2020年1月21日火曜日

今週末1/24,25は喜多直毅クアルテット!!!

生まれて初めて、というわけではないのですが、何十年ぶりにパソコンで音楽を作ってみました。
Sibeliusというソフトです。


パソコンの五線紙に一個一個音符を打ち込んでいく作業はなかなか根気が要りました。
それに分からないことだらけで、Facebookで訊いたりサポートに問い合わせたりしました(教えてくれた皆んなありがとー!)。
手で書けば一瞬で出来ちゃうようなこともどうやったら良いか分からなくて、ネットや本で調べたり。

しかし反面楽しくもあって、自分はパソコンで音楽を作る作業をすることがそんなに嫌いではないのではないか?と思いました。

僕の周りの演奏家は10人に7人がfinaleやSibeliusを使って作曲しています。
作曲家はもはや手書きで書いている人はいません。
20年以上も前から徐々に楽譜作成ソフトで作曲をする人達が身近に増え出しました。
「今頃使い始めたの!?」と言われそうですが、確かに僕は遅い方かも。
最近ある演奏家に僕の手書きの楽譜を渡したら、「パソコンで作った楽譜はありませんか?」と言われました。

さてこのソフトを使って感じたこと、多々ありました。
良い面も悪い面もある。
悪い面は自分のせい、または自分が気をつけなければならないこと。

パソコンで曲を作る際に感じたメリット:
1. 複雑な楽節を自由自在に編集出来る(調を変える、担当する楽器を変える、等)
2. 曲の構成を自由に変えられる
2. その複雑な楽節を曲の他の位置にコピペ出来る
3. 作った部分をそれぞれの楽器の音色で再生して確認できる
4. 一つの旋律のリズムや音高を即座に反転させ、新しい旋律として使える
5. 楽譜の見た目が綺麗で視認性が高い

手書きで作っていた頃は、曲の前半や中盤に複雑な箇所を作って、後半にも移調して再現させたい場合など大変でした。
音符が多かったりすると書く作業だけで心が折れそうになる。
頑張って書き終えても気に入らなくなると、またゼロからやり直し。
曲の他の場所に差し込んでみたら?と思っても、やっぱり手書きしなければならず、それだけで嫌になってしまう。
結局、移調は諦めて、再現させたい部分をコピーしてハサミで切ってノリで貼る、とかしていたのです。
構成の編集が本当に大変。
作曲からのストレスは半端ないものがありました。

それと僕の作る手書き譜面は本当に見にくくて、弾いてくれる人に迷惑をかけていたと思います。
間違いも多いし、上の段の8va bassが下の段の8vaに見えたりする。
曲の最後の4小節のために1ページだけ増えていたりする。

パソコンのおかげでこうしたことがかなり減りました。

しかし良い面ばかりではなく、ダメな面も…。
1. 簡単なメロディをササッと書けない(多分慣れていないから?)
2. コピペに頼り過ぎてミニマルミュージックっぽくなり過ぎる
3. ライヴなどで生身の人間が弾く為に作っている曲なのに、ついパソコンで再生した時の出来栄えを目標にしてしまう
4. 再生音に耳が慣らされて、実際に弾いた時のサウンド(倍音や良い意味での“ずれ”がある)を忘れがちになる
5. 隙間があると仕事をした感じがしない
6. 隙間にこそ生の演奏が込められるものがあり、それを忘れてしまう
7. フルスコアから生成したパート譜を読みやすくレイアウトし直さなければならない

こんな感じです。

便利な部分も多々あるのですが、気をつけていないと失ってしまいそうなものも多いと思いました。
例えば昔の大作曲家は音楽作成ソフトなしで素晴らしい作品を書いていたわけです、当たり前ですが。
書く前から全部のパートが頭の中に鳴っていた、構成も明確にあった、理論知識も豊富だった…等々、ちょっと頭が尋常ではない人しか作曲家として仕事が出来なかった。
それと霊性みたいなものも現代人以上にあったのではないか…と思います。

こういう部分を忘れずにいないと…って思いました。

先日リハーサルで実際に演奏してみました。
最初、何回か繰り返して演奏していくうちに段々音楽になってきた。
これこそ演奏者の力!と思いました。
自分の作った曲ですが、演奏するとやっぱり率先して壊しにかかる。
他の三人も曲に慣れて、もっとぶっ壊しにかかってくれるでしょう!
曲にミサイルを撃ち込む、火をつける、泥靴で踏みつける…。
これが出来るのが喜多直毅クアルテットです。
結局手で書こうがパソコンで書こうが同じなのでした。
全く別だと困るのです。

ただ作曲する上での様々なストレスから解放されたのは確か。
Sibelius様々です!


今週末はこの喜多直毅クアルテットのライヴが渋谷・公園通りクラシックスで行われます。
1日目の24日は喜多カルにしては珍しい平日夜の公演。
これまで土日の公演がほとんででしたが、案外平日夜しか来られない方が多いと分かりました。
そんな方も是非お越しください!

喜多直毅クアルテット二日連続公演~沈黙と咆哮の音楽ドラマ~
January 2020


喜多直毅クアルテット:喜多直毅(作曲・ヴァイオリン)北村聡(バンドネオン)三枝伸太郎(ピアノ)田辺和弘(コントラバス)
2020年1月24日・25日@公園通りクラシックス
喜多直毅クアルテット
Violin&Music:喜多直毅/Bandoneon:北村聡/Piano:三枝伸太郎/Contrabass:田辺和弘

喜多は音楽を、様々な思いが封じ込められた人間の「胸郭」になぞらえる。挫きの記憶、とぐろを巻くやるせなさといった、いわば負のエネルギーが詰まった鳥籠のごとき胸郭。だがこの負のエネルギーほどその人間の個性を端的にあらわすものはない—喜多の表現の要である。

文章:伏谷佳代(『JazsTokyo』No.257より抜粋)

【喜多直毅クアルテット】
2011年、ヴァイオリニスト喜多直毅によって結成された四重奏団。演奏される楽曲は全て喜多のオリジナル作品であり、その出自とも言うべきアルゼンチンタンゴからフリージャズ、即興演奏、現代音楽まで、様々な要素を呑み込んで再構築された、比類なき音楽である。ロシア音楽を彷彿とさせる濃厚な旋律と共に、日本の伝統音楽に通ずる“間”の感覚を併せ持った彼らの音楽は、その深い精神性を高く評価されている。
4人のメンバーはそれぞれの楽器における国内屈指のタンゴ奏者と目されつつ、卓越した実力により、ジャンルを超えてシーンの最先端で活躍している。この4人においてこそ実現する超絶なる表現が、聴衆の気魂を揺さぶり“ドゥエンデ(Duende)”を呼び醒ます。

出演:喜多直毅クアルテット
   喜多直毅(作曲・ヴァイオリン)
   北村聡(バンドネオン)
   三枝伸太郎(ピアノ)
   田辺和弘(コントラバス)
内容:喜多直毅オリジナル作品

日時:2020年1月24日(金)19:00開場 19:30開演
   2020年1月25日(土)14:30開場 15:00開演
会場:公園通りクラシックス(渋谷)
   〒150-0042東京都渋谷区宇田川町19-5
   東京山手教会B1F
   03-6310-8871
   ※JR・東京メトロ・東急線・京王井の頭線渋谷駅下車徒歩8分

◉入場料:どちらか1日分のご予約¥4,000
    2日連続予約¥7,000(1月24日のご来場時に¥4,000、翌1月25日に¥3,000を申し受けます)
    当日(両日とも)¥4,500
 
●2日連続予約は1月23日までにお願い致します
●1月24日に翌日1月25日のご予約を頂いた場合は¥4,000を申し受けます。
・メールでのお申し込み:violin@nkita.net(喜多)
 メールタイトルは「喜多クアルテット1月予約」、メール本文に「代表者氏名、人数、連絡先電話番号、ご覧になりたい日付」を必ずご記入の上、お申し込みください。
・電話でのお申し込み  Tel:03-6310-8871(公園通りクラシックス)
●小学生以下のお子様はご入場頂けない場合がございます。

喜多直毅クアルテット:喜多直毅(作曲・ヴァイオリン)北村聡(バンドネオン)三枝伸太郎(ピアノ)田辺和弘(コントラバス)
俺の曲を壊してくれるナイスガイ達!!!
(2020年1月20日@松本弦楽器)

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