今週金曜日(9/6)はシンガーソングライターライヴwith加藤崇之さん@西荻窪・音や金時

喜多直毅歌手デビューライヴwith加藤崇之(gt) 2019年5月8日@音や金時
喜多直毅歌手デビューライヴwith加藤崇之(gt)
2019年5月8日@音や金時

西荻窪のカレーが美味いライヴハウス・音や金時。
ここではずーっとウタウタというグループのメンバーとしてライヴをさせて頂いております。
ヴォーカルの松本泰子さん、ギターの長谷川友二さん、パーカッションの和田啓さん、そして僕。
四人が全員ソングライティングを行い、泰子さんが歌っています。

前から音金のママさんに『自分で作った歌を自分で歌ってみたらどうか?』と仕切りに勧められていたのですが、人並みはずれた歌唱力を理由に断り続けていました。
本当に人並外れているのです。
群を抜いています。
これはお金を頂いて人様にお聴かせ出来るレベルではない!と自己判断し、泰子さんが歌う歌を作るだけで十分楽しいから自分では歌わずとも良いと思っていました。

それに前から僕は自分の声が好きではありませんでした。
モサモサしている、古ぼけたリンゴのように。
歌うならイブ・モンタンのようでなければ!!!

しかしある日音金でのライヴの後、やっぱりママさんに勧められて、つい勢いで『やってみよう!』と言ってしまった。
しかもその場で日程も決定。
そしたらその後すぐに『加藤崇之さんにギターを頼んだからね』とメールが…。
あああ、加藤さんにギターを弾いてもらえるのは嬉しいけど良いのかなぁ…。

とは言え、一度引き受けたら断っていけません。
だいぶ緩くなりましたが、この業界にはそういう掟があるのです。
それに『やっぱりやめます』とは言いたくない。
なので早速加藤さんにリハーサルをお願いしました。

加藤さんのギターは素晴らしい。
美音、歌心。
しかし僕の歌は…。
音程は外れているし、発声は安定しないし、ビブラートもおかしい。

そんなこんなで迎えた第1回目のライヴ。
大勢のお客さんが来てくださり、それはそれで嬉しかったのですが、めちゃめちゃ緊張しました。
楽器を弾かずに人前に出て何かをすることがこんなに恥ずかしいとは。

それでも何とか歌い通した2ステージ。
久しぶりにとてつもない満足感を覚えたのは、難産の後の脳内快楽物質のせいでしょうか。
ここ数年の演奏活動の中でも最も楽しかったライヴの一つとなりました。
速攻で次回(9/6に行うライヴ)のブッキングもしました。

しかし反省点もいくつか。
まず僕の楽譜が見にくいということ。
『早く譜面書きが終わって楽になりたい』という思いだけで楽譜を作っているので、演奏する人にとってはとても読みづらい楽譜になってしまっているのです。
加藤さんにもそこは指摘され、今回は楽譜作成ソフトSibeliusを導入。
(バンドルソフト付きで12万円くらいした!!!なのにインストールもせず物入れの中に放置してありました。)
今回は説明書を見ながら14曲くらい楽譜を作りました。
一段は基本的に四分割し、コードもリハーサルマークも大きく。
それでもリハーサルで多数の間違いが見つかりました…。

それと1回目のライヴではどうもキーの設定がおかしく、声がちゃんと出なかった。
家でピアノを弾きながら歌ってみて丁度良かったキーなのに、ステージで歌うとやたら低く感じるのです。
客席には歌詞がハッキリと届いていなかったのかも知れない。
ということで、松本泰子さんに手伝っていただき、僕の音域に相応しいキーを決めました。
そしたら本来の僕の音域と前回の音域が五度も違っていたことが判明!(曲によってはもっと)
こりゃ歌いにくいはずだよ…。

ということで、以上2点を改善したので、第一回目よりは聴きやすくなるのでは?
そして加藤さんにとっては演奏しやすくなるのではないかと思います。

さて今回は新曲が一曲あります。
これは恐ろしく歌いにくい曲です。
コードも変わりまくり、しかもテンションノートがメロディに使われていて音程が取れません。
しかし挑戦します。
なぜかというと面白いことに気づいたからです。

実はこの曲はインストとして前から演奏していました。
『神保町夕間暮れ』という曲です。
原型はイギリス留学時代に浮かんだのです。
とは言え、英国調でも何でもなくて、タイトルの通り神保町の夕暮れ、昭和の学生街の黄昏を描いた作風です。

この原型が忘れられずにずっと頭の中にあって、実際に曲に仕立て上げて演奏をしてみた。
ところが何かが足りないのです。
こんなにずっと頭の中に鳴り続けているメロディなのに、何故ヴァイオリンで弾いてみても満足出来ないのか???

今回、歌詞をのせてみて分かりました。
この曲は歌詞を待っていたんだ!
弾く曲ではなく歌う曲だったのです。
先日、加藤さんとのリハーサルで歌ってみて、初めて納得できる仕上がりになりました。
これは下手だろうが間違おうが是非歌いたい。

加藤さんのギターも素晴らしく、サウダージ(郷愁・切なさ)の風がふんわりと吹いてくる。
まさにあの日・あの頃の神保町の夕暮れです。
大人になるって切なさや苦さの中に何とも言えない趣きを見出せるようになること。
もののあはれを知ること。

実はこの曲以外にも、十年以上頭の中にあったメロディを曲に仕立てて演奏しているものがあります。
しかし内心『何かが足りない』と思いながら弾いている。
こういう曲は案外歌詞を待っているメロディなのかも知れませんね。

良く男女を繋ぐ運命の赤い糸って喩えがあるでしょ?
そんな風にメロディと歌詞ってお互いに引き寄せ合っているのかも知れません。
それが出会って初めて『歌』になる。
もちろん独身のまま生きていくメロディも言葉もある。
しかしインストで弾いていて何かが足りないとか、何かを求めている気がする…、と言うときはメロディが言葉と出会いたくて仕方がない時なのでは?
面白い。

てな訳で、神保町の歌も歌ってみますので是非皆さんお越し下さい。
初めて作ったご当地ソングです。

出演:喜多直毅(歌・ヴァイオリン)
   加藤崇之(ギター)
内容:喜多直毅作詞作曲による歌の数々

日時:2019年9月6日(金)18:30開場/19:30開演
会場:音や金時(西荻窪)
   東京都杉並区西荻北2-2-14喜志コーポB1
   03-5382-2020

料金:¥2,500+オーダー
予約:必要ありません。そのままお越し下さい。

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