今週土曜日午後は齋藤徹さんと即興演奏ライヴ!/演奏後記:2月25日矢萩竜太郎オープンリハーサルに参加して

皆さん、こんばんは。
あったかくなったり寒くなったりですが、お元気でお過ごしのことと思います。
花粉症の方は大変ですよね…。
僕の周りでも辛そうな方が何人もいます。
早く特効薬が見つかれば良いのにと本気で思います。

実は僕も高校生くらいまでアレルギー体質で、鼻炎・アトピー性皮膚炎・喘息の三重苦でした。
でも大学進学で岩手から東京に出て来たら治っちゃいました。
考えられる理由は
・東京の汚れた空気の方が体に合っていた
・タバコを吸い始めた
です。

普通は、空気や水の綺麗な岩手にいてタバコも吸わない方が体に良さそうなのに、僕の場合は真逆でした。
だからと言ってアレルギーの皆さんはわざわざタバコを始めたり、工業地帯に引っ越したりしませんように…!
もっと酷くなるかも知れません。

さて今週土曜日の午後は板橋区内にてコントラバスの齋藤徹さんと即興演奏のライヴを行います!

齋藤徹さん(cb)と。2015年10月5日の撮影です。

会場は板橋区役所前駅と大山駅の中間くらい。
小さな教会です(実は我が母教会)。
牧師と教会役員の皆さんにお願いして、今回場所をお借りできることになりました。

内容は三十分程度の即興演奏を休憩を挟んで二回。
この一回三十分の間に様々なノイズ・うた・リズムが生まれては消えて行きます。
それはある意味、誕生と死を連続的に感じること、刻々と変わり続ける時間を体験すること。
そして音が消えた”しじま”に立ち上る声なき声・姿なき姿にこそ、即興演奏の、ひいては音楽の醍醐味があると思います。

【公演詳細】

出演:齋藤徹(コントラバス)
   喜多直毅(ヴァイオリン)
内容:即興演奏

日時:2018年3月17日(土)14:00開場/14:30開演
会場:日本基督教団 板橋大山教会
   東京都板橋区氷川町47-3
交通:都営三田線「板橋区役所前」駅下車徒歩5分
   東武東上線「大山」駅下車徒歩8分
   駐輪場の前の坂を上がる。
   
料金:予約¥3,000/当日¥3,500
ご予約・お問い合わせ:violin@nkita.net
※お申し込みの際は《代表者氏名》《人数》《連絡先電話番号》を必ずお書き下さい。葬儀などによる公演中止の際はご連絡させて頂きます。
※会場ではご予約・お問い合わせの受付は致しておりません。

《ご注意》
・食べ物やアルコール類のお持ち込みはご遠慮下さい。
・お飲み物(ソフトドリンク)の持ち込みをなさる場合、ゴミは必ずお持ち帰り下さい。
・会場に駐車場はございません。

最近、即興演奏を通してとても素晴らしい経験しました。
昨月25日、徹さん主催で行われた矢萩竜太郎さん(ダンス)のオープンリハーサルに参加して来ました。
徹さん(コントラバス)、竜太郎さん、熊坂路得子さん(アコーディオン)、僕(ヴァイオリン)、そして会場に集った方々が楽器やダンス、声などでパフォーマンスに参加しました。
普段からプロとして人前で演奏している方もいれば、即興演奏は始めたばかりだけど参加してみたい!と言う方もいらっしゃいました。

実はこの頃、僕は心身ともに果てしなく疲れていました。
演奏の仕事・事務仕事・楽譜作りの締め切り等に追われる毎日。
しかも突然の激しい胃痛で病院に行く羽目にもなった。
その上、フリーランスに付き物の経済氷河期の到来!
本当に弱り果てておりました。

そんな状態でもいざ演奏に向かうと、『何かをしなければならない!』と思ってしまう。
何か優れたことを、何か重要であることを、と自分に求めてしまう。
それはすなわち『優れた自分でいたい』とか『重要な自分でありたい』ということであって、ひっくり返せば『他人からもそう思われたい・そう見られたい』と言うことなのでしょう。

この『より良くありたい』と言う欲求を決して否定するものではありません。
人間が成長したり、進歩したりするために必要な欲求だからです。
しかし時折、変容して、『“他人から見て”より良くありたい』になって行くようです。
あるいは何かと擦り変わった結果、過剰な承認欲求となって現れる。
これって余り人を(自分も他人も)幸せにしない欲求だと思うのです。

この日、演奏後の感想を述べ合う時間で、『自分が周りの人の演奏を壊してしまいそうで、怖くてなかなか音が出せない』という発言がありました。
(この発言をされた方、実際の演奏ではちっともアンサンブルを壊したりしていませんでした。寧ろ良いアクセントになっていました。)
怖くて音を出せないのは、僕にもままあることです。
しかしその方の話を聞いていて、僕自身はどちらかと言うと『壊し屋』だったのではないかと、これまでを振り返っていました。

アンサンブルの中で“悪目立ち”をしてしまう。
僕はそう言うタイプ…。
意図してそうすることもありますが、しかし意図せず壊していて、いつしか孤立していることもあった。
その理由が分からない間は、実人生においても大いに壁にぶち当たり、人間関係でも多くの問題を抱えていました。

そう言う時は他人の音を聴いていないだけではなく、実は自分の音をも聴いていない。
自分の音が遅れて遠く聴こえたりするのです(自分との関係さえうまくいっていない。)
では何を聴いているのか?

それはエゴだと思います。
エゴとは虚栄心、優越感、自他に対する不誠実。
音楽を第一とせず、自分自身をのみ尊ぶ気持ち。
こう言ったものに耳を奪われていたのではないかと思います。

この日のセッションで他の人たちと演奏していて、とても気持ちが良かった。
その場に流れているものに自分を溶かすように委ねて、何か漂っているように演奏をしました。
気がつくと涙が溢れそうになっていました。
心が疲れていたからでしょうか???
いずれにしても、こんな即興は初めてでした。
本当に特別なものがありました。

これ、ヴッパタールの知的障害者のアトリエで即興パフォーマンスした時と同じだ!と思いました。
Jean Sasportesさん(ダンス)、竜太郎さん、徹さん、僕の四人が参加しました。
最後に全員で踊ったんだけど、まさに”祝祭”でした。

パラダイスは確実に存在すると思います。
我々が普段生活している世界とはちょっと別の次元に。
そのパラダイスとこの世界はパイプでつながっており、誰でも行き来が出来ます。
しかしパイプはエゴによって詰まりやすく、常日頃から掃除をしておかないといけないのだと知りました。

即興。
それは生き方を学ぶこと、トライ&エラーを通して。
ちっぽけな自分自身とそれを遥かに超えて大きな音楽に出会うこと。
本当の幸せとは何か、探していくこと。
他者との調和・自分自身との調和を求めること。
今は愛を知らない人でもやがて愛を知る方法。

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