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演奏後記:cb西嶋徹さんとのデュオ@松本弦楽器

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左から:西嶋徹さん(cb)、喜多、松本弦楽器の親方・松本実さん、録音エンジニアのミック沢口さん 西嶋徹さんとのデュオライヴ、終了しました! お越しの皆さん、有難うございました! 西嶋君は松本弦楽器でコントラバスのセッティングをしてもらい、音が更に豊かになっていました! もちろん弾き方も今までとは少し変えているそうで、お客さんからは『演奏姿勢が前と違いますね』という意見もありました。 こんなに楽器のサウンドを変えちゃう親方、すげえ…。 セットリスト: 1. リベルタンゴ 2. Women’s Dance 3. 黒い太陽 4. 瞳を閉じて 5. 悲しい酒 6. アリラン 7. La Passionaria “リベルタンゴ”は田中信正さんと先日演奏した編曲を使用。 弦楽器だけのザクザクしたサウンド! ピアノとのデュオとはまた違う格好良さ! “黒い太陽”は知る人ぞ知るシャンソン歌手・バルバラの名曲。 もともと器楽的な曲ではないのですが、かなり無理矢理アレンジしてトライしました。 こちらもなかなか好評でした。 古賀メロディの悲しい酒はシットリと演奏。 ちょっと編曲がシンプル過ぎたような気もするので、後でもう一捻り加えたいところです。 そしてアリランには韓国のリズムを用いました。 最初はゆっくりの三拍子、次第に早くなりチルチェが現れます。 でもアリランにチルチェを使って良かったのだろうか??? 謎。 何だか性格も用途も違うリズムを使って、朝鮮の方が聴いたら『?』と思うかも。 以上4曲は割と編曲・譜面化したものです。 西嶋君とのデュオではこうしたアレンジものの方がしっくりくると感じました。 これからもレパートリーを更に増やしていきたいと思っています。 出来たら日本の曲をあと三、四曲。 そしてヴァイオリンとコントラバスだけでドラマを作れたらと思います。 それは喜多クアルテットや黒田さん・田中さんそれぞれとのデュオで行なっている編曲の手法。 もちろん即興演奏の場面も残しつつ、楽曲の世界を広げて行きたいです。 写真は打ち上げ風景。 田中信正さんとのアルバムの録音をして下さったミック沢口さん(右)も聴きにお越し下さり、一緒に飲みました。 僕の隣は松本弦楽器の親方。 お店をライヴのために開放して...

演奏後記:2018年4月4日・元井美智子さん(箏)との即興演奏@音や金時

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ホント、春らしい陽気が続いています。 花粉症の方には申し訳ないのですが、僕はこの季節が一番好きです。 ・だんだん暖かくなっていく ・湿度が低く爽やか ・キモい虫が出ない もう言うことなしです。 昨日もそんな気持ちの良い天気の中、西荻窪・音や金時で箏の元井美智子さんとライヴでした。 元井さんとのライヴは今日で三回目。 前二回は楽曲も演奏していましたが、今回は即興演奏のみ。 30分弱の演奏を二回行いました。 元井さんは現在、江戸時代から伝わる箏を借りて弾いていらっしゃいます。 江戸時代から伝わる箏。細工が美しい。 音の深みと余韻が大変素晴らしい。 音色がとても柔らかい。 前回に続き、昨夜もその箏のオーナーの男性が聴きにいらっしゃいました。 開演前、オーナーの方がテーブルに置いて見せてくださったのが沢山の折り紙。 和紙で織られているそうで、雰囲気が素朴で暖かい。 亀の上に鶴の乗った縁起の良い作品や、小さな鶴達が羽と羽で繋がった連鶴、その他、雉やカマキリもありました。 どれも一枚の紙から折られているのだそうです。 凄いです! そして折り方を編み出したのは、元井さんが弾いている江戸時代の箏を作った人なのだそうです。 ちなみにこの人は目が不自由で、手先だけではなく、紙を口にくわえた感触で折り紙を次々に作っていたのだとか。 その折り方は大変独創的で、複雑な現代折り紙にも匹敵するものなのだそうです。 素晴らしい箏を作りながら、しかも目が見えずとも高度な折り紙を作っていた…。 実に天才的です。 ちなみに見せて下さったのは復元。 でも大変美しい。 オーナーの方がステージに椅子を置いて、上に並べて下さいました。 箏・ヴァイオリン・折り鶴達の共演です。 元井さんとの即興演奏は水の上に浮かべた笹舟のごとく、無理な力を入れずともスーッと進んで行きます。 今出した音が次の音へと自然に導いてくれる。 櫓を漕ぐ手を休めても、船はしばらく推進力を失わない。 ある意味、とてもとても楽なのです。 演奏する手を止めても、演奏者と聴く人の中では音はまだ鳴っていたりする。 空気振動的な音は鳴っていなくても、耳の奥では余韻が続いていたりする。 そこに意識を向ける時、演奏の意味合いやあ...

今週水曜日4/4は元井美智子さん(箏)とデュオです!@西荻窪・音や金時

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前回のライヴ。 violin:喜多直毅/箏:元井美智子 2018年1月27日@西荻窪・音や金時 撮影・藤巻賢氏 今週水曜日(4/4)に行うライヴです。 このデュオではこれまで即興と楽曲を半々で演奏して来ましたが、今回は全て即興演奏でお届けします。 伝統的な箏曲から現代音楽・即興演奏・ジャズ等、様々な分野で大活躍の元井美智子。 やはり即興演奏や日本伝統音楽奏者・ダンサーとのコラボレーションに意欲的に取り組み続けるヴァイオリニスト・喜多直毅。 和洋が交差し混じり合う弦の音楽。 出演:喜多直毅(ヴァイオリン)    元井美智子(箏) 内容:即興演奏 日時:2018年4月4日(水)18:30開場/19:30開演 会場:音や金時(西荻窪)    http://www2.u-netsurf.ne.jp/~otokin/    東京都杉並区西荻北2-2-14喜志コーポB1    03-5382-2020 料金:2,500円+オーダー 予約:必要ありません。そのままお越し下さい。 箏:元井美智子 2018年1月27日@西荻窪・音や金時 撮影・藤巻賢氏 これまで何度か共演させて頂いている元井さん。 音楽に対して真摯であり謙虚であり。 その姿勢には尊敬の念を抱きます。 箏の演奏はホント『凛』という言葉が似合う。 よく「凜とした佇まい」と言いますが、元井さんの奏でる音にはそれを感じます。 violin:喜多直毅 2018年1月27日@西荻窪・音や金時 撮影・藤巻賢氏 そしてヴァイオリン。 先日も能楽の方々との公演を主催させて頂きましたが、ヴァイオリンに関してとても気になっていることがあります。 ヴァイオリンって世界中に伝播した楽器です。 ヨーロッパのクラシック音楽、ロマの音楽、アイリッシュ・ミュージック。 北米ではブルーグラス、中南米ではマリアッチ、アルゼンチンタンゴはもちろん、フォルクローレでも頻繁に使われていると最近笹久保伸さん(gt)に聞きました。 またブラジル北部でもヴァイオリンに良く似た形の楽器(名前忘れた)が使われています。 最近はジャズやロックでも沢山使われています。 非西欧圏のアラブ世界やイン...

鎌倉で子供向けワークショップをして来ました!

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しろかきされた田んぼ(あるいは畑?)。故郷・岩手の春を思い出します。菜の花も遠くに見えます! 先月25日の日曜日、鎌倉・広町緑地で子供向け野外ワークショップをして来ました! 題して『青空教室』。 現在ピアノ教室を開いている音大時代の友人が生徒さん達を集め、お母さんやお父さんと一緒に自然の中でピクニック。 そこで様々な音に耳を済まして、好きな音・嫌いな音、とにかく色んなサウンドを探してみようという趣旨の会でした。 僕は忙しさの余りちょっとストレスが溜まり気味だったので、この会は本当にリフレッシュになりました。 お誘い下さって有難うございました! まず鎌倉駅の西口ロータリーにある“腸詰屋”にて腹ごしらえ。 子供達と接するのはエネルギー使いますからね…。 しっかり食べておいた方が良い。 この重量感が素晴らしい!肉汁たっぷり! この店のソーセージ、初めて食べましたが実に美味しかった! ボリューム・重量感があってしかもジューシー。 多分有名なお店だと思いますがオススメです! イートインで食べていたら、隣にお婆さん(推定オーバー80歳)がいて、一人でソーセージ2本と生ビールを頼んでいました。 結構ガッツリなのに凄いなぁ。 このお婆さん、きっと長生きするに違いない! さて広町緑地で子供達と集合。 皆んな元気が良い。 良すぎる! 子供達のこのエネルギーはどこから来るのか! この子が木をキッチンに見立てて料理をしてくれました。 葉っぱを美味しそうに食べるふりをしなければなりませんでした…。 僕は子供がいないのですが、彼らに付いていけるだろうか…。 一抹の不安が心をよぎりました。 あ〜自分はもうオッサンという年なんだなぁと、駆け回る子らを眺めていて実感しました…。 とは言え、枝のたくさんある榎を見るとやっぱり木登りしたくなりました。 木登りサイコー!楽しい! まずは参加者全員で自由に音探し。 僕も画板と画用紙を持って自然の中を歩き回り、聞こえる音を書き留めました。 この日はとても天気が良く、まさに“春”って感じ。 鳥のさえずりや小川のせせらぎ、草木が風にそよぐ音…。 遠くに菜の花が咲いている。 凄く気持ちいい。 こんなところに小さな家を建てて住んでみたいなぁ。 ...

本日から吉本由美さん(dance)と三公演!@EARTH+GALLERY(木場・門前仲町)

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violin:喜多直毅/dance:吉本由美 @ EARTH+GALLERY(木場・門前仲町) 皆さん、こんにちは。 ウチの近所の緑道の桜が咲いていました! やったー! 春の訪れ、本当に嬉しいです。 これで厚着から解放され、寒さで中断していた趣味の深夜徘徊も再スタート出来ます。 心浮かれる季節です。 さて本日からダンサー・振付家の吉本由美さんとのパフォーマンスが三公演あります。 会場は木場のEARTH+GALLERY。 一度お客として由美さんのパフォーマンスを見に行ったのですが、とてもお洒落なスペースです。 天井が高いので響きの良さも期待出来ます。 楽しみだなぁ。 由美さんの公演では10年くらい前まで何度か弾かせて頂きました。 府中の森美術館、原美術館、西麻布や神田のギャラリー等。 それから数年ブランクがあって再び由美さんを僕のコンサートにお誘いしたりして、再びお付き合いが始まりました。 そして今回の公演にお声がけ頂きました。 今回の公演のテーマは『放り出されて強くなった』。 由美さんにお声がけ頂いた時、初めてこのテーマを知らされました。 僕がとっさに考えたのは、自分が受動的に放り出されることよりも能動的に『自分を放り出す』ことでした。 僕は自分自身を放り出していないから強くないんだ!と思ってしまいました。 こんなテーマを10年ぶりに共演する相手に投げつけて来る由美さんってかなりユニーク。 昔とあまり変わっていません(良い意味で)。 でもしばらく会わない間に由美さんは沢山放り出される経験をして、色々な意味で強くなったのではないかと思います。 取り敢えずこのパフォーマンスは弱いままの自分で挑みたいと思います。 弱いままでいたら色々と痛みを感じると思う。 その痛みを思う存分味わう。 それどころか最大限楽しんでみたい。 きっと生きて帰って来られるでしょう、木場から。 由美さんと僕のデュオの他、うえだななこさん、中島誠さんのダンスもご覧いただけます。 どうぞお楽しみに! 出演:吉本由美(ダンス)+喜多直毅(ヴァイオリン)    うえだななこ(ダンス)    中島誠(ダンス) 内容:コンテ...

今週土曜日午後は齋藤徹さんと即興演奏ライヴ!/演奏後記:2月25日矢萩竜太郎オープンリハーサルに参加して

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皆さん、こんばんは。 あったかくなったり寒くなったりですが、お元気でお過ごしのことと思います。 花粉症の方は大変ですよね…。 僕の周りでも辛そうな方が何人もいます。 早く特効薬が見つかれば良いのにと本気で思います。 実は僕も高校生くらいまでアレルギー体質で、鼻炎・アトピー性皮膚炎・喘息の三重苦でした。 でも大学進学で岩手から東京に出て来たら治っちゃいました。 考えられる理由は ・東京の汚れた空気の方が体に合っていた ・タバコを吸い始めた です。 普通は、空気や水の綺麗な岩手にいてタバコも吸わない方が体に良さそうなのに、僕の場合は真逆でした。 だからと言ってアレルギーの皆さんはわざわざタバコを始めたり、工業地帯に引っ越したりしませんように…! もっと酷くなるかも知れません。 さて今週土曜日の午後は板橋区内にてコントラバスの齋藤徹さんと即興演奏のライヴを行います! 齋藤徹さん(cb)と。2015年10月5日の撮影です。 会場は板橋区役所前駅と大山駅の中間くらい。 小さな教会です(実は我が母教会)。 牧師と教会役員の皆さんにお願いして、今回場所をお借りできることになりました。 内容は三十分程度の即興演奏を休憩を挟んで二回。 この一回三十分の間に様々なノイズ・うた・リズムが生まれては消えて行きます。 それはある意味、誕生と死を連続的に感じること、刻々と変わり続ける時間を体験すること。 そして音が消えた”しじま”に立ち上る声なき声・姿なき姿にこそ、即興演奏の、ひいては音楽の醍醐味があると思います。 【公演詳細】 出演:齋藤徹(コントラバス)    喜多直毅(ヴァイオリン) 内容:即興演奏 日時:2018年3月17日(土)14:00開場/14:30開演 会場: 日本基督教団 板橋大山教会     東京都板橋区氷川町47-3 交通:都営三田線「板橋区役所前」駅下車徒歩5分    東武東上線「大山」駅下車徒歩8分    駐輪場の前の坂を上がる。     料金:予約¥3,000/当日¥3,500 ご予約・お問い合わせ: violin@nkita.net ※お申し込みの際は《代表者氏名》《人数》《連絡先電話番号》を必ずお書き下さい。葬儀などによる公演中止の際はご連絡させて頂きます。 ※...

演奏後記:喜多直毅クアルテット公演『呪詛』無事終了!

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喜多直毅クアルテット 左から:vln:喜多直毅、pf:三枝伸太郎、bn:北村聡、cb:田辺和弘 2018年3月11日 中野テルプシコール(東京)、リハーサル風景 日曜日の喜多クアルテット公演、大勢の方々にお越し頂き無事終了いたしました! ご来場の皆様、本当に有難うございました! お楽しみ頂けましたら幸いです! 初めての会場でしたが、スタッフの皆さんの協力によってつつがなく公演が出来て本当に感謝です。 また演奏面ではメンバーの北村・三枝・田辺各氏の実力によって本当に助けられました。 彼らの理解力と演奏力の高さによって僕の拙い曲にも命が吹き込まれ、お客さんに届く…。 何とも贅沢な仕事をさせてもらっていると感謝しています! 有難う! さて今回のセットリストです。 1. 月と星のシンフォニー(部分) 2. 焦土 3. さすらい人 4. 疾走歌 5. 孤独 6. 昭和 ~泥の川~ 7. 峻嶺 encore: ふるさと 『さすらい人』は新曲です。 このグループを始めた頃は余り音符を書き込まず、メモ書き程度の楽譜をざっくりと演奏することが多かったのです。 しかし最近は書き込んだ音符でスコアが重くなって来ている気がしていました。 なので、今回はちょっと初心に戻って“雰囲気もの”みたいな曲を一曲作ってみました。 曲調はタイトル通り、どこか寒い土地をさすらう人のイメージ。 それと松尾芭蕉のこんな句も頭に浮かびました。 旅に病んで夢は枯野をかけ廻る 『昭和』は前回(昨年10月)のライヴに向けて作った曲ですが、今回は構成を変えたり新たな部分を加えたりしました。 更に、かなり前に作った曲『泥の川』を真ん中に挿入しました。 これによって作品がかなり重くなってしまった感は否めませんが、かなりフィットしているので変えずにおこうと思います。 ただ公演の録音を聴くとまだまだ手直しの必要を感じました。 もう少し増改築を繰り返すと思います。 (僕は本番で間違えてばかりいましたね、すみません…。) 喜多クアルテットでは、音楽のみによって聴いている人の頭の中に映像とかストーリーとか人物を浮き上がらせることをしたいと思っています。 脳をスクリーンとした映画みたいな感じ。 音楽をやっているのですからきちんと演奏することは...