演奏後記:2015/10/16八木美知依(箏)+喜多直毅(ヴァイオリン)@大泉学園インエフ

八木美知依, Michiyo Yagi, 喜多直毅, Naoki Kita
お茶目な八木美知依さん(箏)、喜多直毅(ヴァイオリン)

ううう、なかなか書けないっすね〜、演奏後記。
事務仕事が溜まりまくっていて落ち着いてブログを書けません。
そうこうしているうちに後記を書いていないライヴもどんどん増えていく…。
取り敢えずそれらは置いといて、本日のライヴについて少しだけ書こうかと思います。

今まで何人かの素晴らしい箏曲家の方々とご一緒するチャンスを頂いてきました。
箏の音が大好きなので共演の度に胸を弾ませていました。
しかしヴァイオリンが演奏家によって音色も表現も違うように、箏だって違います。
沢井一恵さん、竹澤悦子さん、丸田美紀さん、螺鈿隊の皆さん…。
それぞれのサウンドがあり表現がある。
究極的には楽器を超えて『人』なんだなと思います。

本日は八木美知依さんと初共演でした。
お名前とご活躍は随分前から伺っておりました。
でも今までご一緒したことは無かったですし、一度共演させて頂きたいと思っていたのです。

それにしても多彩なサウンドだなぁ!!!
エフェクターを駆使して放たれる音はまるで万華鏡の世界。
本当にカラフル。
そして手触りも感じる。
固い、柔らかい、冷たい、熱い、等々。
この様なサウンドに包まれて演奏させて頂きました。
楽しかったです!
共演、有難うございました!

実は僕はエレクトリック・ヴァイオリンもエフェクターも挫折した人間なのです。
なので今は『手』で音色を変えています。
これはこれで面白い。
スル・タスト、スル・ポンティチェロ、チチャーラ、タンボール、様々な種類のピチカート。
西洋音楽にはない曖昧な音程(アラブ音階とは異なる)、色々なヴィブラート、裏板を擦る、指板を弓でしばく…。
本当に数限りない。

とは言え、エフェクターもエレクトロニクスも追求すれば切りがないんだろうなぁ。
前に友人の作曲家がヴァイオリンとエレクトロニクスの為の曲を作り、初演を頼まれました。
僕は自分ではコンピューター操作ができないのでマイクの前で弾いているだけ。
友人とご主人がマニピュレーター。
自分の弾いた音が複雑に変化していって凄く面白かったです!
ハマったら抜け出せないかも…。
我々はこの曲を日本はもとより、韓国やスロベニアでも演奏しました。
特にスロベニアでは大きな拍手を頂くことが出来ました。
また弾きたいなぁ…。

さて、今日は八木さんは箏の演奏ばかりではなく、歌も歌って下さいました(箏の弾き語り)。
これがとても素晴らしかった!
歌声も見事だったのですが、特に歌詞に心を打たれました。
共感を抱いたのです、その言葉の奥にある気持ちに。
勿論、この歌の最中に弾いてらした箏も素晴らしかったです。
深い霧の向こうに茫漠たる風景が見えてくるようでした。

それにしても器楽奏者でありながら、自分で作った歌も歌えるって本当に羨ましい!
俺もカラオケでアニソンを歌っている場合じゃないぞ!!!
明日から割り箸を咥えてヴォイトレだ!

丁度カラオケ中の写真があった。歌っているのはロシア民謡かトータス松本。

追記:
本日のライヴはインエフのマスター・佐藤さんのご媒酌によるもの。
こうして新しい出会いを作って下さったことに心から感謝致します!
佐藤さん、あざーっす!