『日本の作曲2010-2019 サントリー芸術財団創設50周年記念』日本の作曲2010-2019 に取り上げて頂きました。

こちらの本に掲載して頂きました。


サントリー芸術財団創設50周年記念

片山杜秀、白石美雪、長木誠司、野々村禎彦の4人が、2010年から2019年までに作曲あるいは発表された作品のなかから、88人の作曲家による160作品を座談会形式で論評。
(アルテスパブリッシング書籍紹介ページより引用)

拙作『幻の冬 / 喜多直毅クアルテット』について野々村禎彦さんが紹介してくださっています。

 

それに伴い僕のこれまでの音楽活動の変遷についても説明してくださっています。

先にFacebookでご紹介した評論家・小沼純一さんの本も同様、こうした形で紹介していただけるのは本当に嬉しいです。
これからも良い音楽作りをして参りたいと思います。

僕は人様に依頼されて作曲した事はほとんど無いのです。
名刺にはヴァイオリン奏者としか書いておらず作曲家とは一切名乗っていません。
しかし作曲はしている。
自分で演奏することを主眼とした作曲であり、一言で言ってしまえば“自作自演家”なのだと思います。

ソロの活動はほとんどしていませんので、僕のオリジナル曲の演奏にはいつも共演者の存在と協力があります。
彼ら・彼女らの力によって僕の書いたものが実際に音になり、聴衆へと届けられるのです。
僕1人の力では叶わないことであり、たとえ作品として不完全なものであっても皆んなの力が音楽を生きたものにしてくれる。
特にこの作品(幻の冬)では北村聡(Bandoneon)、三枝伸太郎(Piano)、田辺和弘(Contrabass)(敬称略)がそれぞれに創造性を発揮し、音楽をより高く深いものにしてくれました。
感謝の気持ちを忘れずに、これからも仕事をしていきたいと思っています。

ところで、いつか自分がいつもヴァイオリンで弾いているオリジナル曲を他のヴァイオリニストが弾くのを聴いてみたい。
自分が『こうだ』と思っているものが全く違う角度から解釈されて演奏される。
聴いてはみたいけれど、そんな機会は恐らく一生ないかも知れません。

こんなことを夢想していないで、曲作りに取り掛かった方が良い。
誰も拾うことのない小石、忘れられた過去、届くことのない叫び。
そう言ったものを自分なりに探し続け、音楽にしていきたいと思っています。

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