えてシーンの最先端で活躍している。この4人においてこそ実現する超絶なる表現が、聴衆の気魂を揺さぶり“ドゥエンデ(Duende)”を呼び醒ます。

喜多直毅(作曲・ヴァイオリン)
1972年岩手県出身。国立音楽大学卒業後、英国にて作編曲を、アルゼンチンにてタンゴ奏法を学ぶ。現在は即興演奏やオリジナル楽曲を中心とした演奏活動を行っている。タンゴに即興演奏や現代音楽の要素を取り入れた“喜多直毅クアルテット”の音楽は、その独創性と精神性において高く評価されている。他に翠川敬基、黒田京子、齋藤徹等、国内を代表する即興演奏家との演奏と録音、また邦楽・韓国伝統音楽奏者・ダンサーとの共演も数多い。欧州での演奏も頻繁に行なっている。作家の高樹のぶ子の朗読舞台でも演奏と作曲を行なっている。ソングライターとしては上條恒彦に作品提供(敬称略)。

北村聡(バンドネオン)
関西大学在学中にバンドネオンに出合い小松亮太に師事、ブエノスアイレスではフリオ・パネのレッスンを受ける。世界各国のフェスティバルで演奏。これまでに鈴木大介、舘野泉、波多野睦美、夏木マリ、EGO-WRAPPIN'、川井郁子、中島ノブユキ、カルロス・アギーレ、東京交響楽団と共演。NHK「八重の桜」、映画「そこのみにて光輝く」をはじめ様々な録音に参加、繊細な表現には定評がある。ジャノタンゴ、三枝伸太郎Orquesta de la Esperanza、大柴拓カルテットなど数多くの楽団に参加、活動中。

三枝伸太郎(ピアノ)
1985年神奈川県出身。東京音楽大学大学院音楽科作曲専攻修了。アルゼンチンタンゴのピアニストとして 2008年よりバンドネオン奏者、小松亮太氏のコンサート・ツアー、レコーディングに参加。その後、タンゴのみならずジャズ、ポップス、ブラジル音楽など様々なジャンルで活躍。また、作曲家として、シンガーへの楽曲提供、映画音楽、舞台作品への作曲と演奏での参加など数多く手掛ける。近年は坂東玉三郎のコンサート音楽監督、劇作家・演出家点女優渡辺えりの舞台音楽、NHKBS8K「国宝へようこそ」音楽担当など。

田辺和弘(コントラバス)
クラシック、アルゼンチンタンゴ、即興演奏などで活動するベーシスト。東京芸術大学在学中からタンゴと出会い、本国アルゼンチンの若手からタンゴ全盛時代のミュージシャンとも多く共演している。即興演奏の第一人者故齋藤徹氏と出会い大きな影響を受け、共演をきっかけに様々なジャンルでも即興的なアプローチを試みている。喜多直毅クアルテットや様々なタンゴバンドに継続的に参加しつつ、ジャンルに関係なくその音楽自体の持つエネルギーを表現するべく模索、活動している。



2021年12月5日日曜日

12/18(土)19(日)喜多直毅クアルテット2days公演『悲歌 ~エレジー~』沈黙と咆哮の音楽ドラマ

実は今年は喜多直毅クアルテット結成10周年なのでした。
コロナによる大騒ぎで僕も思うように身動きが取れず、華々しく10周年を記念するようなイベントも開催出来ぬまま、もうすぐ2021年も終わろうとしています。
しかし小さくても何か記念に残るようなものをと思い、喜多直毅クアルテット・オリジナルクリアファイルとポスター(A2版/B2版)を作りました。

思えば喜多クアルテットの10年間の歩みは、一回ごとにフライヤーを作って下さったデザイナー・山田真介さんとの歩みだったと申し上げても過言ではありません。
ヤマシンさんには毎回公演テーマに沿ったフライヤーを作って頂きましたが、どれも保存しておきたくなるようなカッコいいデザイン!
お客様の中にもお気に入りをコレクションしている方がいらっしゃると伺っております。

12/18(土)と19(日)に行われる喜多カルライヴでは、そんなヤマシンさんのフライヤーデザインをバシッとプリントしたクリアファイル(3種類)とポスター(2種類)をお求め頂けます。
もちろんライヴ会場限定発売!
これはもうライヴにいらっしゃるしかありません!!!

それに加えてシェアした写真で手にしているのは、ヤマシンさんのデザインではなく、僕が猛烈なわがままを言って作ってもらった“特製コックリさん文字盤クリアファイル”です。


裏には演奏中の喜多カルの勇姿がプリントされています。
日頃必要な書類をこのクリアファイルに入れて持ち歩けば、会社でも学校でも、好きな時にコックリさんが楽しめますね。
(10円玉はついていません。)

実はこの文字盤、僕が書いたのですが、書いている最中ゾッと鳥肌が立ったり妙に怖くなったりしました。
僕は霊を吸い寄せやすい体質なので、こう言うものを取り扱うのは避けるように霊能者から言われています。
でもせっかくの10周年記念なので、我慢して書きました。
コックリさんをやる時は憑依されないように気をつけてください。
そもそも霊をおもちゃにしてはいけません。

てなわけで、12/18(土)と19(日)は是非会場へお越しください!
演奏とグッズ、両方ともお楽しみ頂けますと幸いです。

喜多直毅クアルテット2days公演『悲歌 ~エレジー~』沈黙と咆哮の音楽ドラマ

喜多直毅クアルテット2days公演『悲歌 ~エレジー~』沈黙と咆哮の音楽ドラマ

出演:喜多直毅クアルテット
   喜多直毅(作曲・ヴァイオリン)
   北村聡(バンドネオン)
   三枝伸太郎(ピアノ)
   田辺和弘(コントラバス)
内容:オリジナル作品

日時:2021年12月18日(土) 19:00開場/19:30開演
      12月19日(日) 14:30開場/15:00開演
会場:公園通りクラシックス(渋谷)
   〒150-0042東京都渋谷区宇田川町19-5
   東京山手教会B1F
   03-6310-8871
   ※JR・東京メトロ・東急線・京王井の頭線渋谷駅下車徒歩8分

◉入場料:
・どちらか1日分のご予約¥4,000
・2日連続予約¥7,500(12月18日のご来場時に¥4,000、翌12月19日に¥3,500を申し受けます)
・当日(両日とも)¥4,500
●2日連続予約は12月17日(金)までにお願い致します
●12月18日(土)に翌日12月19日(日)のご予約を頂いた場合は¥4,000を申し受けます。

・メールでのお申し込み:violin@nkita.net(喜多)
 メールタイトルは「喜多クアルテット12月予約」、メール本文に「代表者氏名、人数、連絡先電話番号、ご予約希望の公演日付」を必ずご記入の上、お申し込みください。
・電話でのお申し込み  Tel:03-6310-8871(公園通りクラシックス)
●小学生以下のお子様はご入場頂けない場合がございます。

*コロナウィルス対策
本公演では開演前と終演後に感染防止対策として換気、会場入口での手指の消毒、検温を実施いたします。また、お客様にはマスクの着用や咳エチケット等にご協力いただきますよう、お願い申し上げます。なお、感染の状況によってはやむを得ず公演を中止する場合があります。会場Website、喜多直毅Website、また出演者SNS等で開催をご確認の上お出かけください。
公園通りクラシックス(渋谷)http://koendoriclassics.com
喜多直毅Website https://www.naoki-kita.com
喜多直毅クアルテットFacebookページ https://www.facebook.com/naokikita4/

感情やエナジーのとめどない奔流、それと対を成す出し抜けの抑止と意識層の急激な切り替わり―タンゴを重要なベースとするこのクァルテットがはらむのは、凍てつくような寒さと紙一重の熱。深層から絞り出されるメロディの儚(はかな)さはリアリティへの絶望を映す鏡だ。なぜ沈黙や郷愁の残滓に心震えるのか。それを意識して改めて気づく薄ら寒い現況がある。
文章:伏谷佳代
2021年1月2日 JazzTokyo このパフォーマンス2020 No.273 #01 喜多直毅クァルテット『異土』

【喜多直毅クアルテット・プロフィール】
2011年、ヴァイオリニスト喜多直毅によって結成された四重奏団。演奏される楽曲は全て喜多のオリジナル作品であり、その出自とも言うべきアルゼンチンタンゴからフリージャズ、即興演奏、現代音楽まで、様々な要素を呑み込んで再構築された、比類なき音楽である。ロシア音楽を彷彿とさせる濃厚な旋律と共に、日本の伝統音楽に通ずる“間”の感覚を併せ持った彼らの音楽は、その深い精神性を高く評価されている。
4人のメンバーはそれぞれの楽器における国内屈指のタンゴ奏者と目されつつ、卓越した実力により、ジャンルを超えてシーンの最先端で活躍している。この4人においてこそ実現する超絶なる表現が、聴衆の気魂を揺さぶり“ドゥエンデ(Duende)”を呼び醒ます。

喜多直毅(作曲・ヴァイオリン)
1972年岩手県出身。国立音楽大学卒業後、英国にて作編曲を、アルゼンチンにてタンゴ奏法を学ぶ。現在は即興演奏やオリジナル楽曲を中心とした演奏活動を行っている。タンゴに即興演奏や現代音楽の要素を取り入れた“喜多直毅クアルテット”の音楽は、その独創性と精神性において高く評価されている。他に翠川敬基、黒田京子、齋藤徹等、国内を代表する即興演奏家との演奏と録音、また邦楽・韓国伝統音楽奏者・ダンサーとの共演も数多い。欧州での演奏も頻繁に行なっている。作家の高樹のぶ子の朗読舞台でも演奏と作曲を行なっている。ソングライターとしては上條恒彦に作品提供(敬称略)。

北村聡(バンドネオン)
関西大学在学中にバンドネオンに出合い小松亮太に師事、ブエノスアイレスではフリオ・パネのレッスンを受ける。世界各国のフェスティバルで演奏。これまでに鈴木大介、舘野泉、波多野睦美、夏木マリ、EGO-WRAPPIN'、川井郁子、中島ノブユキ、カルロス・アギーレ、東京交響楽団と共演。NHK「八重の桜」、映画「そこのみにて光輝く」をはじめ様々な録音に参加、繊細な表現には定評がある。ジャノタンゴ、三枝伸太郎Orquesta de la Esperanza、大柴拓カルテットなど数多くの楽団に参加、活動中。

三枝伸太郎(ピアノ)
1985年神奈川県出身。東京音楽大学大学院音楽科作曲専攻修了。アルゼンチンタンゴのピアニストとして 2008年よりバンドネオン奏者、小松亮太氏のコンサート・ツアー、レコーディングに参加。その後、タンゴのみならずジャズ、ポップス、ブラジル音楽など様々なジャンルで活躍。また、作曲家として、シンガーへの楽曲提供、映画音楽、舞台作品への作曲と演奏での参加など数多く手掛ける。近年は坂東玉三郎のコンサート音楽監督、劇作家・演出家点女優渡辺えりの舞台音楽、NHKBS8K「国宝へようこそ」音楽担当など。

田辺和弘(コントラバス)
クラシック、アルゼンチンタンゴ、即興演奏などで活動するベーシスト。東京芸術大学在学中からタンゴと出会い、本国アルゼンチンの若手からタンゴ全盛時代のミュージシャンとも多く共演している。即興演奏の第一人者故齋藤徹氏と出会い大きな影響を受け、共演をきっかけに様々なジャンルでも即興的なアプローチを試みている。喜多直毅クアルテットや様々なタンゴバンドに継続的に参加しつつ、ジャンルに関係なくその音楽自体の持つエネルギーを表現するべく模索、活動している。

2021年11月27日土曜日

12/4(土)共有し、共生し共鳴する新しい祝祭空間 〜今様神楽〜 邦楽・洋楽・民族音楽と舞踊・コンテンポラリーダンス ジャンルを超えて織りなすカレードスコープ

12/4(土)に北千住で行われるパフォーマンスです!
出演者はダンサーと演奏家で合計12名の大所帯!
構成・演出・作曲は様々なジャンルで大活躍中のパーカッション奏者・和田啓さんです。
公演タイトルに『共有し、共生し共鳴する新しい祝祭空間』とありますが、和田さんのアイディアを土台に出演者がそれぞれの力を出し合い、一つの豊かな場が生まれるに違いないと思っています。
公演では、時間軸の上で演奏者や踊り手を変えた即興パフォーマンスが繰り広げられます。
それぞれの場面には意味性がありはするものの、公演当日でなければ生まれない強い集中力によって、筋書き通りではない展開も期待できるのではないでしょうか。
北千住は思いの外、都心からのアクセスが良い街です。
会場も駅の目の前!
どうぞお誘い合わせの上、お越しください!

今様神楽


共有し、共生し共鳴する新しい祝祭空間
〜今様神楽〜
邦楽・洋楽・民族音楽と舞踊・コンテンポラリーダンス
ジャンルを超えて織りなすカレードスコープ

日時:2021年12月4日(土) 18:30開場/19:00開演
会場:足立区立文化芸術劇場シアター1010・10Fミニシアター(北千住)
   東京都足立区千住3-92 千住ミルディスⅠ番館 10F

料金:前売り¥4,500/当日5,000円
ご予約・お問い合わせ:
   オフィス・ティルタ
   TEL&FAX 050-1148-8264
   Mail:imfo@beravomusic.com

出演
坂東冨起子(日本舞踊)
松重貢一郎(バリ舞踊) 
JOU(ダンス)  
木村由(ダンス)  
矢萩竜太郎(ダンス)  

田辺頌山(尺八)   
山野安珠美(箏)    
喜多直毅(ヴァイオリン) 
松本泰子(ヴォイス)
安藤亮輔(ベース)
濱元智行(パーカッション)
山下由紀子(パーカッション)

和田啓(構成・演出・作曲)

11/28喜多直毅(ヴァイオリン)西嶋徹(コントラバス)@Cafe Beulmans(成城)

最近思うこと。

心は若いつもりですが一応“大人”として見られる年齢になりました。


何年も前に『大人が本気で遊ぶとこうなる』みたいな即興パフォーマンスに参加させて頂いたことがあり、僕よりもずっと年上の出演者の方々(演奏・ダンス・ライヴペインティング)が率先して遊び始めた時、僕は為すすべもなくステージの片隅で置いてけぼりになっていたのです。

ホント、あれは凄いエネルギーでした。


ここ一年ほど西嶋徹さんとの即興演奏を重ねていますが、彼とはそんな『本気で遊ぶこと』が出来るのではないかと感じています。

否、やっと入り口に至ったばかりかも知れません。

しかし西嶋さんとのデュオではどんな馬鹿げたこともトライでき、とてもとても楽しいです。

逸脱も崩壊もある。


大人になるって、案外バカな子供になることなのかも知れないし、自由に振る舞えることなのかも知れません。

ファミリーレストランで親に『お父さんとお母さん、どうやって僕を産んだの?』とか大声で訊いてる子供。


出演:喜多直毅(ヴァイオリン)

   西嶋徹(コントラバス)

内容:即興演奏


日時:2021年11月28日(日) 14:30開場/15:00開演

会場:Cafe Beulmans(成城)

   

   東京都世田谷区成城6-16-5

   カサローザ成城2F

   03-3484-0047


料金:3,300円+2drinks order

予約:03-3484-0047 

   info.cafebeulmans@gmail.com


喜多直毅(ヴァイオリン)西嶋徹(コントラバス)


2021年11月18日木曜日

11/21日曜日は汐留ホール(新橋)にて喜多直毅&黒田京子デュオ!!!

 このデュオはもう十年以上、活動を継続しております。

演奏は東京が中心ですが、数年おきに全国各地へツアーを行っています。
今まで何人の方が我々の演奏に触れてくださったのだろう。
そしてCDを聴いてくださったのだろう。
そう考えると何だか感慨深いものがあります。

このところはコロナ禍で活動も控えめでした。
それと黒田さんにも僕にも人生の節目とか大きな出来事があったり、ライフスタイルにも変化がありました。
社会にも個人生活にも色々な波が押し寄せてくる。
そしてどんどんその有様が変わっていく。
何か大きなものに翻弄されているような気さえします。

そんな中、どんな音楽作りをしていくか。
これはいつも考えていることなのですが、ちょっと前から『どんな音楽を聴いていくか』ということも考え始めました。
引きこもり的な性格なので、どうもインプットが少ない。
アウトプットばっかり。
これでは枯渇してしまうので、やっぱり人様のライヴに行ったり、ネットで音楽を聴いた方が良いのかなと思っています。

でも基本的に『自分がやりたい音楽』って『自分が聴きたい音楽』なのでは?
もちろん両者がそのまま直結しないこともあるけど、基本的には今の自分が求めている音楽を具現化するような創作が理想です。

それは自分で自分用にシャツやスーツを仕立てるのと似ているかも知れません。
自分のサイズに合わせてあるので身体にジャストフィット。
生地も選べるし、デザインも自分で出来ますよね。
あとは太らないように気をつけるだけです。


そのような形で協働出来るのが黒田さん。
今回はそれぞれのオリジナル曲も新たに作りました。
もちろんCDの収録曲も演奏いたします。

そろそろお席も埋まって参りました。
ご予約のお済みでない方、どうぞお早めに!

喜多直毅&黒田京子デュオコンサート『声を聴く』

喜多直毅&黒田京子デュオコンサート『声を聴く』

出演:喜多直毅(ヴァイオリン)
   黒田京子(ピアノ)
内容:オリジナル作品、ヨーロッパ大戦中の歌、昭和歌謡、他

日時:2021年11月21日(日) 13:30開場/開演14:00(終演予定16:00)
   東京都港区東新橋1-7-2 汐留メディアタワーアネックス1F
   Tel:03-6255-4104
   
(交通)
・都営地下鉄大江戸線「汐留駅」エレベーターFの1階から徒歩1分
・新交通ゆりかもめ「汐留駅」東出口から徒歩1分
・JR、東京メトロ・都営地下鉄「新橋駅」南改札汐留口より徒歩約7分

料金:前売4000円、当日4500円 
   全席自由、40席限定

チケット取り扱い:メールでのご予約:violin@nkita.net(喜多)
メールタイトルは「喜多&黒田デュオ 11/21予約」、メール本文に、代表者氏名、ご予約枚数、連絡先電話番号(緊急連絡時にのみ使用させていただきます)を必ずご記入の上、お申し込みください。

イープラス https://eplus.jp/

お問い合わせ:ソムニアーレムジカ
somniare.musica@gmail.com 090-9852-3323(大江)

*限定40席(2021年8月末時点)となりますので、必ずご予約ください。

*新型コロナウィルス対策
本公演では感染防止対策として換気、会場入口での手指の消毒、検温を実施いたします。また、お客様にはマスクの着用や咳エチケット等にご協力いただきますよう、お願い申し上げます。なお、感染の状況によってはやむを得ず公演を中止する場合があります。そのほか、汐留ホールのwebもご参照ください。

主催:ソムニアーレムジカ
協力:ORT Music

【プロフィール】
喜多直毅、黒田京子による、ヴァイオリンとピアノのデュオ。

喜多直毅(vn)&黒田京子(pf)デュオは、10年以上にわたって全国各地で演奏活動を行っている。それぞれのオリジナル楽曲のほか、映画音楽、シャンソン、昭和歌謡などを、即興演奏を取り入れて演奏し、クラシックでもジャズでもない新しいサウンドは、年齢を問わず、幅広い世代の人々の心を震わせている。

強烈に心に突き刺さる漆黒の音塊と痛切なノイズを伴いながら、ヴァイオリンは情趣に富んで歌い、ピアノは色彩豊かに情景を描く。楽器本来の音色はもとより、さらなる響きの可能性を追求し続ける2人ならではの音楽世界は、大胆な編曲とインプロヴィゼイションによって、ドラマティックに展開して行く。

言葉になる以前の声に耳を澄まし、その思いを奥深いところから汲み上げて生み出される音楽は、時に強く、時にやさしく、人々の心を打つ。

時代に流されることなく、「心に深く届く音楽」を奏で続けるデュオとしてまさに唯一無二である。

これまでにアルバム3作品を制作。
『空に吸はれし心』(2008年)
『愛の讃歌 ~Hymne a l amour~』(2014年)
『残された空』(2019年)





2021年7月5日月曜日

伊藤芳輝さん

Violin喜多直毅+Guitar伊藤芳輝
2017年11月16日船橋市市民文化創造館(きららホール)


ご存知の方も多いかと存じますが、ギタリストの伊藤芳輝さんが天に召されました。

僕がそのことを知ったのは三日前。
以前から病気を患っていらしたのは存じておりましたが、ネットで多くの方が伊藤さんが亡くなったと書いていらしたのを見て本当に他界されたのだと知りました。

伊藤さんと初めてお会いしたのは僕がまだ二十代前半の頃だったかと思います。
四谷三丁目のバーでした。
友人のピアニストが伊藤さんと親しくて、彼女の夜店の仕事(酒場のピアノ弾き)が終わった後、伊藤さんの仕事場のバーに僕を誘ったのです。
伊藤さんは閉店後のバーでギターを取り出し、始発電車までフラメンコやボサノヴァを弾いてくれました。
ジャズやフラメンコや…その他様々な音楽をフュージョンさせて、新しい音楽を作り出す。
そんな人がいるんだなぁ、カッコいいなぁと思いました。

その後、何年もして僕がライヴハウスなどに出るようになり、オリジナル曲を作ったりジャズめいたアドリブ(?)をするようになって、思い切って伊藤さんに一緒に弾いてくださいとお願いしたところ快く引き受けて下さいました。
記憶に間違いがなければ、その場所は大塚のGrecoという小さな店だったと思います。
当時Grecoはまだ二階のバースペースのみで、ウイスキーを飲みながらアットホームな雰囲気の中、間近で演奏を楽しめる大人の空間でした。

このライヴ以降、伊藤さんは色々な仕事に僕を誘ってくださいました。
クッソ生意気でそのくせ演奏は半人前の僕を、です。
伊藤さんの引き合わせによる出会いもありました。
ミュージシャン、お客さん、会場等々。
そして一期一会の“演奏”との出会い。
伊藤さんは日毎夜毎のステージ上の音楽との出会いを作ってくれた先輩演奏家の一人でした。
僕には多くの学びの機会でした。

しかし結局僕はフラメンコのコンパスが分からず仕舞いで、伊藤さんのフラメンコソロやオリジナル曲に合いの手を入れたり同時に終わったりすることが出来ませんでした。
極度のリズム音痴。
いえ、ただの勉強不足で恥いるばかりです。

とにかく、伊藤さんのギターソロは本当に素晴らしかった。
ため息から始まって次第に言葉が増え饒舌になっていく。
やがてどんどんテンポが早くなり、一点に向けて加速していく。
それは猛禽が翼を広げて空に舞い上がる様を思わせました。

伊藤さんは僕のCDにも参加して下さいました。
『兄と妹』というオリジナル曲では素晴らしい演奏をして下さっており、この曲はもはや伊藤さんのギターなしでは成立しないと言って過言ではありません。
全身土埃に塗れた兄と妹が荒野を行く。
不安と悲しみとほんの少しの希望を抱いて太陽に向かって歩き続ける兄妹の姿が、伊藤さんのギターの音に浮かび上がってきます。
これは作曲者としての個人的な印象・感想であって、リスナーに対して『こう聴いて欲しい』という要望ではありません。
しかし描いているものが兄妹の姿であっても、完全に別なものであっても、伊藤さんのギターは胸に何かを喚起させる。
そこが素晴らしいし、演奏家としての実力が無ければどんなファンタジーも聴く人に感じさせられないと思うのです。
(このCDをリリースして、伊藤さんとパーカッションのクリストファー・ハーディさんと岩手県や秋田県でライヴを行ったこともあります。)

その後、何年もして、僕は体調を崩し活動を一時中断しました。
活動再開後は少し伊藤さんと疎遠になってしまいました。
当時僕は自分のバンドの活動や即興演奏に力を注いでおり、音楽性も療養前と大きく変わっていったからです。
しかし伊藤さんがメインとするスパニッシュコネクションの他に別のリーダーバンドやビートルズを演奏する弦楽四重奏団で精力的に活動なさっていることは伝え聞いておりました。
また重い病気に罹りながらもご自身の理想とする音楽を追求し続けている姿を知り、大変心打たれました。

数年前からまた伊藤さんにお声がけして、一緒に演奏していただくようになりました。
伊藤さんからもお誘い頂けたことを今でも嬉しく思っています。
実はここ数ヶ月、また伊藤さんをお誘いして一緒に演奏したいなと思っていたのです。
残念ながらそれは叶いませんでした。

最後にご一緒した時(2020年7月18日)、打ち上げの席で、あることを相談しました。
相談と言うよりも単なる僕の愚痴だったかもしれません。
その頃、僕はあることについて迷い逡巡していたのです。

僕の話を聞いて、「自分が感じていること、それに正直になって羅針盤にしていけば良いんだよ」と伊藤さんは言ってくれました。
もっと違う言い方だったかも知れないけど、僕は以上のように受け取りました。
実は伊藤さんからこんな言葉を頂いたのはこれが初めてだったのです。
仕事や人生の指針のような言葉です。
長年にわたり第一線で活動し続け、重い病と闘いながらそれでも音楽を追求し続けた伊藤さんは、“本当の言葉”をたっぷりお持ちだったに違いありません。
もっと色々なことを相談すれば良かった。

こんなことを言っては大変失礼だし不謹慎かも知れない。
ご遺族や僕よりももっと伊藤さんと親しかった方々もいらっしゃいますし、皆さんの悲しみは想像をはるかに超えるものです。

ただ敢えて申し上げますと、誰かが亡くなると僕は『ちゃんと生きよう』と思う。
まさに襟を正さずにはいられない。
恥ずかしくない生き方をしなければならないし、もっと良い仕事をしなくてはと思う。
齋藤徹さんが亡くなった時もこんなふうに思いました。
人を愛することや苦しみとの闘いを経て一生を全うした方を思う時、やっぱり自分もそんなふうに生きて死にたいと思うものではありませんか?

命は必ず終わる。
しかし残された者たちは死について思う時、己の生き方を見つめ直し、これからの人生に新しい眼差しを向ける。
これはとても尊い。
もしかしたら誰かを見送ることは人生の中でもっとも尊い体験かも知れません。

どうぞ伊藤さんの魂が安らかでありますように。
天国でもギターを奏で、冗談を言い、そして大切な人たちを見守り続けますように。

2021年2月20日土曜日

2/26喜多直毅クアルテット『池袋ネガフィルム』:都市(まち)の心を描きたい。

喜多直毅クアルテット
喜多直毅クアルテット
喜多直毅(作曲・ヴァイオリン)北村聡(バンドネオン)
三枝慎太郎(ピアノ)田辺和弘(コントラバス)
2020年1月24日@公園通りクラシックス(東京)

都市(まち)は人の集合体。都市は思い、考える。

今でこそ若者の間で『東京・住みたい街』ランキングの上位に吉祥寺と並んでその名が上がる池袋。
デパートが二つもあり、ちょっと路地に入ればお洒落なカフェやレストラン。
かつて文士の暮らした洋館、大学には蔦の絡まるチャペル、少し歩くと懐かしさ漂う雑司ヶ谷や鬼子母神の界隈…。

しかし数十年前まではちょっと暗くて怖くていかがわしい雰囲気の漂う街でした。
新宿や渋谷や銀座など東京の主な繁華街の中、上野と同様にいつまでも戦後とか昭和が抜け切らず、それが一種の『垢抜けなさ』を醸し出していたのかも知れません。
しかしそこが強烈な魅力でもありました。

池袋東口を背にして真っ直ぐ歩く。
すると東池袋のあたりにはボロボロの住宅やアパートが立ち並んでいました。
バラックのような長屋もあったと記憶しています。
平成を迎えた、僕が大学生の頃です。
その街並みはもう一部分を残してほぼ消滅してしまいました。

昔、『巣鴨の母』という映画を見ました。
戦犯容疑をかけられた息子とその老母の物語です。
老母が巣鴨拘置所(現在のサンシャイン池袋)へとぼとぼと歩いて行くシーンがあり、大変印象に残っています。
そこは荒涼とした埃っぽい道。
今の池袋からは想像も出来ません。
実際、戦犯として捉えられた家族・友人・恋人に会うために、何人もの人があの風景の中を歩いたのだと思います。

池袋に限らず、都市というものはどんどん変わっていきます。
しかしここで順序を逆に考えてみたい。
都市が変わったのではなく、人々が変わったのだと。
人々の考え方、生き方、行動が変化して、都市の様子が変わった。
至極当然、何を今更。
当たり前と言えば当たり前ですが、僕にとっては何だか新鮮な発想の順序でした。

では、池袋という都市は、人々の生き様やその移り変わりをどのように見て考えて来たのか。
人々の変化に何を思い感じて来たのだろうか。
そのような問いが新たに生まれました。

その問いに一つの答えを見つけるために、喜多クアルテットの音楽を用いたいと思います。
これまでこのグループでは、潮流というものに流されず、社会や人間のテーマを内包する音楽作りを貫いて来ました。
フランスのシャンソンには『現実派シャンソン chanteuses réalistes』というカテゴリーがあるそうですが、喜多クアルテットの音楽も無理矢理そこに入れさせて頂きたいと思います。
生きるための格闘、善悪の境界、暗い熱情、彷徨者。
そういったものを音楽を通して描いて来ましたが、今回も戦後の巷の『熱を帯びた灰色』のイメージにフィットする音楽が出来るのではないかと思っています。
それがまさに池袋が見つめてきた人々の姿でもあるはずです。

現代の華やかな池袋を皆さん、ご存知です。
『住みたい街ランキング』のトップにも輝く池袋。
そこに喜多クアルテットの音楽を響かせてみたい。

立ち現れるものは?

若者たちがショッピングを楽しむ通りにはかつて闇市が立ち並び、生きることに必死の人たちが押し合いへし合いしていた。
デートの待ち合わせをしている駅の階段。
そこには戦災孤児や傷痍軍人が虚な眼をして座り込んでいた。
勤め帰りのサラリーマン達が向かう風俗街には、かつて街灯の下たたずむ未亡人達がいた。
昔、春をひさぐ女たちは『こんな女に誰がした』と歌いました。
現代の女性達は何と歌うでしょう。

お越しの皆さんが今回の演奏を聴いて、脳裏に現代の池袋の上に戦後昭和の池袋をセロファンのように重ねて下さると幸いです。
そして歳月の中、行き交う人々と彼・彼女を見守り続ける“都市の心”を思いめぐらせていただければ大変嬉しく思います。
過去と現在を思うとき、必然的に未来も想像できると思います。
コロナ禍ですっかり様変わりした現代の日本社会。
その中でこの公演を行うことにも、また一つの意義があるように感じてなりません。

皆さん、2/26はどうぞ池袋へお越しください!

喜多直毅クアルテット『池袋ネガフィルム』 ~戦後昭和の残像~ オリジナルタンゴで描く都市(まち)のカオスと孤独
喜多直毅クアルテット『池袋ネガフィルム』 ~戦後昭和の残像~
オリジナルタンゴで描く都市(まち)のカオスと孤独
2021年2月26日
としま区民センター


喜多直毅クアルテット
『池袋ネガフィルム』 ~戦後昭和の残像~ 
オリジナルタンゴで描く都市(まち)のカオスと孤独

出演:喜多直毅(作曲・ヴァイオリン)
   北村聡(バンドネオン)
   三枝伸太郎(ピアノ)
   田辺和弘(コントラバス)
内容:タンゴを土台としたオリジナル楽曲

日時:2021年2月26日(金) 18:00開場/18:30開演/19:45頃終演予定
   〒170-0013東京都豊島区東池袋1-20-10
   JR線・東京メトロ・西武池袋線・東武東上線「池袋駅」東口32番出口より徒歩7分

料金:予約/当日共に¥4,000


◉オンライン予約/支払/受取方法

* 公演のご案内画面にある「チケット取扱い」をご参照ください。
◎支払・受取方法
1. クレジットにて支払い後、当日公演会場のチケット窓口、またはセブン-イレブンにてお引取り。
2. セブン-イレブンにて支払い、お受け取り。
3. としまチケットセンターにてお支払い、お受け取り。
※ セブン-イレブンでの支払/受取には別途手数料が発生します。

◉電話予約
としまチケットセンター 0570-056-777 (10時から17時 臨時休業あり)
* 電話予約のお客様は、としまチケットセンター、またはセブン-イレブンにてお支払い、お受け取りとなります。

◉チケット取り扱い窓口のご案内
としまチケットセンター(としま区民センター内)
・1F としまチケットセンター
・3F としま区民センター窓口
・4F 財団事務所

企画制作:雑司ヶ谷TANGO BAR エル・チョクロ
主催:公益財団法人としま未来文化財団 
共催:豊島区

◉チケット取り扱い窓口のご案内
としまチケットセンター(としま区民センター1F)
10:00~19:00・臨時休業あり
 
企画制作:雑司ヶ谷TANGO BAR エル・チョクロ
主催:公益財団法人としま未来文化財団 
共催:豊島区

【公演に関するお問い合わせ】
◎雑司ヶ谷TANGO BAR エル・チョクロ 
TEL: 090-7739-0777
◎としま未来文化財団 事業企画グループ 
TEL: 03-3590-7118(平日10:00~17:00)

2021年1月27日水曜日

2/2(火)はviolin喜多直毅/cello翠川敬基/contrabass西嶋徹による即興弦楽トリオ。

 年が開けてまだまだ一月…と思っていたらもう二月も直ぐそこ。

もう少し一月にやるべきことがあった気がしますが、コロナコロナの毎日で忘れてしまいました。

それにしても自民党政府に対しては腹が立つばかり。
主にTwitterやYouTubeでニュースを見ているのですが、菅・麻生・二階のトリオは本当に酷いと思っています。

実は先日チョコレートを食べていたらいきなり奥歯が折れたのです。
最初は詰め物が取れたのかと思いました。
歯医者に行って診てもらったら、詰め物が取れたのではなく折れていると言われました。
折れた原因は“歯軋り”だそうです。
当たり前だけど、歯軋りなんて寝てる最中の行いですから、全く無意識に歯を食いしばっているわけです。
でもこの歯軋りきっと自民党政権に対する怒りが原因だと思っています。

さて菅・麻生・二階は悪いトリオですが、今日は良いトリオのライヴのお知らせ。

2/2(火)、西荻窪・音や金時にてチェロの翠川敬基さん、コントラバスの西嶋徹さんと三人で即興演奏のライヴをおこないます。
お二方とはヴァイオリン+チェロ、ヴァイオリン+コントラバスというデュオで演奏を重ねて来ました。
共に擦弦楽器にデュオですが、同属楽器の魅力がたっぷりです。
そして翠川さん、西嶋さんの素晴らしい表現力に支えられ、小さな楽器・ヴァイオリンも歓び囀ると言った感じ。

ヨーロッパでは割と良く聴くことの出来る即興弦楽アンサンブル。
正確無比な技術と楽器の可能性を究極まで追求した演奏。
僕が知っている欧州のアンサンブルは、まさにそんな印象です。

しかしこのトリオでは全く違った音楽が生まれると思っています。
そうでなければやる意味がない。
響き合う弦の豊穣さを味わいに是非お越しください!

出演:喜多直毅(ヴァイオリン)
   翠川敬基(チェロ)
   西嶋徹(コントラバス)
内容:即興演奏

日時:2021年2月2日(火)17:30開場/18:00開演
会場:音や金時(西荻窪)
   東京都杉並区西荻北2-2-14喜志コーポB1
   03-5382-2020

料金:¥2,700+オーダー(飲み物)※フードの提供はございません。
※15名様限定です。お申し込みの際は《代表者氏名》《人数》《連絡先電話番号》を必ずお書き下さい。



2021年1月25日月曜日

1/30(土)は金宜伸さん(ダンス)立岩潤三さん(パーカッション)と即興パフォーマンス@Cafe MURIWUI

Trikord
Trikord:
金宜伸(ダンス)喜多直毅(ヴァイオリン)立岩潤三(パーカッション)

皆さん、こんばんは。

東京は寒い日が何日か続きました。
お住まいの地域はいかがでしょうか?
今年は北陸を中心に大雪のところが多いですよね。
僕も北国生まれですが、子供の頃はカマクラを作って遊んだりミニスキーを履いて学校に行ったのを思い出します。
温暖化のせいで故郷も雪が少なくなり、今はただの寒いだけの場所。

さて1/30(土)はTrikordというグループで即興パフォーマンスを行います。
会場は祖師ヶ谷大蔵のCafe MURIWUI。
メンバーはダンスの金宜伸さん、パーカッションの立岩潤三さん、そして僕(ヴァイオリン)です。



TrikordのPVです。
一番最後の告知は昨年のものです。
ご注意ください!

さて、もう遠い昔のことのように感じられますが、一時期ベリーダンスの伴奏の仕事を良くやっていました。
ライヴハウスやクラブっぽいところ、カフェ、バーなどで。
そんな仕事で出会ったのが金さんと立岩さん。
金さんはベリーダンスが出自ですが、自身のルーツとも言える韓国伝統舞踊の動きも活かした表現を追求しています。
立岩さんは本当に守備範囲が広く、プログレ、インド音楽、アラブ音楽、ヨーロッパの中世の音楽等々、様々なフィールドでその才能を活かしていらっしゃいます。

僕はもうベリーダンスの仕事をすることもなくなり、そういった現場で金さんや立岩さんとご一緒する機会はありません。
アラブ音楽の演奏も一年に一回、毎年恒例の年末のファルハのライヴくらいです。
(ファルハ=ウード奏者の常味裕司さんの楽団)

しかし何だか金さんと立岩さんとはもう十年くらい不定期でTrikordをやっています。
十年と言っても年一回のペースなのですが…。
久しぶりに会うとお互いの変化が分かって面白いし、変化していなくてもそれはそれで面白い。
とにかくステージでは三人三様の立ち位置で即興パフォーマンスを繰り広げます。

このトリオでは僕は殆どアラブ的なことは弾きません(弾けない)。
でもいつもの自分でいても全く違和感がないし、他の二人もアラブ音楽が!とかオリエンタルダンス(ベリーダンスのこと)が!という人たちでもない。
『こうでなきゃだめ』ってのがない。
何だかボーダーのない砂漠を自由に漂っているようで面白いです。

思えば東京の音楽シーンは縦割りで、村と村の繋がりが希薄。
案外お客さんもそういう傾向があったりする。
それはそれで良いのです。
そっちの方が面白いことだってある。

でもたまに漂ってみると自分が絶対こうだと思っていることが決して絶対ではないし、ただ国境を超えても変わらぬ価値観があると分かったり、知らないことを憶えたりする。
これは一昨年からデュオをやり始めたピアノの照内央晴さんとの関係にも言えること。
(とても良いデュオに育っています。)

そんなわけで、1/30はぜひTrikordのパフォーマンスへお越しください!
コロナ感染拡大防止対策として窓を開け放って公演を行うかも知れません。
ぜひ暖かい服装でお出かけください。
お待ちしています!

出演:Trikord
   キムウイシン(dance)
   喜多直毅(violin)
   立岩潤三(percussion)
内容:即興パフォーマンス

日時:2021年1月30日(土)17:30開場/18:00開演
会場:カフェムリウイ(祖師谷大蔵)
   東京都世田谷区祖師谷4-1-22-3F

料金:ご予約のみ¥3,500+1drink order(限定15名)
予約:violin@nkita.net(喜多)
※メールタイトルは「トリコルド」、メール本文に《代表者氏名》《人数》《連絡先電話番号》を必ずご記入の上、お申し込み下さい。

<コロナ対策について>
本公演では感染防止対策として換気、会場入り口での手指の消毒、検温を実施いたします。感染の状況によってはやむを得ず公演を中止する場合があります。また、お客様にはマスクの着用や咳エチケット等にご協力いただきますよう、お願い申し上げます。

2021年1月15日金曜日

1/22来週金曜日は黒田京子さんとデュオ@中野SweetRain

 皆さん、こんばんは。

毎日毎日寒いですね。
コロナ感染も日毎に患者さんが増えて大変です。
僕は去年の正月に高熱を出し酷い目にあいました。
今から思えばあれはコロナだったのでは?と思っているのですが…。
あの苦しさ、そして全身の痛みは強烈なもので、入院こそしませんでしたが『俺、もう死ぬかも』と思いました。
コロナも非常に高い熱が出ますよね。
同じような症状で苦しんでいる方には早く良くなって欲しいと祈るばかりです。

さて1/22来週金曜日は黒田京子さんと中野のSweetRainでライヴを行います。
緊急事態宣言発令に伴い、開場開演時間を通常より繰り上げてお届けします。
20:00前には終了いたします。

出演:喜多直毅(violin)
   黒田京子(piano)
内容:オリジナル等を即興演奏を交えて

日時:2021年1月22日(金)17:30開場/18:00開演/19:45終演
   ※緊急事態宣言発令に伴い、開場開演時間が変更になりました。
場所:Sweet Rain(中野)
   東京都中野区中野5-46-5 岡田ビルB1
   03-6454-0817

料金:2,800円(学割¥1,800)
ご予約・お問い合わせ:
   03-6454-0817

★3密を避けるため、当分の間お客様の人数を10人程度限定にさせていただきます。
そのため、メールでのご予約をお願いいたします。定員に達した場合、お断りすることもあり
ますが、どうかご了承ください。
★必ずマスク着用の上ご来店くださるようお願いいたします。
★ライブチャージのある日は、2ドリンク以上のオーダーをお願いいたします。
★学割を利用される方は、来店時に学生証を呈示してください。呈示なき場合は適用できませんので、ご注意ください。但し、適用できる年齢は25歳以下とさせていただきます。
★上記の価格に消費税をプラスさせていただきます。

さてSNSではお伝えしていましたが、このデュオの2ndAlbum『愛の讃歌 -Hymne a l'amour-』(2014年リリース)がApple MusicSpotifyでお聴きいただけるようになりました。
在庫がなくなって以来、再プレスを希望される声をたくさん頂いておりました。
CDではなく配信という形ではありますが、これを機会にぜひ皆様にお聴き頂きたいと思っています!


【作品詳細】
愛の讃歌 ~Hymne à l’amour~
喜多直毅&黒田京子デュオ
ORTM-0001

フリージャズ、アルゼンチンタンゴ、即興演奏を経た喜多直毅(ヴァイオリン)と黒田京子(ピアノ)による待望のポピュラー音楽集。誰もが知る映画音楽やシャンソン、昭和歌謡の数々を収録。楽曲の奥底に流れる心情を余す所なく伝える二人の演奏。ヴァイオリンは情趣に富んで歌い、ピアノは色彩豊かに情景を描く。そして漆黒の音塊と痛切なノイズは心に強烈に突き刺ささる。楽器本来の音色はもとより、更なる響きの可能性を追求し続ける二人ならではのアプローチだ。それぞれの楽器の愛好者にも是非推薦したい作品である。また大胆な編曲とインプロヴィゼイションによって、音楽はよりドラマティックに展開して行く。抽象的なサウンドの中から語りかける声や美しい旋律、軋む音が立ち現われる時、聴き手はその想像力を大いに刺激されるだろう。
決して一筋縄ではないポピュラー音楽集だが、様々な人生、いつか見た風景、遠い記憶が呼びさまされる様な、深い時間を持つ事の出来るアルバムだ。
出会いと別れ、涙と笑いに彩られた物語。その全ての主人公達に贈る一枚。

1. 枯葉 Les Feuilles Mortes ジョゼフ・コズマ Joseph Kosma 7:58
2. 黄昏のビギン Tasogare no Beguine 中村八大 Hachidai Nakamura 4:50
3. 雨のブルース Ame no Blues 服部良一 Ryoichi Hattori 4:45
4. 他人の顔 The Face of Another 武満徹 Toru Takemitsu 2:50
5. 遠くへ行きたい Toku e Ikitai 中村八大 Hachidai Nakamura 7:45
6. ジェルソミーナ Gelsomina ニーノ・ロータ Nino Rota 1:32
7. シェルブールの雨傘 Les Parapluies de Cherbourg ミシェル・ルグラン Michel Legrand 3:29
8. ラストタンゴ・イン・パリ Last Tango in Paris ガトー・バルビエリ Gato Barbieri 4:08
9. ひまわり Love Theme from Sunflower ヘンリー・マンシーニ Henry Mancini 4:33
10. 愛の讃歌 Hymne a l’amour マルグリット・モノー Marguerite Monnot 8:49
11. おもいでの夏 The Summer Knows ミシェル・ルグラン Michel Legrand 2:55

是非聴いてみてね!

2021年1月11日月曜日

誰と勝負する?

 皆さん、こんにちは。

またしても!
緊急事態宣言が出て、本当に大変な世の中です。
現政権をどう表現しよう?
仁も義もない徳もない、そして美学のない政権。
毎日Twitterやニュースアプリでニュースを見ていますが、腹が立つやら情けないやら。
精神的にあまり良くないのでニュースのチェックを控えたほうが良いのかなとも思っています。

こんな時代にあって、演奏家もその生き方を問われていると感じています。
僕には『演奏家仲間』と呼べる人が余りいません。
何でそうなったかは本題から逸れるので申し上げませんが、でもとにかく皆んなには頑張っていて欲しいなぁと心から思っています。
直接メッセージを送るわけでもないし、ましてや面と向かって言うなんて照れ臭くて無理。
でも心底、負けないで欲しいと願っています。
こんなことを言うからには僕だって負けてはいられません!

こんなふうに思っていたところ、ある方のFBに気になる投稿がありました。
それはただの愚痴なのか、あるいは切羽詰まった悩みなのか、読んだだけでははかりかねるものでした。
ご本人はそこに愚痴めいたことを書き記したことによって気持ちも晴れて、案外ケロッとしてらっしゃるかも知れません。
それならそれで良いのです。

ただ内容を読めば自分自身にも思い当たるところがある。
だからその書き込みに対するアンサーではないけど、僕の考えを書いてみたくなりました。
ひょっとしたらその方の意図したところから大きく逸れるかも知れませんが、そこはご容赦いただければと思います。
ここに書くことは全く僕の個人的な考えですので。

その投稿に書かれていたこと。
それは『勝ち負け』でした。

他の同業者のように仕事が速くない、稼ぎが少ない、という悩み。
そして焦り、さらには無力感。
自分には勝つことなんて出来ない。
それは言い換えれば『自分は負けている』『もう諦めたい』でした。

その方の現在の環境を想像するに、負けてもいられないし、諦めてもいられないのではないかと思います。

その方は、僕みたいに独身で、東京でフラフラしていて、貧しくてもとりあえず餓死しなければ良いと考えていられる立場ではない。
(はっきり言って僕自身は飢えて孤独死しても仕方のない存在だと思っています。)
こんなちゃらんぽらんな人間には、現実の厳しさに今まさに直面している人の気持ちなんて、全く分からないのかも知れない。

子育て、住宅ローン、税金。
このコロナで次々と仕事はキャンセルになり、みるみる収入は減っていく。
政府はフリーランサーに対して、まったく給付金を出す気配もない。
自分のスキルはまだまだ未熟で他の人には追いつけず、思ったほどの収入にはならない。
…とくれば、焦るなというほうが間違っていると思います。
いくらちゃらんぽらんな僕でもそのくらいは想像できます。

確かにこの厳しい時代の中、勝っていくことは必要。
同業者や商売敵にアイディアや技術や仕事のスピードで勝ち、より良い収入を得て家族を守っていかなければならない。
『生き残る』イコール『勝つ』であり、それはこの世の鉄則です。
何の仕事でもそうだと思います。

スキルが未熟なら磨くしかない。
アイディアを得るためには勉強したり研究したり、頭を使わなければならない。

ヨーロッパのミュージシャンは良い仕事を獲得することに関してはまさに狩猟民族で、そのたくましさには驚かされます。
ロジャー・ターナーが言っていました、『これはハンティングだ』って。
そして僕の動画作りが『遅い遅い!』『まだ出来ないのか?』と言ってこぼすのでした。

ちょっと脱線しましたが、仕事を得ていくためにはライバルの動向を常に意識している必要もある。
ビジネスってそういうものだろうと思います。

しかし長い目で見た時に、勝ち負けだけで仕事をしていると、否、もっと人生というものを俯瞰した時、勝ち負けを尺度に生きていると必ず苦しくなる。
音楽家の場合、そうです。

案外良い作品は出来るかも知れない。
名声を得られるかも知れない。
富を築けるかも知れない。
でもきっと心は渇いて、荒れ果てる。
永遠に勝ち負け地獄に陥るからです。

他人と自分を比較して勝つことがモチベーションとなり、良い仕事が出来ることもあるでしょう。
負けた悔しさがバネになるかも知れない。
でも度が過ぎたり、目標が勝ち負けだけになると本当に悲惨です。

何を隠そうこの僕がそうでした。

負ければ相手を妬む。
勝てば相手を見下し高慢になる。
他人との勝ち負けや比較を人生の尺度にしている限り、そして他人より秀でることを目標にしている限り、この永遠ループの中にいなくてはならない。
永遠ループの中で心が曲がって行き、挙げ句の果てに周囲の人はこの『匂い』を感じてどんどん離れて行きます。
こうして心の中に地獄が生まれる。

そんな心を携えて彷徨った結果、他人と自分を比べるところから全ての不幸がうまれると僕は気がつきました。

しかし気がついただけでこの心の傾向が治るわけではない。
実は少しも治らず、相変わらず持て余しています。
一日に何度も勝っただの負けただのと考えている。
本当に自分が嫌になる。

でも最近こう思うようになりました。
他人が気になる時や勝ち負けが気になる時、妬ましく思う時、それは自分の仕事に打ち込んでいない時だと。
自分が今やるべきことからいつのまにか意識が逸れている。
人との比較の永遠ループから脱するためには、自分の世界を創っていくことに集中するのが得策。
その間は不思議と誰のことも気にならず、落ち着いた気持ちで練習したり創作に打ち込める。

この気づきは一つの救いとなりました。

もちろん時に比べる心は頭をもたげる。
だからもう自分はそういう人間なんだと諦めることにしました。
この苦しみはおそらく一生続く。
であれば、一生かけて作曲だの練習を続ければ良い、この苦さが心に広がる限り。
誰かより良い作品をつくって勝つよりも、自分で自分のスキルや創造性に目を向けて、それに磨きをかけるほうが何倍も有意義です。
そしてそれだけを目標にする。

結局、人生は自己満足で良いのだと思います。
自分と戦って勝てば良い。
負けたらもう一度挑めば良い。

世の中は意地悪なもので、競わせたがり争わせたがる。
実は勝者よりも敗者を見て面白がっているのじゃないかと思うほど。
でもそこに絡め取られてはダメです。

自分相手の競争、自分相手の勝負、どれほど清々しい気持ちでいられることか。
自分自身は最大のライバルであると同時に、仲間であり、味方だからです。

投稿をした方はおそらくちょっとした愚痴のつもりで気持ちを文章にしたのかも知れません。
まさか僕がその方の記事を読んで、勝手にこんな文章を書いているとは知るよしもないでしょう。
でももしかしたら偶然目に止まって読んで下さるかも?
もしかしたら僕がとんちんかんなことを書いているなと一笑に付されるかも知れないですね…。

それでも。
コロナで色々と大変なのは分かります。
実は僕も辛いのです。
政府の馬鹿野郎、給付金払いやがれと思っています。

でも…、良い音楽を作りたいじゃないですか。
頑張ろうぜ!

岩手の雑煮