いよいよ即興弦楽トリオOFF/STRINGのツアーが始まります!

Sebastian Gramss(contrabass) Harald Kimmig(violin) 喜多直毅(violin)
OFF/STRING
Sebastian Gramss(contrabass)Harald Kimmig(violin)喜多直毅(violin)

ドイツから素晴らしい二人の弦楽器奏者を招きツアーを行います。
コントラバス奏者のSebastian Gramss(セバスチャン・グラムス)、ヴァイオリン奏者のHarald Kimmig(ハラルド・キミッヒ)の両氏です。

以下、それぞれのプロフィール。

Sebastian Gramms(セバスチャン・グラムス)コントラバス・作曲

2013年・2018年ECHO賞(ドイツジャズ大賞)を受賞。前回来日の際、インプロとジャズを軽々と越境し、深いパッションと素晴らしいオリジナリティを発揮した演奏は、その親しみやすい人柄とともに、多くの日本のリスナーを魅了し驚愕を与えた。
ケルン音楽大学・オスナブリュックIFM教授。25枚のCDを発表。ラジオドラマ・映画・演劇・ダンス(ピナ・バウシュも)の為の音楽を提供。アンサンブル・モデルンともコラボレーションを行う。2012年、BASSMASSEを50台のコントラバスで組織する。「Thinking of Stefano Scodanibbio」でSCHALLPLATTENKRITIK賞を受賞。ベースDUOツアーを続行中(バリー・ガイ、マーク・ドレッサー、バール・フィリップス、齋藤徹、ジョエル・レアンドル、ウィリアム・パーカー)。アフリカ・韓国・南米・インド・日本・アメリカ・ロシアで演奏。
主な共演者:

Marilyn Crispell, Aki Takase, Fred Frith, Sidsel Endresen, Tom Cora, Peter Kowald, Peter Br?tzmann, John Tilbury, Vinko Globokar, Stefano Scodanibbio,Le Quan Nihn, Zeena Parkins, Elliot Sharp, Conny Bauer, Pina Bausch, Rick Moody (author)、他。
主な参加グループ:
UNDERKARL, SLOWFOX, FOSSILE3, STATES OF PLAY
齋藤徹とはDUO CD「楽」、「BASSMASSE」、「Thinking of…Stefano Scodanibbio」で共演。「楽」(DUOでのドイツツアーから収録)ではHarald Kimmig(ヴァイオリン)とのトリオトラックがある。

Harald Kimmig(ハラルド・キミッグ)ヴァイオリン・パフォーマンス・作曲

第一線のインプロヴァイザーとしてヨーロッパで活躍中。その身体性を活かしたパフォーマンスは驚異的であり、他のジャンルのアートとインプロという方法で越境する。哲学者・医者・心理学者・ダンサー・音楽家を中心としたシンポジウムやワークショップも主催。キミッグ・シュチューダー・ジンマーマリンというトリオを組織。ジョン・ブッチャーをゲストにCD制作。「ヒューマン・ファクトリー」と名づけた企画ではAnnette Pehnt(文学者)、Axel Malik(映像作家)、Lilo Stahl, Hideto Heshiki, Michael Schumacher u.v.a.m.(ダンサー)らと共同制作。Netzwerk Neue Musik Baden-WurttembergでVillingen-Schwenningen市よりレジデンスアーティストとして招かれ制作を行う。トロッシンゲン音楽学校ではインプロを教え、フライブルグTIP(ダンス・インプロ・パフォーマンス学校)、バーゼルやベルンの音楽学校で客員教授を続ける。セシル・テイラーとの共演盤2枚。齋藤徹・セバスチャン・グラムスのドイツツアーDUOのCDでは1曲参加。

お読み頂いてお分かりいただけると思いますが、二人とも第一線で活躍する奏者たちです。

僕は、セバスチャンとは三回(一回は日本で、二回はドイツで)、そしてハラルドとは一回ドイツで共演しています。
二人ともオリジナリティに満ちた演奏をし、それぞれのファンタジーを持ち、そして技巧に長けています。

例えばセバスチャン。
彼のこのソロ動画をご覧下さい。


最初はジャズっぽいソロから始まり次第に様々なフェイズが現れ、弓を二本使ったり頭部で弦を押さえるような奏法が登場します。
個人的には深い森や深海を遊泳する鯨をイメージしました。
この動画を見ていると、彼がコントラバスという楽器の可能性をこれでもかというほど開いて見せてくれているような気がしてきます。

そしてハラルド。
SNSにはこの動画をたくさんシェアしました。


しかしこれだけですとどうもアクロバティックなヴァイオリニストとしての印象が強いかも知れません。
僕は、彼が単なる曲弾きヴァイオリニストだと見なされるのを危惧しており、もっと他の動画をシェアすべきだったかも知れないと思っています。

ドイツで身体表現について彼に色々と話を聞いてみたのですが、全ての動きはヴァイオリンを弾く動作から始まっているのだそうです。
弓の上げ下げと呼吸と言った基本動作からスタートし、それを発展していった結果、現在のパフォーマンスに達したのだそうです。
そしてこのヴァイオリンを弾く動作に加えて『水の動き』を意識しているそうです。
(道理で彼からもらったCDに、水の流れる音にヴァイオリンソロを重ねたものがありました。)

この動画にはまるで腹筋しながらヴァイオリンを弾いているように見える部分があります。
確かにこんな姿勢でヴァイオリンを弾くには相当筋力トレーニングが必要です。
実は他のヴァイオリン奏者でも、アクロバティックな弾き方をしている人が実際にいます。
やっぱり腹筋をしながら弾いている…。
しかしそれはハラルドとは違い、何というかエンターテインメント的な弾き方で、「俺、こんな弾き方も出来るんだぜ!」「すげえだろ!」という波動を感じます。

ではハラルドの場合は?
動き・音・そして共演者(ダンスや美術の人など)とひっくるめて観た時に、そこに”美学”が感じられる。
また高い作品性が感じられ、そこに向かうために肉体を使っているのが分かる。
そして動機にひけらかしが感じられない、先述のヴァイオリニストのような。

ヴァイオリンとはもともと身体性の高い楽器ですが、セバスチャンがコントラバスという楽器の可能性を追求しているのと同様に、ハラルドはヴァイオリンと身体の関係を追求しているのではないかと思います。
そこには演奏する事・音楽する事に対する問いがある。
また“演奏する身体”に対する問いもある。

今回のツアーブッキングは演奏家中心のコンサートが多くなりましたが、11/11には田園調布のいずるばにて矢萩竜太郎さん(即興ダンス)とのセッションが予定されています。
この日はハラルドの生徒の藤波圭介さんも通訳としてだけではなく、トロンボーン奏者・パフォーマーとして参加予定です。
詳細はこの記事の下の方までスクロールしてご覧下さい。

ハラルドに関しては身体性の側面ばかり注目してしまいがちですが、演奏ももちろん凄いです!
色々ご紹介したい動画がありますが、僕はこのトリオが大好きです。


ハラルド曰く、これはコンセプチュアルな即興だそうです。
3人が繰り出す様々なサウンドがナイフの様に空を切る。
全員のサウンドの切り替えがめちゃめちゃ速い!
まるで急カーブの出来るF1みたいです!
実はコントラバスのDaniel Studer氏の演奏は以前パリで聴いたことがありその時から素晴らしいと思っていたのですが、ここで繋がっていたとは!
世の中狭いですね。

さて今回のこのツアーはもともとコントラバス奏者の齋藤徹さんが企画したものです。
徹さん、セバスチャン、ハラルド、僕の四人で今年六月、南ドイツを中心に何箇所かでライヴを行いました。
次は日本で会おう!と言って二人と別れたのですが、残念ながら徹さんは病気療養の為にこのツアーには参加できなくなってしまいました。

齋藤徹(contrabass)Sebastian Gramss(contrabass)Harald Kimmig(violin)喜多直毅(violin)

本当ならば四人の弦楽器奏者で構成されているOFF/STRING。
しかし今回はトリオです。
トリオというものは『クアルテットに一人足りない』とか『クアルテット引く一人』ではありません。
全く別のアンサンブルだと考えています。
もちろん徹さんがいてくれるに越したことはありませんが、今はゆっくり療養していただいて、3人の演奏はしっかりと充実したものにしたいと思います。

また会場によっては何人もの素晴らしいゲストをお呼びできることになっています。
皆さん、どうぞご期待下さい!

◉11/4(日)つくば
出演:Sebastian Gramss(contrabass)
   Harald Kimmig(violin)
   喜多直毅(violin)
内容:即興演奏
日時:2018年11月4日(日)14:30開場/15:00開演
会場:つくばアートセンター・TFSギャラリー
   茨城県つくば市花室981
料金:無料
ご予約:必要ありません。

◉11/5(月)上尾


出演:Sebastian Gramss(contrabass)
   Harald Kimmig(violin)
内容:即興演奏
日時:2018年11月5日(月)19:00開場/19:30開演
会場:Barber Fuji(上尾)
   埼玉県上尾市愛宕2-12-17
   048-772-2175
料金:4,000円(終演後参加費無料の交歓会があります。)
ご予約:048-772-2175(Barber Fuji)

◉11/7(水)名古屋




出演:即興弦楽トリオOFF/STRING+松本泰子
   Sebastian Gramss(contrabass)
   Harald Kimmig(violin)
   喜多直毅(violin)
   ゲスト:松本泰子(vocal)
内容:即興演奏、齋藤徹オリジナル作品
日時:2018年11月7日(水)18:30開場/19:00開演
会場:Enne_nittouren
   愛知県名古屋市東区代官町26-20 日陶連原料ビル1F
   090-2573-7120
料金:ご予約¥4,000/当日¥4,500
ご予約・お問い合わせ先:
   ピアノハウスエムエムジー 052-806-3023 or pianohouse.mmg@gmail.com
   お名前・人数・ご連絡先をお知らせ下さい。

ここで番外編として松本泰子さんと大阪在住のバンドネオン奏者・清川宏樹さんとのライヴを行います。
即興演奏ではなく、タンゴや日本の歌、オリジナルなどを演奏いたします。

◉11/8(木)大阪



出演:喜多直毅(ヴァイオリン)
   松本泰子(歌)
   清川宏樹(バンドネオン)
内容:オリジナル楽曲、日本の歌、ヴァイオリンとバンドネオンによるタンゴetc.
日時:2018年11月8日(木)18:30開場/19:30開演
会場:先杯(大阪天満)
   大阪府大阪市北区天満3-6-10 沼田ビル1F
   06-7504-7814
料金:予約¥3,000/当日¥3,500(ワンドリンク付き)
予約:06-7504-7814(先杯)またはhrk.kiyo@gmail.com(清川)

◉11/9(金)大阪



出演:即興弦楽トリオOFF/STRING+松本泰子
   Sebastian Gramss(contrabass)
   Harald Kimmig(violin)
   喜多直毅(violin)
   ゲスト:松本泰子(vocal)
内容:即興演奏、齋藤徹オリジナル作品
公演特設サイト:STRING QUARTETT + NATURATECTURE
日時:2018年11月9日(金)18:30開場/19:00開演/21:30終演予定
開催場所:中之島公園 芝生広場(大阪)
   大阪府大阪市北区中之島1-1
料金:前売券3,000円(1drink 別)/当日券3,500円(1drink 別)
ご予約・お問い合わせ先:こちらのURLで受付しております。
協力:ドイツ連邦共和国外務省、堺ジャズ愛好会、Garden design office 萬葉、super architects、FUJI建築工房

◉11/10(土)代々木



出演:Harald Kimmig(ヴァイオリン)
   喜多直毅(ヴァイオリン)
内容:即興演奏
日時:2018年11月10日(土)18:00開場/18:30開演
会場:松本弦楽器(代々木)
   東京都渋谷区千駄ヶ谷5-28-10
   ドルミ第二御苑804号室
   03-3352-9892(場所の問い合わせのみ受け付け)
料金:予約3,500円/当日4000円(1ドリンク付き)
ご予約・お問い合わせ:violin@nkita.net(喜多)
※12名様限定です。ご予約はお早めに!
※会場は普通のマンションです。18:30にメインエントランスが閉まってしまいますので、遅刻にご注意下さい。
※お申し込みの際は《代表者氏名》《人数》《連絡先電話番号》を必ずお書き下さい。

◉11/11(日)田園調布



出演:Harald Kimmig(ヴァイオリン、レクチャー)
   矢萩竜太郎(ダンス)
   喜多直毅(ヴァイオリン)
   藤波圭介(パフォーマンス、トロンボーン、通訳)
内容:Haraldを中心としたセッション、即興や身体性についてのレクチャー、ワークショップを予定しています。
日時:2018年11月11日(日) 16:30開場/17:00開演
会場:いずるば(沼部・多摩川)
   東京都大田区田園調布本町38-8
   03-3721-8760
料金:¥3,000
   ※同日14:00から行われる“いずるばオープンリハーサル”参加者は¥2,000でご入場頂けます。
予約:080-3584-3315、又はstudio-info@izuruba.jp

◉11/13(火)成城学園



出演:Sebastian Gramms(コントラバス)
   Harald Kimmig(ヴァイオリン)
   喜多直毅(ヴァイオリン)
   五十嵐あさか(チェロ・声)
   深山マクイーン時田(箏)
内容:即興演奏
日時:2018年11月13日(火) 19:00開場/19:30開演
会場:アトリエ第Q藝術1Fホール(成城学園)
   東京都世田谷区成城2-38-16
   03-6874-7739
料金:ご予約¥3,500/当日¥4,000
ご予約:03-6874-7739 / q.art.seijo@gmail.com
    violin@nkita.net

◉11/14(水)青山一丁目・赤坂



出演:Sebastian Gramss(contrabass)
   Harald Kimmig(violin)
   久田舜一郎(小鼓)
   喜多直毅(violin)
   黒田京子(piano)
   松本泰子(vo)
内容:即興演奏、齋藤徹オリジナル作品
特設Website
日時:2018年11月14日(水)開場19:00/開演19:30
会場:ドイツ文化会館・OAGホール(青山一丁目・赤坂見附)
   東京都港区赤坂7-5-56ドイツ文化会館内
   03-3584-3201
料金:¥4,000/¥4,500(ワンドリンクつき)
ご予約・お問い合わせ先:
   電話:03-3584-3201(ドイツ文化会館)
   メール:violin@nkita.net

僕はヴァイオリニストですので、どうしても同じヴァイオリン奏者のハラルドの記事が長くなってしまいました。
しかしハラルドのパフォーマンスには言い尽くせない魅力があると思います。
僕は身体表現アートには疎いところがあるのですが、しかし例えば11/11の彼のレクチャーを通して得られるものは大きいと思っています。
今回のツアーは是非弦楽器奏者の方に観て頂きたい。
普段クラシックを演奏していても我々の演奏を一度聴いて頂き、その後でまたクラシックに向かう。
そうするとバッハでもベートーヴェンでもブラームスでも、捉え方が何か変わっているのをお感じいただけるのではないかと思います。

ということで、皆さん、是非お誘い合わせの上お越し下さい!

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