【ウタウタ plays 齋藤徹】本日のライヴのお知らせです!


当日のご案内となってしまいましたが、本日西荻窪の音や金時でウタウタのライヴがあります。

いつも演奏しているメンバーのオリジナル曲の他に、本日はコントラバス奏者・齋藤徹さんの命日ということもあり、徹さんの作った歌の作品を何曲か演奏させて頂きます。

晩年の徹さんは即興演奏の他、歌作りに精力的に取り組んでいらっしゃいました。
日本人による優れた詩に徹さんがメロディを付ける、という方法でいくつもの歌を残しました。

普通のポピュラー音楽の場合、一番と二番のメロディは同じであるため両コーラスの歌詞の音節を揃えてあるのですが、徹さんの作った歌はその形を取らないものが多く声楽曲(日本歌曲など)のフォームを持ちあわせています。
現代詩という音節の縛りのない言葉によっているため、単純に“一番→二番→間奏→サビ”の繰り返しとならず、曲の最初の部分が二度と現れずに最後まで異なるメロディで構成されていたりする。
レチタティーヴォの部分やメロディを朗々と歌う部分など様々な形式からなる作品は、まさに現代詩との融合とも言え、変化に富んでいます。

そもそも歌の言葉には言偏に“寺” と“司”があり、徹さんはどちらかというと“寺” の方を選んだ。
結果、“司”よりも言葉に沿った自由な旋律づけが可能となり、日本語の美しさや面白さがより引き立つようになっているのではないかと思います。

今回ウタウタで演奏する作品は比較的耳馴染みのしやすい楽曲が多いのですが、それでも言葉とメロディが織りなす徹さんだからこその世界に魅力を感じていただけるのではないでしょうか。

ある時、徹さんとの仕事で世界中の割とポップな曲を演奏することがありました。
かなり多くの曲を演奏しなければならなかったのですが、徹さんに渡された楽譜の中にはフォルクローレやピアソラ、ブラジル音楽の他に、美空ひばりやザ・ピーナッツや中村八大などの曲もたくさん含まれていたのです。
こうした曲を選んだことを徹さんは少し恥ずかしそうにして笑っていました。

しかしそれらは徹さんが子供の頃、ラジオなどで耳にし、いつの間にか身体に染み付いていたメロディだったのではないかと想像します。
こうした子供の頃に聴いた音楽はなかなか払拭できるものではありませんし、大人になってからもふと作曲の中に現れたりするのです。
僕自身、曲の中に80年代の『スニーカーぶる〜す』とか戦隊ヒーローものの主題歌が出てきたりするから面白い…。
今日演奏する齋藤徹ソングにもそんな片鱗が感じられるはず。
日本歌曲のような面と昭和歌謡的な面が混在する歌の数々、齋藤徹ファンの皆様にとってもユニークなライヴになると思います。
(あぁ、徹さんは今頃また天国で恥ずかしそうに笑っていることでしょう。)

歌うのは齋藤徹さんの作品を歌い続け、もはや最強のインタープリターと称して過言ではない松本泰子さん。

皆様のお越しをお待ちしております!

出演:ウタウタ
   松本泰子(vocal)
   喜多直毅(violin)
   長谷川友二(guitar)
   和田啓(percussion)
内容:齋藤徹作品、メンバーそれぞれのオリジナルソング

日時:2022年5月18日(水)18:30開場 19:00開演
会場:音や金時(西荻窪)
   
   東京都杉並区西荻北2-2-14喜志コーポB1
   03-5382-2020

料金:3,000円+オーダー

無料配信となりますが、 出演者へのご支援として、「投げ銭」を以下にて受け付けております。
どうぞ宜しくお願い致します。

※写真は2014年1月9日、墨田トリフォニーで行われた『オペリータ うたをさがして』の一場面。バンドネオン演奏はオリヴィエ・マヌーリ氏。

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