デュッセルドルフより近況報告 ~その4~ 『Mein Schloss』リハーサルの事等

今日は朝から怒られました、同じレジデンスに住んでいる人に。
60歳くらいの男性です。
多分、美術方面の人だと思う。

朝キッチンで大きな音がするので行って見たら、その男性がゴミ箱をひっくり返していました。
で、「何だ、ゴミの分別がされていないじゃないか!」「ここの住人は何でもいっしょくたにして捨てているのか!?『けしからん!」と怒っています。
怒りながら、今まで住人が捨てたゴミを可燃物・不燃物・プラスチック…に分けていたのです。

僕に向かってガーーーーッと言ってくるのですが、僕はこのレジデンスではゴミの分別は不要で、まとめて一つのゴミ箱に捨てて良いものだとばかり思っていました。
僕だけでなく他の住人も分別をしておらず、一つのゴミ箱に可燃物も不燃物もプラスチックも金属も捨てていました。
どうやら板橋区並みに、否、それ以上にドイツはゴミの分別に厳しいらしい。

ドイツのゴミの分別

男性が余りにも怒っているので、一緒にゴミ捨て場までゴミ袋を運びました。
そして分別したゴミを入れる箱の種類を教えてもらいました。
そしたら男性はにっこり笑って許してくれました。
めでたしめでたし。

さて三年目となる『Mein Schloss』の公演が明日となりました。
公演詳細:
Mein Schloss
Autismus Wuppertal/Düsseldorf-Bergisches Land e.V. in Zusammenarbeit mit Jean Laurent Sasportes


この作品は主に自閉症の内面と、そこから現れる様々な身体の動きをモチーフに作られたダンス作品。
振り付けはJean Sasportesさん。
音楽監督は齋藤徹さん(contrabass)です。
メンバーは初回から変わらず、Chrystel Guillebeaud、Kenji Takagi、皆藤千香子、深堀絵梨(以上、ダンス)、Ute Völker(accordion)、Wolfgang Suchner(trumpet, tuba)、喜多直毅(violin)。

ChrystelとKenjiさんはピナ・バウシュ舞踏団のメンバーでしたが、現在はフリーで活動中。
皆藤千香子さんは在独の振付家です(今月末に彼女の作品がデュッセルドルフで上演されます)。
今回はダンサーとして参加。
深堀絵梨さんは劇団東京乾電池所属の女優さんであり、ダンサーでもあります。
東京を中心に活動しています。
Uteは即興演奏をメインに活動していますが、ヴッパタールの即興演奏スタジオ“ORT”の運営者の一人でもあります。
Wolfgangはトランペットやチューバの演奏の他、役者としての素質にも恵まれ、今回の作品でも大事な役割を担っています。

出演者の中の日本チーム・徹さんと深堀絵梨さんは僕より後にドイツ入りしました。
徹さんの奥さん、撮影の近藤真左典さんも一緒。
ドイツで再会し、ちょっと感動。
四人とも日本で良くお会いしてるんですけどね。

徹さんと再会!

それでですね〜、成田空港の免税店でセブンスターを一人1カートンずつ買って来てくださるようお願いしていたのです。
セブンスターを成田のデューティーフリーショップで買うと1カートン¥3,000。
ドイツで買うと1カートン¥8,000くらい。
¥5,000も違うのです!
で、ドイツに持ち込めるのは一人1カートンまで。
ですので、後からドイツに来る四人の方に1カートンずつお願いしました。
これで滞在中タバコには困らない!

リハーサルは三日間にわたって行われました。
1日目と2日目はヴッパタールのカフェ・アダにて。

Mein Schloss Rehearsal, Cafe Ada, Wuppertal

Mein Schloss Rehearsal, Cafe Ada, Wuppertal

Mein Schloss Rehearsal, Cafe Ada, Wuppertal

Mein Schloss Rehearsal, Cafe Ada, Wuppertal

そして3日目は本番会場のOrangerie-Theater Volksgarten(ケルン)にて行われました。

Mein Schloss Rehearsal, Orangerie-Theater Volksgarten, Köln

Mein Schloss Rehearsal, Orangerie-Theater Volksgarten, Köln

さて今回は三回目の公演ということもあり、作品は出演者それぞれの身体の中に既に入っているような気がします。
とは言え前の公演から一年も経っています。
リハーサルで作品の感覚を呼び戻します。
そしてそこからまた少しずつ変えて行く感じ。
新しい動きも加わりました。

音楽チームの方ですが、楽譜はあるのです。
(作曲は徹さんです。)
前回も同じ曲を演奏しました。
しかし楽譜をただなぞっているだけではない。
やはりそれを超えたものが出てこないとつまらない。
ということで、段取りを逸脱したような演奏にもなり、それがまた面白い!

今日はケルンの会場でゲネプロでした。
今までで一番響きの良い会場!
決して設備の整った綺麗な会場ではありませんが、響きが良ければ文句なし。

Orangerie-Theater Volksgarten, Köln
Orangerie-Theater Volksgarten, Köln
なかなか響きの良い会場です。今日はリハーサルのみでしたので入口は閉まっています。

明日は本番です。
お客さんがたくさん来てくれますように!
そしてこれが初演であるかのように僕も演奏したいと思います。
頑張るぜい!


余談。
昨日は早めにケルンに行き、地元の弦楽器店にスペアの弦を買いに行きました。

途中で見かけたサーカス。

ケルンといえば大聖堂。
大聖堂はドイツ語で“Dom”(ドム)。
黒い三連星を思い出しますよね。


ケルン中央駅から少しだけ歩いた所にある有名なビアホールに行ってみました。

Brauhaus Sion
Unter Taschenmacher 5-7, 50667 Köln
0221 2578540

“ジオン”って読むんですけどね、『ジーク・ジオン!』って言いそうになります。
日本人も結構訪れているようですが、僕の世代の男性なら皆んな言うと思います。

それはどうでも良い。
で、今日食べたのがこれ。
めっちゃ美味かった!


血のソーセージにアップル・ソースとマッシュ・ポテトが添えられています。
上にはスライスして炒めた玉ねぎ。
血とリンゴのハーモニー。
実に奥行きのある複雑な(良い意味で)味でした。
これは滞在中もう一回は食べたい。

そう言えばジオン軍の軍服ってナチスドイツを彷彿とさせますよね。
ナチスは嫌いですが、ジオン軍の人たちはこう言うものを食べていたのかもと想像しながら頂きました。


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