明日・明後日午後は喜多直毅クアルテット@渋谷・公園通りクラシックス!!!

明日・明後日と渋谷・公園通りクラシックスで喜多直毅クアルテットのライヴが行われます。
今回は『文豪』と銘打ちました。
毎回、タイトルをつけて公演を行なっていますが、それは何のためか?

まず自分にその公演タイトルの新曲を作ることを課すため。
僕はとんでもない怠け者なのでこうして自分で自分を追い込まない限り、作曲をしなくなる恐れがあります。

それと毎回の公演をアルバムを一枚作るような気持ちで行いたいと思っており、そのアルバムタイトルが公演タイトルとなっています。
もちろんアルバム一枚分の新曲(約10曲)を毎回作るのは無理なので古い曲も使います。
あくまで“気持ちの問題”、意気込みみたいなものです。
プログラムの構成によって、古い曲も新鮮に聴いていただくことは可能かなと思っています。

今回の公演タイトルは『文豪』ですが、フライヤーには薄くボカしたドストエフスキーのイラストを入れています。

人間の心の中にある葛藤。
葛藤は誰の心の中にもあり、人が人と関わることはすなわち葛藤と葛藤がぶつかり合うことだと思います。
ぶつかり合う時、人間の心はどんな音を立てるでしょうか?
それはどんな音楽でしょうか???

また人間が自分の心の内側を覗き込む時、恐ろしく深い闇や泥にまみれた自分自身を見ることがある。
すると自分と自分自身との間に軋みが生じる。
その軋みは一体耳にどう聞こえるのか。
ノイズやクラスターなのか、或いはメロディのようなものなのか。

また人は不条理の中で生きている。
正義が必ず勝利をおさめるわけではなく、悪が勝ち誇ることも多い。
なぜ神は人間の罪や悪を放置しているのか。
この世界に投げ出された人間はどう生きたら良いのか。
どんな顔をして、どんな足取りで歩いていくのか。

このようなことを音楽を通して表現できたらと思っています。
音楽は抽象的なメディアですが、その音楽を聴いた時に心の中に漠然と浮かぶものがある。
それは言葉を持たない文学(小説、詩等)と呼べるかも知れません。
物語として体をなす前の物語。
ストラクチャーを持つ前の、前後関係や時系列さえ曖昧なストーリー。
そのように捉えどころのない曖昧模糊としたものでも、何か多くの言葉たち(意思)が心に充満している…。
それらを表現することに音楽は長けた形態だと思います。
特にクラシック音楽のロマン派作品はこうしたことを題材にして来たのではないでしょうか。
最近ベートーヴェンの後期ピアノソナタを良く聴いています。

こんな解説は蛇足かもしれません。
それぞれの聴き方・感じ方でお楽しみ頂ければ嬉しいです。
とにかく明日はどうぞ渋谷へお出かけ下さい!

喜多直毅クアルテット二日連続公演
『文豪』~沈黙と咆哮の音楽ドラマ~

喜多直毅クアルテット二日連続公演『文豪』~沈黙と咆哮の音楽ドラマ~
2018年10月27日(土)、10月28日(日)※2日連続公演
喜多直毅クアルテット二日連続公演『文豪』~沈黙と咆哮の音楽ドラマ~
喜多直毅(作曲・ヴァイオリン)北村聡(バンドネオン)三枝伸太郎(ピアノ)田辺和弘(コントラバス)

婆娑羅(ばさら)の絢爛と荒涼の静寂、その両極を結ぶ音楽。畏怖と激情と両立させる音楽—境界音楽の騎手として、このクァルテットはどこまで疾走し続けるのだろうか。
文章:伏谷佳代(『JazzTokyo』No.245より抜粋)

【喜多直毅クアルテット】
2011年、ヴァイオリニスト喜多直毅によって結成された四重奏団。演奏される楽曲は全て喜多のオリジナル作品であり、その出自とも言うべきアルゼンチンタンゴからフリージャズ、即興演奏、現代音楽まで、様々な要素を呑み込んで再構築された、比類なき音楽である。ロシア音楽を彷彿とさせる濃厚な旋律と共に、日本の伝統音楽に通ずる“間”の感覚を併せ持った彼らの音楽は、その深い精神性を高く評価されている。
4人のメンバーはそれぞれの楽器における国内屈指のタンゴ奏者と目されつつ、卓越した実力により、ジャンルを超えてシーンの最先端で活躍している。この4人においてこそ実現する超絶なる表現が、聴衆の気魂を揺さぶり“ドゥエンデ(Duende)”を呼び醒ます。

・出演
 喜多直毅(音楽とヴァイオリン)
 北村聡(バンドネオン)
 三枝伸太郎(ピアノ)
 田辺和弘(コントラバス)

・日時:2018年10月27日(土)、10月28日(日)※2日連続公演
    両日共13:30開場/14:00開演
    ※27日、28日ではそれぞれ異なる曲目を演奏いたします。

・会場:公園通りクラシックス(渋谷)
    〒150-0042東京都渋谷区宇田川町19-5
    東京山手教会B1F
    03-6310-8871
    JR・東京メトロ・東急線・京王井の頭線渋谷駅下車徒歩8分
・入場料:どちらか1日分のご予約¥4,000
    2日連続予約¥7,000(10月27日のご来場時に¥4,000、翌10月28日に¥3,000を申し受けます)
    当日(両日とも)¥4,500
 
●2日連続予約は10月26日までにお願い致します
●10月27日に翌日10月28日のご予約を頂いた場合は¥4,000を申し受けます。
・メールでのお申し込み:violin@nkita.net(喜多)
 メールタイトルは「喜多クアルテット10月予約」、メール本文に「代表者氏名、人数、連絡先電話番号」を
 必ずご記入の上、お申し込みください。
・電話でのお申し込み  Tel:03-6310-8871(公園通りクラシックス)

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