喜多直毅クアルテット公演のお知らせ:12/28『異土』、そして2/26『池袋ネガフィルム』

皆さん、こんにちは。
いよいよ本格的な冬の訪れを感じる今日このごろ。
いかがお過ごしでしょうか?

さて今日の記事は喜多直毅クアルテットの二つの公演のお知らせです。
約9年間に亘って継続してきたこのグループですが、コロナ禍の現在、このように公演を行うことが出来るのは実に聴きに来て下さる皆様、そしてメンバーや協力スタッフのおかげと感謝しています。

10月上旬に黒田京子さん(pf)とのデュオで北海道ツアーを行いました。
その時会場にお越しになった方々が異口同音に『久しぶりに生の音楽を聴けて本当に生き返った!』とおっしゃり、とても喜んで下さったのです。
実はその反応は僕の想像以上で、こんなに音楽を求めている人たちがいたんだ!と驚きました。

東京ではその頃、客席数を減らしたり会場入り口に消毒薬や検温機を用意したりして、なんとか通常のライヴが再開された頃でした。
自分が演奏する側だったり、一ヶ月に何本もライヴをやっていると、北海道の方々のような“生演奏に触れる喜び”を忘れてしまっていたりするのです。
これは要反省。
実は東京にもそういう人たちは大勢いて、演奏会場に足を運んでくださるのでしょう。
この新鮮な気持ちを忘れずに活動を続けて行きたいと思っています。

さて喜多クアルテットの公演二つですが、どちらもテーマ性を持たせてあります。
もともと描写音楽的な喜多カルですが、この二つの公演では“地域性”から音楽を作り演奏してまいりたいと思います。
12/18は東北地方の岩手、そして2/26は東京の池袋です。

公演の内容紹介や詳細情報は以下の文章をご覧ください。

12月18日(金)アトリエ第Q藝術(成城)
喜多直毅クアルテット『異土』~沈黙と咆哮の音楽ドラマ~

喜多直毅クアルテット『異土』沈黙と咆哮の音楽ドラマ
喜多直毅クアルテット『異土』沈黙と咆哮の音楽ドラマ
喜多直毅(作曲とヴァイオリン)北村聡(バンドネオン)
三枝伸太郎(ピアノ)田辺和弘(コントラバス)
2020年12月18日@アトリエ第Q藝術(成城)

喜多直毅クアルテットは楽器編成からすればティピカルなタンゴクアルテートであり、激しいエモーションや情念と言ったタンゴの持つ音楽的性格を確かに宿している。四重奏団の構成メンバーの出自がタンゴであるだけに、これは至極当然である。
しかし十年間に亘る音楽作りの中で最も大切にして来たのは、作品と演奏の中に作曲者である喜多の出身地・岩手の冬の凍れる風が唸っているかどうかである。その唸りから孤絶した人間の存在がイメージされるか、そして演奏空間に“厳冬”が訪れ、寒さの中、力強く駆ける駿馬や満天の星座が想起されるかどうかである。
そして音楽が“異土”を内包しているか…。
スタンダードとされる中央文化から遠く離れれば離れるほど、そこには独特な文化が育つ。例えるなら月の裏側のようなものであり、“生“に対する“死”の領域とも言える。そこには闇や沈黙のような一般的な死のイメージだけではなく、焚き火を中心に繰り広げられる奇祭が存在し、熱狂する鬼たちの舞がある。このような生々しいエネルギーもまた死の一つの側面である。
東北を思い描く時、冬に閉ざされた孤独や鬼たちの乱舞が浮かぶ。喜多直毅クアルテットの音楽はその象徴と言えるのだ。
(喜多直毅)

出演:喜多直毅クアルテット
   喜多直毅(作曲とヴァイオリン)
   北村聡(バンドネオン)
   三枝伸太郎(ピアノ)
   田辺和弘(コントラバス)
内容:喜多直毅オリジナル作品

日時:2020年12月18日(金)19:00開場 19:30開演
   東京都世田谷区成城2-38-16
   03-6874-7739

料金:予約¥4,000/当日¥4,500

ご予約/お問い合わせ
○メール:violin@nkita.net
※メールタイトルは「喜多直毅クアルテット12/18予約」、メール本文に《代表者氏名》《人数》《連絡先電話番号》を 必ずご記入の上、お申し込み下さい。

◉ ご予約に際しての注意事項
・ご予約の締め切りは公演前日12月17日深夜24:00までとさせて頂きます。
・10歳以下のお子様のご入場はお断りする場合がございます。


2021年2月26日(金)としま区民センター・多目的ホール(池袋)
喜多直毅クアルテット
『池袋ネガフィルム』 ~戦後昭和の残像~ 
オリジナルタンゴで描く都市(まち)のカオスと孤独

喜多直毅クアルテット『池袋ネガフィルム』
喜多直毅クアルテット
池袋ネガフィルム ~戦後昭和の残像~
喜多直毅(作曲とヴァイオリン)北村聡(バンドネオン)
三枝伸太郎(ピアノ)田辺和弘(コントラバス)
2021年2月26日@としま区民センター8F・多目的ホール(池袋)

闇市立ち並ぶ終戦直後の池袋。焦土と化した町は復興のエネルギーで溢れていた。しかし光に対する影のように、猥雑な路地裏、時代に取り残された人々の眼差し、アウトロー達によって引き起こされる事件も存在していた。ネガフィルムのように現代の池袋の明暗や色を反転した時、そこから過去の池袋が見えてくるのではないか。それをオリジナル音楽で描くのが本公演の趣旨である。
喜多直毅クアルテットはこれまで、日本の東北地方の情景をアルゼンチン生まれの音楽・タンゴの語法を取り入れて描いてきた。日本の中心文化から離れた“異土”として東北地方を捉え、そこに吹く寒風や氷点下の空気をサウンドの中に込め表現し、孤絶した人間の内面に肉迫する演奏を続けている。
本公演は、特定の地域に着目しそこで繰り広げられる営みを描写するという喜多クアルテットの手法で、どのような池袋の姿(しかも終戦直後の)が出現するかという実験性に富んでいる。楽団にとっても地域にとっても意義ある公演となるに違いない。

出演:喜多直毅(作曲・ヴァイオリン)
   北村聡(バンドネオン)
   三枝伸太郎(ピアノ)
   田辺和弘(コントラバス)
内容:タンゴを土台としたオリジナル楽曲

日時:2021年2月26日(金) 19:00開場/19:30開演
   〒170-0013東京都豊島区東池袋1-20-10
   JR線・東京メトロ・西武池袋線・東武東上線「池袋駅」東口32番出口より徒歩7分

料金:予約/当日共に¥4,000

【チケット申込み方法】











◉オンライン予約/支払/受取方法
* 公演のご案内画面にある「チケット取扱い」をご参照ください。
◎支払・受取方法
1. クレジットにて支払い後、当日公演会場のチケット窓口、またはセブン-イレブンにてお引取り。
2. セブン-イレブンにて支払い、お受け取り。
3. としまチケットセンターにてお支払い、お受け取り。
※ セブン-イレブンでの支払/受取には別途手数料が発生します。

◉電話予約
としまチケットセンター 0570-056-777 (10時から17時 臨時休業あり)
* 電話予約のお客様は、としまチケットセンター、またはセブン-イレブンにてお支払い、お受け取りとなります。

◉チケット取り扱い窓口のご案内
としまチケットセンター(としま区民センター1F)
10:00~19:00・臨時休業あり

◉出演者から直接購入
チケットを喜多直毅本人または出演者から直接お買い求め頂くことも可能です。
但し喜多以外の出演者からのご購入は12/15以降となります。
売り切れの場合はオンライン予約・電話予約をご利用ください。
 
企画制作:雑司ヶ谷TANGO BAR エル・チョクロ
主催:公益財団法人としま未来文化財団 
共催:豊島区

【公演に関するお問い合わせ】
◎雑司ヶ谷TANGO BAR エル・チョクロ 
TEL: 090-7739-0777
◎としま未来文化財団 事業企画グループ 
TEL: 03-3590-7118(平日10:00~17:00)

【喜多直毅クアルテット・プロフィール】
2011年、ヴァイオリニスト喜多直毅によって結成された四重奏団。演奏される楽曲は全て喜多のオリジナル作品であり、その出自とも言うべきアルゼンチンタンゴからフリージャズ、即興演奏、現代音楽まで、様々な要素を呑み込んで再構築された、比類なき音楽である。ロシア音楽を彷彿とさせる濃厚な旋律と共に、日本の伝統音楽に通ずる“間”の感覚を併せ持った彼らの音楽は、その深い精神性を高く評価されている。
4人のメンバーはそれぞれの楽器における国内屈指のタンゴ奏者と目されつつ、卓越した実力により、ジャンルを超えてシーンの最先端で活躍している。この4人においてこそ実現する超絶なる表現が、聴衆の気魂を揺さぶり“ドゥエンデ(Duende)”を呼び醒ます。



喜多直毅(作曲・ヴァイオリン)
1972年岩手県出身。国立音楽大学卒業後、英国にて作編曲を、アルゼンチンにてタンゴ奏法を学ぶ。現在は即興演奏やオリジナル楽曲を中心とした演奏活動を行っている。タンゴに即興演奏や現代音楽の要素を取り入れた“喜多直毅クアルテット”の音楽は、その独創性と精神性において高く評価されている。他に翠川敬基、黒田京子、齋藤徹等、国内を代表する即興演奏家との演奏と録音、また邦楽・韓国伝統音楽奏者・ダンサーとの共演も数多い。欧州での演奏も頻繁に行なっている。作家の高樹のぶ子の朗読舞台でも演奏と作曲を行なっている。ソングライターとしては上條恒彦に作品提供(敬称略)。

北村聡(バンドネオン)
関西大学在学中にバンドネオンに出合い小松亮太に師事、ブエノスアイレスではフリオ・パネのレッスンを受ける。世界各国のフェスティバルで演奏。これまでに鈴木大介、舘野泉、波多野睦美、夏木マリ、EGO-WRAPPIN'、川井郁子、中島ノブユキ、カルロス・アギーレ、東京交響楽団と共演。NHK「八重の桜」、映画「そこのみにて光輝く」をはじめ様々な録音に参加、繊細な表現には定評がある。ジャノタンゴ、三枝伸太郎Orquesta de la Esperanza、大柴拓カルテットなど数多くの楽団に参加、活動中。

三枝伸太郎(ピアノ)
1985年神奈川県出身。東京音楽大学大学院音楽科作曲専攻修了。アルゼンチンタンゴのピアニストとして 2008年よりバンドネオン奏者、小松亮太氏のコンサート・ツアー、レコーディングに参加。その後、タンゴのみならずジャズ、ポップス、ブラジル音楽など様々なジャンルで活躍。また、作曲家として、シンガーへの楽曲提供、映画音楽、舞台作品への作曲と演奏での参加など数多く手掛ける。近年は坂東玉三郎のコンサート音楽監督、劇作家・演出家点女優渡辺えりの舞台音楽、NHKBS8K「国宝へようこそ」音楽担当など。

田辺和弘(コントラバス)
クラシック、アルゼンチンタンゴ、即興演奏などで活動するベーシスト。東京芸術大学在学中からタンゴと出会い、本国アルゼンチンの若手からタンゴ全盛時代のミュージシャンとも多く共演している。即興演奏の第一人者故齋藤徹氏と出会い大きな影響を受け、共演をきっかけに様々なジャンルでも即興的なアプローチを試みている。喜多直毅クアルテットや様々なタンゴバンドに継続的に参加しつつ、ジャンルに関係なくその音楽自体の持つエネルギーを表現するべく模索、活動している。

以上、二つの公演のご案内でした。
今、12/18『異土』の方の作曲を行っているところです…。
池袋の方は後で郷土資料館的なところへ行くつもり。

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