北海道の思い出

北海道へは何回も行っています。
小学生の頃、夏休みの家族旅行で連れて行ってもらいました。
台風と共に本土から渡り、行く先々で大雨だの洪水だので散々でした。
苫小牧の親戚の家に泊めてもらったのですが、そこのお姉さんから色んな漫画を借りて読みました。
一番衝撃的だったのは楳図かずお先生の『まことちゃん』です。
こんなに面白い漫画があったのかと思いました。

登別のクマ牧場にも連れて行ってもらいました。
堀を隔てた飼育場にクマが所狭しと立ち並び、観光客に向かって餌をねだっているのです。
人間の入った着ぐるみのように見えて、ちょっと悪夢のような光景でした。

クマ牧場と同じく登別の温泉ホテルにも泊まりました。
今でこそ違いますが、当時はまだ男湯の方が大きかったのです。
何種類ものお風呂があって、僕はそこに二時間くらいいました。
親が心配して様子を見にきたくらいです。

さて男湯と女湯は普通は壁で仕切られているものですが、そこは高さ2メートルくらいの生垣があるだけでした。
その生垣の前に男性がズラリと並んで、葉っぱや枝の間から女湯をのぞいていました。
これには子供ながら驚きました。
こんなインモラルな行為が公然と行われていて、しかも誰も注意しない。
きっと温泉側も黙認しているのでしょう。
あぁ、あんな大人にはなりたくない…と思いました(なっていません)。

ここまでは子供の頃の思い出。

大人になってからは観光で北海道に行くということは全く無くなり、仕事で行くだけになりました。
僕はツアー先で観光することは滅多にありません(演奏以外のことにエネルギーを使わないようにしたいから)。
しかし一日オフの日があれば話は別です。

何年前だったか、ピアノの黒田京子さんと二人で北海道に行きました。
その時、ちょうど1日だけ休みが取れたのです。
それならば、ということで、僕の希望で富良野へ行くことにしました。
ラベンダーも何もない冬の季節です。

富良野では有名なカレー屋さんにも行きました。
そこはカレーのルーをお代わり出来るのですが、その時厨房に向かって『ルールルルー』とキタキツネを呼ぶ時みたいに声をかけなければならない。
そういうルールがあって、ある雑誌にも載りました。
何だろう、この罰ゲームは、と思いながら小さい声で「ル、ル…、ルー、ル…」とまるでモールス信号のように言いました。
すると相席の夫婦の旦那さんの方が「そんな声じゃ聞こえないよ!もっと大きい声で言わなきゃ!」と言ってきたのです。

カレーを食べ終わってからレンタカーを借りてドラマ“北の国から”のロケ地に行きました。
運転は黒田さんです(僕は免許を持っていない)。
ロケ地についてスマホからさだまさしさんのテーマソングをかけて歩きました。
気分は完全に黒板純君です。
僕は彼と同学年で、勝手にファンになっています。
帰りにグッズ売り場で五郎さんの帽子を買いました。

五郎さんの家です。風力発電のプロペラが取り付けてある。

実は黒田さんはこの“北の国から”にちっとも興味はないし、何の思い入れもないのです。
それなのに富良野にまで一緒に来て、運転もさせられ…、何とも申し訳ないです。
しかも他のツアーではまた僕の希望で浜中町というモンキー・パンチさんの生まれ故郷に行き、ルパン三世のバスの前で僕の写真を撮ってくれたりしたのです。
もちろん黒田さんはルパン三世にも興味はありません。

浜中町のルパン三世バス。

また二人で北海道に行きたいねと話し合っています。
今度こそ黒田さんの希望する場所でオフの日を過ごしたいと思っています。

北海道は何度行っても食べ物が美味しく、人もカラッとしていて、しかも優しい。
夏は爽やかだし、それに田舎の景色は広々として落ち着いた気分になります。
しかしヒグマは怖い。
札幌はともかく、ちょっと町外れに行くとすぐ「ここはヒグマは出ますか?」とか聞いてしまいます。
熊は人間が生きたまま内臓から食べると言います。

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