【海に向かいて】

久しぶりに喜多直毅クアルテットのイメージ動画を作ってみました。
9/15に行うJean Sasportes、Bénédicte Billet両氏(共にダンス)との公演のためです。



この公演ではいつものライヴの如く、一時間を通して映画の如きストーリーを作りたいと思っています。
そこにJeanさんとBénédicteさんに加わっていただくわけですが、僕が思い描いた通りに展開するとは思いません。
むしろ思い通りにならない方が良いのです。
音楽とダンスのタイムラインはそれぞれ別の次元で進行していたりする。
考え方も感じ方も微妙に違う。
それが面白さを生むのです。

この公演の音楽には、ボッティチェリの女神やさすらい人、酔漢、津波、売春婦、氷の大地など、様々な人物・場面が登場します。
しかし今回共演する二人のダンサーは、僕とは全く異なる次元で音楽と関わってくれるに違いありません。
僕が想定した人物・場面なんか出てこなくても構いません。
何が二人を通して出現するのか予想できず、未知なだけにますます期待が膨らみます。

中でもこの曲『海に向かいて』を二人がどのように踊ってくれるのか。
(彼らの古巣“ピナ・バウシュ舞踏団”ではこのタイプの音楽は使わないかも?)

凪も嵐も経験し、人生という海を何千マイルも泳ぎ続けたダンサーたち。
どんな眼差しで海を見つめ、どんな波音を聞いているのだろう。
どんな顔をしているのだろう。
このように想像させてくれるのがJeanさん、Bénédicteさんです。
人生を感じさせるダンス、です。

きっと素晴らしい公演になるに違いありません。
どうぞお誘い合わせの上、お越しください。
お待ちしております。


喜多直毅クアルテット+Jean Sasportes & Bénédicte Billet『舞曲』

喜多直毅クアルテット+Jean Sasportes & Bénédicte Billet『舞曲』

出演:喜多直毅クアルテット
   喜多直毅(作曲・ヴァイオリン)
   北村聡(バンドネオン)
   三枝伸太郎(ピアノ)
   田辺和弘(コントラバス)

特別出演:Jean Sasportes(ダンス)
     Bénédicte Billet(ダンス)

内容:喜多直毅オリジナル作品+ダンス

日時:2022年9月15日(木)19:00開場/19:30開演
会場:いずるば(沼部・多摩川)
   東京都大田区田園調布本町38-8
   03-3721-8760

料金:ご予約¥4,500/当日¥5,000
ご予約・お問い合わせ:violin@nkita.net
メールタイトルは「喜多クアルテット9月予約」、メール本文に「代表者氏名、人数、連絡先電話番号」を必ずご記入の上、お申し込みください。



【喜多直毅クアルテット】
2011年、ヴァイオリニスト喜多直毅によって結成された四重奏団。演奏される楽曲は全て喜多のオリジナル作品であり、その出自とも言うべきアルゼンチンタンゴからフリージャズ、即興演奏、現代音楽まで、様々な要素を呑み込んで再構築された、比類なき音楽である。濃厚な旋律と激しいリズムによって生み出される圧倒的な音楽劇は高い精神性を宿し、幅広い層からの支持を集める。
4人のメンバーはそれぞれの楽器における国内屈指のタンゴ奏者と目されつつ、卓越した実力により、ジャンルを超えてシーンの最先端で活躍している。この4人においてこそ実現する超絶なる表現が、聴衆の気魂を揺さぶり“ドゥエンデ(Duende)”を呼び醒ます。

【ジャン・サスポータス Jean Laurent Sasportes】
1952年カサブランカ(モロッコ)生まれ。マルセイユで数学、物理学、哲学を学ぶ。パリでモダンダンスを始め、ダンサーとダンス教師のディプロマを取得。1979年、ヴッパータールのピナ・バウシュ・カンパニーのソロダンサーとして活動を開始。世界中の劇場で踊り続け、ピナの代表作「カフェ・ミュラー」は以来35年400回を越える。1997年から2017年までゲストソリストとしてレパートリー作品に出演。
1989年以降、多くの音楽家とダンスと即興演奏のコラボレーションを展開している。作曲家でコントラバス奏者の齋藤徹と出会い、コラボレーションによるデュオ作品を日本全国15以上の都市で発表。彼と共にヨーロッパと日本のアーティストとの文化交流のプラットフォームを構築する。
1998年以降、ヨーロッパと日本に於いて多くの振付作品を発表する。代表作は「Looking for Kenji」、「うたをさがしてオペリータ」、「私の城」「Am Anfang war das Chaos」。「カフェ・アダ・ダンスシアター」主宰。オペラの演出・振付も行う。また、俳優としても多くの映画に出演する。ペドロ・アルモドバル監督作品「トークトゥーハー」(アカデミー賞受賞)では「世界で一番哀しい顔の男」と評される。
1985年より合気道から派生した「気の道」を学び、25年以上にわたりヴッパータールにある自身の道場で指導を行っている。2000年よりプロのダンサーからハンディキャップのある人まで、世界中のあらゆる人にフロアロア&スタンディング・ボディワークを指導する。

【ベネディクト・ビリエ Bénédicte Billet】
1954年、フランス生まれ。パリ国立高等音楽院でクラシック・バレエを学んだ後、リヨン・オペラ座で踊る。1975年、パリに戻り、ピーター・ゴスのモダンダンス・カンパニーに参加。1981年にドイツに渡り、ヴッパータールにあるピナ・バウシュのタンツシアターに参加し、1989年までダンサーとして活躍する。2001年にヴッパータール舞踊団に復帰し、「Kontakthof with ladies and gentlemen from the age of 65」プロジェクトに参加、リハーサルディレクターも務める。現在は、ピナ・バウシュの作品の再演の共同リハーサル・ディレクターを務めるほか、「ピナ・バウシュ・アーカイヴ」のアーカイヴの構築にも携わっている。

コメント