ダンス公演『MeinSchloss~私の城~』第二日目終了、Ottoさんの個展でミニライヴ

深堀絵梨(女優・ダンサー)喜多直毅(ヴァイオリン奏者)
深堀絵梨(女優・ダンサー)喜多直毅(ヴァイオリン奏者)
『Mein Schloss ~私の城~』の一場面。

前回の更新からすっかり時間が経ってしまいました、済みません。
実は既にドイツ在住の振付家・皆藤千香子さんの作品のリハーサルに入っており、僕も毎日飛んだり跳ねたりしています。
ああ、筋肉痛が…。

以下、前回の記事の続きです。

『MeinSchloss~私の城~』、二日目も無事終了致しました。
僕は前日の演奏をちょっと反省し、“今”と“ここ”にもっと反応して行く様にしました。
こうなると断然楽しい!
時間の最前線にいる気がしました。
やっぱりこうじゃなきゃね!

二日目終演後、ロビーで語り合う人々。

振り付け&演出のJean Sasportesさん、音楽監督の齋藤徹さんも総合的に二日目の方を気に入っていたようです。
作品全体が昨日よりも生きて動いている気がしました。

昨年の公演の写真を元にフォトブックが出来ました!

終演後、見に来ていた人達(一般の方々、ダンス関係者)と色々と話しました。
やはり一番話題になったのが、作品に自閉症特有の動作や話し方を取り入れた事。

自閉症の人々の模倣をどの程度行うか(全く取り入れないのか)。
実はこれ、去年の初演のリハーサル時から出演者同士で話し合っていたことなのです。
(当然のことながら、自閉症の方々の動作や話し方を真似ることに、“揶揄”や“からかい”の気持ちは一切ありません。)

もしかしたら特徴的な動きや話し方は一切取り入れず、もっと別の表現で作品を作ることも出来たかも知れません。

表れとしての身振りや話し方をダンスの参考にすることは“有り”だと思います。
音楽もそこから着想を得られると思う。
しかしそれを通してもっと深い所に達することが出来なければ…。

恐らく出演者の誰もが皆、こうしたことを考えながら作品作りに取り組んでいたと思います。
リハーサル期間中『ちょっと直截的過ぎるのではないか?』『もっと他の表現があるのではないか?』『自閉症の方の家族が不愉快に思うのでは?』という声が出演者から出たこともありました。

しかし自閉症と普段から向き合っている方々(家族、医療関係者、施設スタッフ)から好評を得た事は、この作品の方向性に対する一つの評価と判断出来るでしょう。
『模倣する・しない』を超えたものが作品にこもっていて、それが見る人に確実に触れたからこそ、暖かい拍手を受ける結果となった。
この公演は成功だったと言って間違いありません。

ただ、『もし模倣を全く取り入れずに自閉症についての作品を作るとしたら?』と言う問いも残しておきたい気がします。
今回、ベルリンやケルンの関係者も観に来ていたので将来の上演につながるかも知れませんが、この作品を行い続ける限り模倣についての問いは付いて回る様な気がします。
その問いは出演者側だけではなく、お客さん側から発せられる可能性も大いにあります。

自閉症に限らず、障がいというものを作品に取り入れることはとても難しい。
今後僕自身が中心となって、この様な作品作りを行う機会があるかも知れません。
その時は『Mein Schloss ~私の城~』を通して考えた事、経験が大きなヒントになるだろうと思います。


さて公演翌日はヴッパタール在住の美術製作家のOtto Zechさんの個展で、齋藤徹さん(コントラバス)とデュオのミニライヴ。
Ottoさんは『Mein Schloss』の主催者・Stephanieさんのパートナーです。
昨年はご自身が運営に携わる障害者の為のアトリエで、渡独中のダンサー・矢萩竜太朗さん、Jean Sasportesさん、徹さん、僕によるダンスと音楽のライヴを開いて下さいました。

Otto Zechさん(美術作家)


Ottoさんの作品は異素材によるコラージュ、立体など様々。
どの作品にも温もりを感じました。





個展&ミニライヴの会場は何とドイツ社会民主党の事務所。
と言っても、それ程政治的な意味合いの深い個展ではない様でした。
でも政党事務所でこんな現代美術の個展が行われるなんて、さすがドイツですね!

ライヴでは『Mein Schloss』で使った徹さんのオリジナル曲を演奏。
振り付けのきっかけ等から離れ、自由にのびのびと演奏しました。
お客さんからも大変喜ばれました!

喜多直毅(vln)Otto Zech(美術作家)齋藤徹(cb)
Ottoさん、齋藤徹さんと作品の前で記念撮影
2017年4月28日@SPD, Wuppertal

ここでちょっと宣伝です!
6/18、齋藤徹さんとの久しぶりのデュオライヴを巣鴨のレソノサウンドで行います!
皆さん、ぜひお運び下さい!

出演:齋藤徹(コントラバス)
   喜多直毅(ヴァイオリン)
内容:即興演奏

日時:2017年6月18日(日)14:30開場/15:00開演
会場:レソノサウンド(巣鴨)
   東京都豊島区巣鴨1-3-3
   03-3945-5108(予約受付は致しません)
   地図 https://goo.gl/JzBf46

料金:ご予約¥3,000/当日¥3,500
予約・問い合わせ:violin@nkita.net(喜多)

齋藤徹(contrabass)喜多直毅(violin)
齋藤徹(contrabass)喜多直毅(violin)
2017年4月27日『Mein Schloss ~私の城~』公演
Haus der Jugend Barmen楽屋にて


このデュオ、一年以上やっていなかったかも…。
コントラバスとヴァイオリンで色々なサウンドを描きます。
どうぞお誘い合わせの上、お越し下さい!


僕は現在、デュッセルドルフのWeltkunstzimmerという所におります。
廃工場を改造した施設で、ギャラリーやライヴハウス、スタジオなどがあります。
ここには芸術家が長期滞在して作品作りが出来る様に宿泊施設もあります。
(昨日はこの宿泊施設の廊下でインスタレーションの展示があって面白かったです!)
僕はその一室に寝泊まりして、午前中〜夕方は皆藤千香子さんのダンス作品のリハーサル、夜は事務仕事(日本とのやりとり等)をしています。

日本を発つ前にやり残した仕事が結構あり、ドイツで時間を見つけてやってしまおうと思っていたのですがなかなか難しい…。
ダンスのリハーサルで思いの外疲れてしまい、パソコンに向かうのが大変だったりします。

こんな毎日ですが、元気回復の為にはやっぱり美味い食事!
お気に入りはトルコ料理のインビス(簡単な食堂)です。
見てくれ、この山盛りの肉!

ドネルテラー。これとミネラルウォーター一本で€9。ガッツリ牛肉が嬉しい!

隣に座っていた韓国人観光客に写真を撮らせてくれと言われました。
そしてこのヨーグルトソースとスパイシーなソース二種類、勢いよくドバドバッとかけてくれましたが、実に辛くて素晴らしい!
このインビスは店員の兄ちゃん達もフレンドリーで気に入りました。
全員地元のサッカーチーム・Fortuna Dusseldorfのシャツを着て、気合いが入っています!

今日もたくさん食べたし、明日からも頑張ろう!



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