永井ウィメンズクリニックでの朗読会&コンサート楽しく終了しました!

『ヴァイオリン弾きのゴーシュ』 森都のり(朗読)、喜多直毅(ヴァイオリン)、黒田京子(ピアノ) 2017年9月9日@永井ウィメンズクリニック(埼玉県三郷市)
『ヴァイオリン弾きのゴーシュ』
森都のり(朗読)、喜多直毅(ヴァイオリン)、黒田京子(ピアノ)
2017年9月9日@永井ウィメンズクリニック(埼玉県三郷市)

先週土曜日は三郷の永井ウィメンズクリニックでのコンサートでした。
今回は午後【子供の部】、夜【大人の部】に分けて、地元の方々や病院関係者の方々にお楽しみ頂きました。

午後の子供の部は黒田京子さん(pf)、森都のりさん(女優)との三人で『チェロ弾きのゴーシュ』改め『ヴァイオリン弾きのゴーシュ』を上演。
もちろん朗読は森都のりさん(通称:のんちさん)。
基本的にストーリーは原作に沿ったものですが、朗読では賢治のテキストを大事にしつつ、のんちさんの脚本+アドリブでお届けしました。

会場には子供さん達がお父さんやお母さん、お婆ちゃんに連れられて見に来てくれました。
病院には森永とグリコから差し入れのお菓子が届いていて、子供さん達だけではなく大人のお客さんにもプレゼントされましたよ!
(子供以上に喜んでいる方々もいました…w)

『ヴァイオリン弾きのゴーシュ』 森都のり(朗読)、喜多直毅(ヴァイオリン)、黒田京子(ピアノ) 2017年9月9日@永井ウィメンズクリニック(埼玉県三郷市)
『ヴァイオリン弾きのゴーシュ』、子ダヌキのシーン。
皆んなでリズムに合わせて手拍子!

本番はのんちさんの見事な朗読で、ぐいぐい引き込まれる子供達!
ホント、登場人物が目の前に次々と現れて来るようでした!
お話に登場する動物達の名前を子供に言い当てて貰ったり、鳴き声を真似して貰ったり(大人達も参加してくれました)、客席とのコミュニケーションを交えながら朗読は進んで行きました。
僕も横でお話に耳を傾けて、つい演奏を忘れそうになる始末。
ホント、実に素晴らしい朗読でした!

僕は芝居の世界の事は良く知らないのですが、これってのんちさんだからこそ出来る事なのだと感じます。
役者さんだから全員こう出来るとは思いません。
彼女が経営する両国のジャズバーb.b.では何度か黒田さんと演奏させて頂いてますし、両国門天ホールでのパフォーマンスも一度拝見しています。
しかし一緒に舞台に立つのはこれが初めて。
のんちさんの朗読には、何と言うか強い求心力を感じました。
これを機会にまた是非一緒にやらせて頂きたいです。
(今本当にやろうと考え中。)

森都のりさん(朗読)
素晴らしい朗読でした!

黒田さんと僕はお話の中の音楽を担当。
実は原作の『チェロ弾きのゴーシュ』って音楽劇とも言えますよね。
まず冒頭と最後の方に、ゴーシュがチェリストを務める楽団がベートーヴェンの田園交響曲を奏でるシーンが出て来る。
もちろんピアノとヴァイオリンで演奏しました!

それと『インドの虎狩り』!
この曲、架空の曲だそうで、他の朗読劇のチェロの方はオリジナル曲を弾いたり即興演奏をなさったりしているようです。
今回は僕のオリジナル曲『夢』を演奏させて頂きました。
(大分前に作った曲で“Viohazard"と言うアルバムに収録されています。)
もしまた次にこの演目に取り組むことがあったら、オリジナルの『インドの虎狩り』をやりたいっすね!

そしてお話のエンディングには黒田さんの『With You』を演奏。
優しくて温かい本当に良い曲です。
この曲が流れるのはこんなシーン。

演奏会で思う存分演奏して、小さな水車小屋へ帰って来たゴーシュ。
空には月が輝いています。
訪ねて来て一緒に音楽を練習してくれた動物達は、今夜は現れません。

台詞:

お〜い、猫。
君は音楽には表情があることを教えてくれた。
ああ、カッコウ。
君は口から血を吐くまで練習するように教えてくれた。
ああ、子ダヌキ。
君はリズムのとり方を教えてくれた。
ああ、野ネズミ。
君は音楽に心を込めなければいけないことを教えてくれた。
皆んな、有難う。

外は月夜でした。
ゴーシュには、小川の向こうや、畑のどこかで、みんなが喜んで聞いてくれているように思いました。

原作はもっとハードボイルドな感じのゴーシュの呟きで締めくくられます。
そしてちょっと曖昧な感情を残して終わります(それがこの作品に深みを与えている)。
実はこうした大人好みな渋い表現の他、作中には暴力的だったり、ブラックだったり、小さな子供には刺激の強い箇所があるのです。
今回は配慮をして、少し内容を変更させて頂きました。
このエンディング、とてもとても良かったと思います。
子供達だけではなく、大人の方々の胸にも温かい余韻が残ったのではないでしょうか。

僕はこうした子供向けの朗読と音楽の仕事は初めてでしたが、やってみて実に楽しかった!
もちろんのんちさんの素晴らしい朗読あってこそでした。
今回お越しになれなかった方々にも是非御覧頂きたいと思っています。

もしこのブログをお読みになって、子供さんの集まりで『ヴァイオリン弾きのゴーシュ』を是非やって!と言う方、どうぞ遠慮なくご連絡下さい!
資料をお送りすることも可能です。
連絡先:violin@nkita.net(喜多直毅)

終演後、すっかりのんちさんと打ち解けた女の子。楽しそう!

さて夜は同じ会場で喜多&黒田デュオのライヴ。
こちらでは我々がいつも聴いて頂いているレパートリーから映画音楽やヨーロッパのポピュラー音楽、昭和歌謡などを演奏いたしました。
病院の永井院長からの『激しい曲をお願いします!』と言うリクエストにお応えして、『ラストタンゴインパリ』や『アルハンブラの思い出』を演奏。
『アルハンブラの思い出』、原曲は静かな曲なのですが、我々流にアレンジして“激しく”弾かせて頂きました。
他に『アメイジング・グレイス』、『スマイル』など。
ホント、謂わゆる“スタンダード”ほど、個性を発揮するデュオだと思います。

実は夜の部の演奏をしながら、少し自分がゴーシュになった様な気がしました。
実際に猫・カッコウ・子ダヌキ・野ネズミが我が家に来たことはありません。
でもこれまでに色んな人が僕に音楽の表情や練習の大切さ、リズム、心を込めることを教えてくれたのだと思います。
普段はこんな事、余り意識していなかったのですが、この夜はそうした人たちに聴いてもらう様な気持ちで演奏をしました。

それにしても僕もゴーシュの様な家に住んでみたい!
水車小屋。
畑。
小川が側を流れている。
月が綺麗に見える。
こんな場所、良いですよね!
花巻にあるのでしょうか???
僕は東京の片隅に一人で暮らしていますが、これからは東京のゴーシュになった積りでいよう!www

さてクリニックの永井先生とはもう20年近くお付き合いをさせて頂いております。
僕のファーストアルバムとなった『Tangophobia』の制作を全面的に応援して下さいました。
幾度もコンサートにも足を運んで頂き、演奏の機会も作って頂きました。
本当に有難い事です…。
他にもプライベートで困った時など、いつもお世話になって来ました。

ところが何もご恩返しが出来ていないのです。
それどころか、いつしか永井先生が応援して下さることに感謝を忘れていたのではないかと反省する次第です。
せめてこの日の演奏を喜んで下さればと思います。
そして微力ながら、これからは病院や地元・三郷市に何かの形で貢献させて頂きたいと思っています。

大変忙しい先生で、この日も診察やその他様々な用事の合間、客席で演奏を聴いて下さいました。
本当に有難うございました!

また病院のスタッフの皆さんも、このコンサートの為に忙しい中を協力して下さいました。
飲み物やお菓子を出したり、会場設営をして下さったり、朗読会のスライドショーの準備・PowerPointの操作をして下さいました。
また宣伝や予約の受付にもご協力頂きました。
心から感謝いたします!

そしてお集まり頂いた皆さん。
地元の方々も、東京や遠く茨城・北海道からお越し下さった方々も本当に有難うございました!!!
また是非聴きに来て下さいね!


さて黒田さんとの次回の演奏のご案内です。

Jazz Platz 第29回ライヴ

第29回JazzPlatz:喜多直毅&黒田京子デュオ
2017年10月14日:ルヴェソンヴェール南大沢


出演:喜多直毅(ヴァイオリン)
   黒田京子(ピアノ)
内容:映画音楽・ヨーロッパのポピュラー音楽・昭和歌謡・それぞれのオリジナル曲・etc.

日時:2017年10月14日(土)18:00開場 19:00開演
会場:ルヴェソンヴェール南大沢
   〒192-0397東京都八王子市南大沢1-1
   首都大学東京国際交流会館内
   042-677-3301
   ※京王相模原線南大沢駅徒歩10分(首都大学内)
   ※駐車場はございませんので、お車でのご来店はお控えください。

料金:¥4,000(お食事付き)
ご予約:042-677-3301(ルヴェソンヴェール南大沢)

主催の大澤郁枝さんは多摩地区でもう28回もジャズのライヴを行なっていらっしゃいます。
29回目として我々の演奏の機会を作って下さいました。
ヴァイオリニストの出演はこれが初めてだそうです。

大澤さんがJazz Platzのブログに我々の紹介記事を書いて下さっています。
恐らくネットにある僕の昔のインタビュー記事を参考に書かれたと察します。
若気の至り的な発言もあり今となってはちょっと恥ずかしい…。
でもこうしてわざわざ記事を書いて下さったこと、本当に嬉しく思います。
皆さん、良かったらお読み下さい!
Jazz Platz ジャズプラッツ 喜多直毅&黒田京子デュオ

会場は首都大学東京のキャンパス内にあるフレンチレストランです。
美味しい食事も召し上がれます。
どうぞご参加下さい!

それでは皆さん、宜しくお願いします!

『ヴァイオリン弾きのゴーシュ』 森都のり(朗読)、喜多直毅(ヴァイオリン)、黒田京子(ピアノ) 2017年9月9日@永井ウィメンズクリニック(埼玉県三郷市)
朗読会の最後にアンコールとして全員で『星めぐりの歌』(宮沢賢治作詞作曲)を歌いました。

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